ホンダの代表的モデル、スーパーカブ誕生秘話
2017年に世界での累計販売数が1億台を突破したホンダの「スーパーカブ」は、2018年に誕生60周年を迎えました。2023年の現在でもスーパーカブの人気は衰えず、世界中で幅広い世代に愛され続けています。
スーパーカブC125(2023)
スーパーカブC125(2023)
スーパーカブが世界中で広く支持され続けている理由を3つ挙げるとすれば、「誰もが扱えるバイクというコンセプトであること」、「飽きのこないシンプルなデザインであること」、そして「実用的であること」でしょう。
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また、「自動遠心クラッチ」という遠心力を利用したクラッチを採用し、ギアチェンジバイクにおいて、左手をクラッチ操作から解放した初めてのバイクでもあります。
これによりバイクの運転がより楽になり、スーパーカブはさまざまな場面で活躍するようになりました。加えて、低燃費で故障が少ないバイクとして、発売から60年以上たった今でも、スーパーカブは世界中で支持され続けているのです。
では、スーパーカブは、いったいどのような歴史を歩んできたのでしょうか。
スーパーカブの起源ともいえるのは、自転車の前輪にエンジンを後付けした「モペッド」と呼ばれる初期の原動機付自転車でした。
1952年に、自転車用後付けエンジンキットを装備した「CUB F型」を発売
ホンダは1952年に、自転車用後付けエンジンキットである「CUB F型」を発売。その後、モペッドをもとに、ホンダは戦後の日本の国情に合った、「誰もが扱えるバイク」というコンセプトの新しい乗り物を開発しました。スーパーなcubということで、1958年に発売されたその新しい乗り物が「スーパーカブ」というわけです。
また、発売後も国情や市場にあわせ、大幅な仕様変更や頻繁なマイナーチェンジを繰り返しながら、進化しています。
例えば、発売2年後の1960年にはセルスターターを標準装備、1966年には大幅な仕様変更としてOHCエンジンが採用されました。OHCエンジンを採用することで、エンジンの小型軽量化とコストダウン、燃費の向上に成功しながら、相反するエンジンの高出力化も達成しています。
その後、高度成長期を経て、日本国内でも環境問題や騒音問題などが取り沙汰されるようになりました。そこで1978年には「昭和54年騒音規制」に対応したスーパーカブを発売し、1981年には105km/L、1983年には180km/Lという超低燃費を達成しています。
そして時代は下り、2007年には電子制御燃料噴射システム「PGM-FI」を採用し、さらに環境性能は向上しました。
また、こうした大幅な仕様変更やマイナーチェンジを繰り返しながら、ハンターカブや、ビジネスカブ、リトルカブなど、多様なニーズに対応するスーパーカブの派生モデルがあるのも、スーパーカブの魅力です。
1959年にアメリカで販売を開始したスーパーカブC100(ホンダ50)
1959年にアメリカで販売を開始したスーパーカブC100(ホンダ50)
なお、スーパーカブは1959年にアメリカで販売を開始したのを皮切りに、1961年にはヨーロッパ、1964年には東南アジアに進出しました。
スーパーカブは、それぞれの国情に合わせて開発されています。そのため世界中に受け入れられ、2017年に世界での累計販売数が1億台を突破したのです。原付二種の人気が高まる昨今、スーパーカブの売り上げはさらに伸びていきそうです。
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1958年に誰もが扱えるバイクというコンセプトで発売されたスーパーカブの特徴は、飽きのこないシンプルなデザイン、そして実用的である点が挙げられそうです。
初代モデルの発売から60年ほどたった現在でも、その人気は衰えることを知りません。今後、さらなる派生モデルが発表される可能性もあるので、ホンダの動向を追い続けたいところです。