お台場で行われたEVのレース、「フォーミュラE」に行ってきました。間近で見ると結構な迫力です。狭いコースで「抜きつ抜かれつ」とならないのがつらいところ Photo by Ferdinand Yamaguchi 東京・お台場で開催された「フォーミュラE」に行ってきました みなさまごきげんよう。フェルディナント・ヤマグチでございます。今週も明るく楽しくヨタ話からまいりましょう。 お台場で開催された、日本初の公道レース「Formula E」(以下、フォーミュラE)を見学してまいりました。 何しろEVのレースですからね。エンジンの咆哮(ほうこう)もなければ焼けたオイルの匂いも漂ってこない。無音無臭のしめやかなレースだろう……とタカをくくって出かけたのですが、さにあらず。 エンジン音こそしませんが、タイヤのスキール音が盛大に響いている。F1のようなハイグリップタイヤを敢えて使わず、各社共通で、市販に近い韓国・ハンコック社製のタイヤを使っている。おまけに公道ですから路面の摩擦抵抗値がサーキットと比べると極端に低い。つまりタイヤが滑るわけです。だからコーナーの度にキキキキと音がする。キュイーンというモーターの回転音も聞き慣れると悪くありません。かつて京急の車両で使っていたドレミファインバータ的なものを使えば、もっと盛り上がるかもしれません。 フォーミュラEのフロントサスペンション部分 Photo by F.Y タイヤも共通。フロントサスペンションも共通。フォーミュラEで使用するレーシングカーは、実に部品と車体の7割をFIAが供給しています。 駆動用モーターとインバーター、ギアボックスなどは各チームで独自開発するのですが、レース結果はレーサーの腕とチームのバッテリーマネジメント戦略による部分が大きくなります。この辺りをハラハラドキドキしながら見るのも一興というものです。いやぁ最高に楽しめました。お招きいただいたジャガー・ランドローバー・ジャパン様、ありがとうございます。 ピットに入ると、焼けたオイルの代わりに、温度の上がった電子機器特有の匂いがしてきます(高出力アンプの裏から漂ってくる“あの匂い”に似ています) Photo by ...
4日、韓国・SBSは「EV(電気自動車)火災は鎮火に平均1時間かかるとされるが、10分ほどで鎮火できる新たな方法が開発された」と伝えた。EV火災 2024年4月4日、韓国・SBSは「EV(電気自動車)火災は鎮火に平均1時間かかるとされるが、10分ほどで鎮火できる新たな方法が開発された」と伝えた。 EV火災ではバッテリーの温度が1000度以上に急上昇する「熱暴走」が発生するうえ、バッテリーはパックで保護されているため水や消火剤を散布しても直接触れないため鎮火が困難だという。鎮火には「どうやってバッテリー内部に水を投入するか」が鍵となるが、ある建設会社と船舶機資材専門の中小企業が、船舶コンテナ火災の鎮火方法に着眼し、新たな鎮火方法を編み出したという。 火災が発生すると、駐車場の地面に設置した装備が水圧でドリルを動かし、車両の床面からバッテリーアックまで穴を開ける。その中に直接水を噴射するという仕組みで、防災試験研究院によるテストでは10分で鎮火に成功したという。 来年から団地型マンションには、駐車面積の10%以上に当たるEV充電施設を設置することが義務づけられる。これに活用される見通しだ。 過去3年間に発生したEV火災は、35%が駐車場で起きている。地下で充電中に火災が発生すれば大規模災害になりかねず、EVの地下駐車場利用を全面禁止にするマンションもあるという。 この記事に、韓国のネットユーザーからは「EVメーカーが製造段階で、火災発生時にバッテリー内部を急速冷却する方法を開発し、安全性を検証したうえで販売するべきだった」「そもそも火災が起きないように開発してくれないと」「EV火災が起きてもメーカーは知らん顔、政府も何もせず、ただEV購入者に責任転嫁するだけ。これでいいのかね?」「マンションの地下駐車場でEV火災が起きると、車だけが燃えるのではなく、住居、建物そのものの安全性が毀損される」「地下駐車場内で10分間は燃えてるってこと?10分間燃えるのは車だけとはかぎらない」「10分あれば車は全焼して死人が出てるでしょ」「EVは販売禁止にしてくれ」「EVなんて買うもんじゃない」などの声が寄せられている。(翻訳・編集/麻江)
トヨタの「全方位戦略」はむしろ大成功だった…欧米を追わず、中国とも違う「逆張り戦略」の狙いを解説する 欧米各国の「EVシフト」に対して、日本はどう対応するべきなのか。デジタル戦略プランナーの柴山治さんは「トヨタはEV以外の選択肢もあり得るという『マルチパスウェイ(全方位)戦略』を取っている。欧米や中国の自動車メーカーにはできない戦略を選んだのは正解だ」という――。 ※本稿は、柴山治『日本型デジタル戦略 暗黙の枠組みを破壊して未来を創造する』(クロスメディア・パブリッシング)の一部を再編集したものです。 車を作る会社からモビリティカンパニーへ 2018年1月、テクノロジーの見本市であるCES(コンシューマー・エレクトロニクスショー)で、トヨタは車を作る会社から、移動に関わるあらゆるサービスを提供するモビリティカンパニーへと転換することを宣言した。 MaaS専用EV車両であるe-Paletteの映像とともにトヨタの発表を目にした私は、世界は激変の時代にあり、想像以上の速さで変化していることを知った。実は、トヨタはモビリティカンパニーになるために、2016年よりも以前に動き始めていたのである。 ○コネクテッド戦略 付加価値創造のため、自動車をコネクテッドカーに転換し、走行データを分析可能なデータ基盤の整備。そしてMSPF(モビリティ・サービス・プラットフォーム)を構築し、周辺ビジネスと分析結果データを連携することで、収益機会の拡大やサービス拡充を図る戦略。 ○仲間づくり ・自動車メーカー スバル、マツダ、スズキ、いすゞとの資本提携強化(出資額累計1兆円以上)により、グループ世界販売台数1450万台、世界シェア18%。 ・モビリティサービス ウーバー(米)、ジョビー(米)、ディディ(中)、ポニー(中)、グラブ(馬)等に合計4000億の出資。 ・スマートシティ関連 OS開発でNTTと車両通信領域強化でKDDI、そしてソフトバンクとモネ・テクノロジーを共同設立。 ○スピンオフ戦略 モネ・テクノロジー、KINTO、ウーブン・バイ・トヨタ等、技術と事業開発をパートナー企業と共に推進。 ○EV戦略 ・電池製造 ...
4日、仏RFIの中国語版サイトは、中国のEVメーカーが欧州への輸出を加速させていることを報じた。 2024年4月4日、仏国際放送局RFI(ラジオ・フランス・アンテルナショナル)の中国語版サイトは、中国の電気自動車(EV)メーカーが欧州への輸出を加速させていることを報じた。 記事は、ドイツのテレビ局による報道内容を引用。中国のEV大手・BYDが先日5000台のEVを搭載した貨物船「探索者1号」を広東省深セン市から欧州に向けて出航させたことがドイツ国内で大きく注目されたとし、同社は今後2年でEV輸送船を8隻にまで増やす見込みであり、理論上は年間で16万8000台以上のEVを欧州に輸送できるようになると伝えた。 そして、中国メーカーはこれまで自国で生産したEVを海外市場に輸送する船舶を確保できずにいたものの、今や自力で運ぶ手段を手に入れたと指摘。BYD以外にも上海汽車が1月に自前の貨物船による海上輸送を開始し、奇瑞も年内に貨物船1隻を取得する見込みだと伝えた。 その上で、ドイツ国内の自動車業界専門家からは「BYDの野心は非常に明確。輸送能力の強化と現地ディーラーとの提携によって欧州での勢力を強めようとしており、他の自動車メーカーは中国からのプレッシャーを受けることになるだろう」といった指摘や、今なおドイツ国内では中国ブランドに対して「安かろう悪かろう」のイメージが残っているものの「ドイツの自動車メーカーは中国との競争を軽視してはならない」といった警告が聞かれることを紹介した。 一方で、EUは中国製EVに対するダンピング調査を進めており、7月に結果が出る見込みだとも指摘。仮にEUが制裁関税を発動すれば、中国との貿易関係は著しく悪化することになり、中国メーカーにとっては逆風になりうると伝えた。また、米国はすでに非常に高い関税によって中国製EVの市場流入を阻止しており、自国市場で飽和状態にあり、海外輸出に活路を見出そうと取り組む中国自動車産業の前途も決して楽観的ではないことを紹介している。 記事はさらに、一部の専門家が「中国のEV企業は現在市場で生き残るために必死にもがいており、多くの企業が利益を出せていない。現在中国にはEVメーカーが100社あまり存在するが、最終的に生き残るのは3〜5社だろう」との見方を示していることを伝えた。(翻訳・編集/川尻)
日産は日本メーカーとして唯一の参戦だった(提供)日産自動車 【小沢コージ クルマは乗らなきゃ語れない】 「やっぱり政治の力だよね。都知事や地方自治体の首長クラスが本気で動けば禁断の公道レースができるってことですよ」(モータースポーツ記者)。 先週末の晴れた土曜日、突如自動車レースの「フォーミュラE」が東京お台場にて開催された。正式名は「2024年フォーミュラE第5戦東京E-Prix」だが、要は2014年から世界の大都市で始まった1人乗りオープンホイール電気自動車によるEVレースである。告知は1年ほど前からなされているが、知らない人も多く、当日現場で観客に尋ねると「1カ月前に都の告知で」とか「昨日知りました(笑)」という人も少なからずいた。 最大のキモは、日本初の公道を使ったフォーミュラカーレースであること。コースは東京を代表するお台場の国際展示場、東京ビッグサイト周辺の1周2.5km強の道で、具体的にはりんかい線東雲駅から展示場に来る道と東棟と会議棟の間を通る道がメイン。ただ、現場で見てみると、半分ぐらいは東棟駐車場の通路を使っており、ほぼ完全に公道を封鎖して行われる世界3大レースの1つである欧州の「モナコグランプリ」やアジアの「シンガポールグランプリ」とは規模感が違う。特にモナコに匹敵する公道レースとなると、日本では皇居を1周するぐらいの演出が必要だろう。 公道レース実現を阻んでいた「壁」とは とはいえ、発表によれば観客動員数は約2万人。土曜日決勝単独の数であり、スタンド収容人数などは公開されてないので測りがたいが、まずは成功とみていい。事実、決勝は晴れた暖かい土曜日。ふらり現場に訪れる人は数多く、チケットがないと走るマシンを直接見れないが、F1ほどの高周波ビッグサウンドはなくとも、♪ヒューンという刺激的EVサウンドは生で聞けるし、スピードは凄まじい。 なにしろ最高出力470馬力で1トンを切るマシンが、時速300kmを超えて走るのだ……いや、東京ではコースの都合上、最高速は時速270km程度に抑えられていたが、それでも超速い。 加えてビッグサイト東館では、大画面でレースが観れる無料のパブリックビューイングが設置されており、誰でも楽しめる。 何より日本の自動車関係者にとって、一般道を使った公道レースは悲願。自分が自動車マスコミ界に入った90年代のF1ブームの頃から「日本で公道レースを開催したい」「なぜできないのか?」は論議になるほどで、結論としては警察の壁が大きかった。ひと言でいうならば「モータースポーツは危ない」「やめよう」「無理」となるのだ。 フォーミュラE開催の検討を始めたのは5年前 果たしてこの壁をどう突破したのか。今回フォーミュラE東京開催に向け、大きなバックアップをした「E-Tokyo Festival 2024」を主催した都の産業労働局 産業・エネルギー政策部の毛塚健太課長を直撃してみた。 「やはり環境問題でありEVの普及ですね。いま東京都は環境にかなり力を入れていて、2050年ゼロエミッションとか2030年カーボンハーフを目的とした時、どういうPRが都民に対してできるのか。(フォーミュラEを)検討し始めたのが5年前くらいで、警視庁さんや関係の部署とやりとりを重ねてある程度コースが絞れたのが3年前くらい。実際に開催が決まったのは昨年。都としては異例に時間をかけていると思います」 ――小池百合子都知事の存在は大きい? 「小池さんが都知事になってから急速に。元環境大臣であり、環境に対しても求める水準が非常に高く、知事ご自身も『21世紀は都市の時代』だとおっしゃってるので。都市の方から環境に対するPRを拡散していこうと常々公言されてますし」 ――やはりフォーミュラEが電気自動車だからこそ公道レースだと? ...
東武鉄道C11形123号機(2021年12月撮影) 東武鉄道の観光列車、SL大樹・SL大樹「ふたら」で使用されるSL「C11形123号機」が自動列車停止装置(ATS)を搭載しました。 2024年4月13日(土)以降、C11形123号機に関しては、これまでATSを搭載していた車掌車「ヨ8000形」を連結せずに運行します。 4月13日以降の運転(画像:東武鉄道) 車掌車は、一般的には貨物列車の末尾に連結される、車掌が乗るための車両です。東武鉄道はSL運行に際し、現代の鉄道システムに欠かせない自動列車停止装置(ATS)をSLではなく車掌車に搭載し、SLと客車の間に連結しています。 これにより車掌車の連結が不要になり、今後C11形123号機の運転時はSLが客車を直接牽引する姿が見られるようになります。 ・東武「C11 123号機」の火入れ式 2022年春デビューでSL3機体制へ 他線区での運転も検討 ・東武SL「C11形123号機」下今市駅で出発式 日本で唯一の同一形式によるSL3両体制に
理解されなかったコンセプト BMWモトラッドを代表するモデルであると同時に、アベンチャーツアラー界の先駆車にして王様……フラットツイン(水平対向2気筒エンジン。ボクサーツインとも言う)を搭載する「GS」シリーズに対して、近年では多くの人がそんな認識を持っているのではないでしょうか。 1980年から発売が始まった「R80G/S」は、フラットツインGSシリーズの原点であり源流。最高出力は50psで、装備重量は186kg、タイヤサイズはフロント3.00-21、リア4.00-18 1980年から発売が始まった「R80G/S」は、フラットツインGSシリーズの原点であり源流。最高出力は50psで、装備重量は186kg、タイヤサイズはフロント3.00-21、リア4.00-18 とはいえ、このシリーズの最初の十数年間は、必ずしも順風満帆ではありませんでした。と、私(筆者:中村友彦)は思っています。当記事ではそのあたりも含めて、フラットツインGSシリーズが現在の地位を獲得するまでの経緯を振り返ってみようと思います。 【画像】フラットツインGSの変遷を画像で見る(13枚) まずは第1号車として1980年に登場した「R80G/S」(俗称:スラッシュ・ジー・エス)の話をすると、200万円前後が珍しくない昨今の中古車相場を考えると想像しづらいですが(1980年型の当時の日本市場での新車価格は135万円)、デビュー後の数年間、このモデルのセールスはあまりパッとしませんでした。 当時の一般的なライダーが大排気量車に求めていたのは、クラストップの最高出力や最高速、過去に前例がない新技術で、そんな状況下で大きなオフロード車、と言うより、オフロード車の美点を取り入れたロードバイクに注目する人は、わずかしか存在しなかったのです。 ちなみに、1980年頃のBMWモトラッドの主力は、量産車初のフルカウルを装備する「R100RS」(1976年~)で、それに次ぐのはグランドツアラーの「R100RT」(1976年~)だったようです。 いずれにしても、当時のライダーが「RS」や「RT」ではなく、さらに言うならネイキッドの「R100」(1980年~)やカフェレーサーの「R100CS」(1980年~)でもなく、「R80G/S」を選択するには、信念や勇気、思い切りの良さなどが必要だったはずです。 パリダカールラリーにおける大活躍 そんなフラットツインGSの評価が変わるきっかけになったのは、パリダカールラリーにおける大活躍でしょう(1981年・1983年・1984年・1985年に優勝)。そしてレースで培った技術を転用して開発され、1987年から発売が始まった「R100GS」は、初代の「R80G/S」と比べれば、多くのライダーからの支持を獲得したのです……が。 1980年代前半のパリダカールラリーで、フラットツインGSは4度の栄冠を獲得。写真のライダーは1984年・1985年に優勝を飾ったガストン・ライエ 1980年代前半のパリダカールラリーで、フラットツインGSは4度の栄冠を獲得。写真のライダーは1984年・1985年に優勝を飾ったガストン・ライエ 1988年以降に登場したライバル車、ホンダ「XRV650」「XRV750アフリカツイン」や、ヤマハ「XTZ750スーパテネレ」、カジバ「エレファント750」などに対して、「R100GS」が圧倒的な優位を築けていたのかと言うと、必ずしもそうではありません。 なお、BMWモトラッドのフラットツインエンジンは、1993年からすべてをゼロから構築した新世代への移行を開始するのですが、そのトップバッターを務めたのはスポーツツアラーの「R1100RS」で、2番手の「R1100GS」がデビューしたのは1994年でした。 位置づけが、「RS」と入れ替わった というわけで、なかなか大人気には至らなかったフラットツインGSシリーズですが、オフロードテイストが濃厚だった「R80G/S」や「R100GS」とは異なり、オンロード指向のキャラクターに舵を切ったことが功を奏して、新世代の「R1100GS」は、「R1100RS」を上回る高評価を獲得します。 1994年にデビューした「R1100GS」は、第2世代フラットツインGSシリーズの1号車。最高出力は80ps、装備重量は243kgで、タイヤサイズはオンロード指向を多分に感じるフロント100/80-19、リア150/70-17となった。フロントサスペンションはBMWモトラッド独自のテレレバーを採用 1994年にデビューした「R1100GS」は、第2世代フラットツインGSシリーズの1号車。最高出力は80ps、装備重量は243kgで、タイヤサイズはオンロード指向を多分に感じるフロント100/80-19、リア150/70-17となった。フロントサスペンションはBMWモトラッド独自のテレレバーを採用 ...
125ccが通勤「最強」!?なぜそう呼ばれるのか 「通勤や通学に使うなら、125ccのバイクがちょうどいい」という意見を耳にしたことのある人は多いのではないでしょうか。原付から大型バイク、さらにはクルマ等、さまざまな選択肢がある中で、125ccのバイクは多くの人からの支持を集めています。 通勤の足としてのバイクに求められるのは良好なコストパフォーマンス。費用はできるだけ安く、それでいて申し分ない性能を発揮することが求められます。 【画像】原付二種モデルの画像を見る(10枚) 125ccが支持を集めるのは、費用と性能のバランスが非常に優れているからだと言えます。 まず費用面に着目した時、125ccバイクにとって大きなメリットとなるのは任意保険料の安さでしょう。125ccのバイクは、道路運送車両法では原付二種とされており、任意保険に入る際はファミリーバイク特約の使用が可能。 ファミリーバイク特約は、自動車保険に付帯することのできる特約で、バイク用の任意保険に加入するよりも安いことがほとんど。原付一種、原付二種を対象としており、125ccを超えるバイクは対象外となっています。 スズキ「アドレス125」の燃費は53.8km/L(WMTCモード値) スズキ「アドレス125」の燃費は53.8km/L(WMTCモード値) また、燃費の良さも費用面での大きなメリット。125ccのバイクの中には50ccのバイクと比べても遜色ない燃費を誇るモデルもあり、クルマや大きなバイクと比べてガソリン代を大幅に節約することが可能です。例えばスズキ「アドレス125」の燃費は53.8km/L(WMTCモード値)。通勤距離を片道10キロ、ガソリン価格を160円/Lと仮定すると、往復に必要なガソリン代は一回あたりわずか60円。1ヶ月に20回出勤しても、ガソリン代は1200円です。 燃費が20km/Lのクルマのガソリン代を同様の条件で計算した場合、往復に必要なガソリン代は160円、1ヶ月のガソリン代は3200円です。 また、バイクの本体価格は排気量に比例して高くなっていきます。中型以上のバイクと比べた時、車体価格が安いことも125ccバイクのメリットであると言えるでしょう。 中型大型よりも便利な一面も!?性能面でも申し分なし! 費用面では非常に優れた125ccバイクですが、性能面はどうでしょうか。 125ccのバイクは自動車専用道路、高速道路は走れないものの、50ccの原付と違って一般道では他のクルマやバイクと同じ速度で走行することが可能。車体の設計上の最高速度は100キロ以上であり、法定速度内であればかなり余裕を持った走りを楽しむことができます。 現在国内メーカーが新車販売している125ccバイクは、全て単気筒エンジンを採用している 現在国内メーカーが新車販売している125ccバイクは、全て単気筒エンジンを採用している 現在国内メーカーが新車販売している125ccバイクは、全て単気筒エンジンを採用しています。単気筒特有の低速トルクを生かしたスタートダッシュの加速力は必要にして十分。中型以上のバイクと比べた時、数値上の性能は劣るものの、街乗りレベルで不便さを感じることはないでしょう。 また、125ccバイク、特にスクーターは軽いことでも有名。例えばヤマハ「アクシスZ」の重量は100kg。150kg近くになる中型バイクや、200キロ超えが当たり前の大型バイクと比べると軽さが際立ちます。 軽くてコンパクトな車体は、狭い道を走る際や、スペースの大きくない駐輪場にバイクを停める際に役立ちます。その点では中型、大型のバイクよりも高い利便性を発揮すると言えるでしょう。 ...
A Toyota Motor Corp. logo outside the company’s automobile manufacturing plant in Durban, South Africa, on Tuesday, Aug. 16, 2022. ...
ベルリン・ブランデンブルクのテスラ工場から去るイーロン・マスクCEO、2024年3月13日 EVブームが失速しているといわれる。テスラは4月2日、2024年1~3月の販売台数が前年比で8.5%のマイナスになったことを発表した。経営コンサルタントの鈴木貴博さんは「EV失速の原因はHVシフトでも、キャズム超えの問題でもない。そもそも気候変動を止めるために、無理筋で導入されたのがEVなのだ。それでも、各国や自動車業界はEVブームを終わらせてはいけない」という――。 手のひら返しのようにささやかれる「EV失速」 経済評論家の鈴木貴博です。自宅にテスラとBYDの2台のEVを所有しています。2024年の世界の自動車市場では昨年のEVブームから手のひらを返したように「EV失速」がささやかれるようになってきました。 BYDとともに世界2強の一角であるテスラは4月2日に2024年1~3月の販売台数が前年比で8.5%のマイナスになったと発表しました。直接の原因はイスラエル紛争でスエズ運河経由の輸送が滞ったことやドイツの向上近くで起きた火災で生産停止になった影響も大きいとされていますが、一方で「2024年の販売台数の伸び率が著しく鈍化する」という予想を発表しています。欧米の大手自動車メーカーもつぎつぎとEVシフト戦略の修正に動き始めています。 EVの世界販売台数で世界第3位(2022年※)のフォルクスワーゲンは2023年12月期決算で売上が15%増にもかかわらず営業利益率が低下しました。EVの価格競争がその一因です。これを受けて、コスト削減の狙いから欧州ではEVの生産体制を縮小することを発表しています。EV市場で一段の価格低下が予見されることから、2024年投入の新車は高級車種中心で、市場が期待していた普及価格帯のEVの投入はしない模様です。 同じくEVで第4位(同)のGMは、2035年までにガソリン車全廃を掲げています。その方針自体はまだ変わっていませんが、これまで集中してきたEVに加えて、プラグインハイブリッド車をアメリカ市場に本格投入する方針を表明しています。 ※集計方法により3位をGMとするデータもある 香港市場でBYDの株価が急落 そして3月27日、香港市場で中国最大のEVメーカーであるBYDの株価が急落しました。その前日に発表した通期決算で純利益がアナリスト予想を下回ったのです。原因はEVの販売単価の下落です。モルガン・スタンレーのアナリストによればBYDの1台あたり利益は10~12月に前期比で25%減少した可能性が高いとされています。 なぜEV失速が起きているのでしょうか? そしてEVブームは終わるのでしょうか? 3つの視点で解説したいと思います。 1.HVシフトはEV失速の原因か? 現在NYで開催されているモーターショーではガソリン車とハイブリッド車の発表が中心で昨年から打って変わってEV車が話題の中心から外れてしまいました。 アメリカでEVシフトを推進してきたはずのバイデン大統領も、大統領選を睨んで2032年の新車に占めるEV車の販売比率目標を67%から35%に大幅に下方修正したことで、北米市場ではこの先、バイデン大統領が再選されてもトランプ新大統領が誕生しても、どちらにしてもEV失速が起きそうです。 ヨーロッパ市場では昨年末に最大市場のドイツでEVの購入補助金が打ち切られました。フランスでも補助金は縮小しています。理由はウクライナ侵攻で電気代が高騰しているという事情にあります。 EVの需要がHVに流れているわけではない その欧州の2月の自動車販売状況を見るとEVが対前年比10%増と市場並の伸びだったのに対して、HV(ハイブリッド車)が12%増と市場での構成比を伸ばしています。中でも欧州市場をそれほど得意としていないトヨタがHVを武器に14%増を達成しました。 このHVの好調さは世界的にみられる傾向で、調査会社のマークラインズによれば2023年は世界市場でのEVの伸び率が28%だったのに対して、HVは30%増と台数だけでなく伸び率でもEVを上回っています。 これらの数字から「もともと無理筋のEVシフトの限界が露呈した結果、世界はHVシフトに動いている」という論調が広まっています。この論調はある意味で正しいのですが、若干ミスリードされています。 というのも世界でHVシフトが起きているのは明らかなのですが、その因果関係はEVをHVが喰っているというわけではありません。そうではなくガソリン車とディーゼル車の需要がHVに流れているのです。 ...
軽トラをスポーティにカスタム ヨシムラジャパンは、3月22日から24日にかけて開催された東京モーターサイクルショーでスズキ「キャリィ」のカスタム車を展示しました。 гѓЁг‚·гѓ гѓ©гЃ«г‚€г‚‹г‚№г‚єг‚гЂЊг‚гѓЈгѓЄг‚ЈгЂЌг‚«г‚№г‚їгѓ ヨシムラによるスズキ「キャリィ」カスタム 1954年に吉村秀雄(ポップ吉村)氏によって創業されたヨシムラ(ヨシムラモータースとして創業)は、創業当時より2輪、4輪レースに参戦し、そこで培った技術力を注ぎ込んだ高性能アフターパーツの開発・販売を行うメーカーです。 ヨシムラによるスズキ「キャリィ」カスタムに装着されたwedsとのコラボホイール「ヨシムラWRS Seven」 ヨシムラによるスズキ「キャリィ」カスタムに装着されたwedsとのコラボホイール「ヨシムラWRS Seven」 【画像】ヨシムラによるスズキ「キャリィ」カスタム、ホンダ「モンキー125」カスタムを画像で見る(14枚) 2024年で創業70周年を迎えたヨシムラは、今シーズンも「ヨシムラSERT Motul」として世界耐久ロードレース選手権(EWC)に参戦するなど、挑戦を続けています。 東京モーターサイクルショーに展示されたキャリィ・カスタムは、スーパーGT500に参戦するホイールメーカーのweds(ウェッズ)とのコラボパーツが装着された車両で、中でも目玉となるのがコラボ第一弾製品「ヨシムラWRS Seven」と名付けられた軽量なアルミホイール。 AMF(アドバンスド・メタル・フォーミング)製法を用いることで、デザインの自由度を保ちながら高い強度と大幅な軽量化が実現されています。 ヨシムラによるスズキ「キャリィ」カスタムに装着されたSlip-On Ovalサイクロン ヨシムラによるスズキ「キャリィ」カスタムに装着されたSlip-On Ovalサイクロン また、同車両ではヨシムラ・スタッフいわく「一番の売れ線」というキャリィ用Slip-On ...
アメリカでEVが「政争の具」になっていた…! 米国で、電気自動車(EV)の「政治化」が進んでいる。 トランプ前大統領が、現職のバイデン大統領が目玉政策として推進するEV普及の失速を格好の政争の具にしたからだ。11月の大統領選挙で返り咲きを目指すトランプ氏にとり、EVの不人気がバイデン氏の政策の信用性を攻撃する効果的な武器となっている。 トランプ前大統領は、EVをバイデン大統領への攻撃材料にしている Photo/gettyimages しかし、EV政治化の裏には、次の4つをはじめとした米社会の分断に根差す構造的な対立がある。 1.経済格差によるクルマ購買力 2.党派に左右される環境意識の高低 3.計画経済的な「EV押し付け」を嫌う一部消費者の不満 4.自動車産業労働者のEVに対する反感」 この記事では、もともとクルマ購入のひとつの選択肢に過ぎなかったEVをめぐる文化戦争の様相を読み解くことで、バイデン対トランプの個人的な対決のせいで、政治色がさらに強まる「乗りもの」の未来を占う。 フォード会長の嘆き 米自動車大手フォードの元最高経営責任者(CEO)であるビル・フォード会長には、悩みがある。自社EV製品に党派色がついてしまったことだ。 創業者ヘンリー・フォードの曾孫であるビル氏は、2023年10月に米ニューヨーク・タイムズ紙に対して次のように説明した。 「EVの政治化が顕著になってきた。民主党寄りの州では、『気候変動対策としてのEV普及が急務だ』と叫ばれる一方で、共和党寄りの州では、『EVは新型コロナウイルスワクチンの強制接種のようだ。政府が無理やり買わせようとしているが、そんなものは要らない』との声が上がっている」 「弊社の製品がここまで大きく政治化される日が来ようとは、夢にも思わなかった」 米自動車大手フォードのビル・フォード会長 Photo/gettyimages 一昔前までは、よい製品を作って世に送り出せば、買い手がリベラルであれ保守であれ、買ってもらえた。クルマはクルマであり、政治など関係なかった。そんな嘆きである。 今では、「EVは意識の高い都会派の民主党員の乗りもの」と見られる一方で、ガソリンを大量消費して地球温暖化ガスを撒き散らす非EV系のSUVやピックアップトラックは、「環境破壊を平気で行う田舎者の共和党員の乗りもの」というイメージがついている。 ...
1981年に発売されたホンダのコンパクトカー「シティ」とは シティが発売された1981年は、ホンダがもっともキラキラと輝いていた時代だったといっていいかもしれません。その頃のホンダは、若者のハートに響くモデルを次々にリリースし、一躍人気ブランドに上り詰めたように思うのです。 1981年にホンダが発売したFFニューコンセプトカーライブビークル「シティ R」 1981年にホンダが発売したFFニューコンセプトカーライブビークル「シティ R」 その隆盛を語るにふさわしい筆頭が「シティ」でした。その後のコンパクトスポーツの理想像を語るかのようなトールボーイスタイルは、僕らの常識を完璧に覆してくれましたね。 【画像】カッコよすぎ! ホンダ「シティ R」の画像を見る(10枚) ホンダが提唱する「マンマキシマム。メカミニマム」の具体であり、全長3380mmの小さなボディに、水冷4気筒1.2リッターエンジンを搭載していました。最高出力は63馬力(シティR)でしたが、車両重量は665kg(シティR)です。非力なエンジンをブイブイと回せば、なかなか元気に走ります。 着座姿勢はアップライトな感覚で、ベンチシートに腰をおろすようなスタイルです。兎にも角にも、コンパクトならではの一体感が格別です。クルマに乗っているんだなぁ、という実感が得られるのです。 ダッシュボードはトレイにもなるようにフラット形状を採用 ダッシュボードはトレイにもなるようにフラット形状を採用 ダッシュボードはトレイにもなるようにフラット形状でした。それまでは、物を置くスペースにはならなかった。苦肉の策で、クロスを敷いたりマスコットを飾ったりするユーザーが多かったように記憶しています。 現代で言うなれば、携帯電話置き場に最適ですね。そうです、軽カーとして主流のハイパートールワゴンのコンセプトが1981年に既に完成されていたのです。ホンダには先見の明があったのですね。 後部に原付一種トランクバイク「モトコンポ」を搭載したシティ そのキュートなスタイルだけでも十分に衝撃的ですが、CMも秀逸です。6名の男性ロックバンドのメンバーが、自身が演奏する「シティ・イン・シティ」の曲に載せて、ムカデダンスを踊りながら登場wするのです。曲中に入る「ホンダホンダホンダホンダ・・」の合いの手が印象的でした。 後部トランクに原付一種トランクバイク「モトコンポ」を搭載 後部トランクに原付一種トランクバイク「モトコンポ」を搭載 ...
2024年2月26日、5年ぶりにスイスで開かれたジュネーブモーターショーでは、それ以前とは異なる光景が広がっていた。 2月26日から3月3日にかけて、スイスのジュネーブで2019年以来実に5年ぶりのモーターショーが開催された。新著『なぜクルマ好きは性能ではなく物語を買うのか』が話題の山崎明さんは「それまでのジュネーブモーターショーとは様相が一変し、明らかな異変が生じていた」という――。 ジュネーブモーターショーで起きていた「異変」 ジュネーブモーターショーが2024年2月26日から3月3日にかけて開催された。前回の開催は2019年だから、5年ぶりの開催である。 2020年も開催予定で、会場の設営がほぼ完了する段階まで進んでいたのだが、世界的な流行となったCOVID-19(新型コロナ)の影響で開幕直前に中止となり、昨年までその影響で開催されなかった。私は2019年まで毎年のように視察に行っていたので、開催が決まったという情報を得て、即時に航空券とホテルの手配を行った。 しかし、実際にショーの会場に足を運ぶと、今までのショーとはまったく異なる様相のショーだったのだ。一言で言うと、BEVを巡るEUの苦悩と中国の勢いをまさに絵に描いたようなショーだったのである。 どういうことだったのか、詳しくレポートしたい。 1905年より世界的メーカーのないスイスで開催 ジュネーブモーターショーは私が最も好きなモーターショーだった。ショーの歴史は長く、初開催は1905年である。その最大の特徴は、自動車産業が事実上存在しないスイスで開催されるということである。 フランクフルトがドイツ車、パリがフランス車、デトロイトがアメリカ車、東京が日本車中心になるのと異なり、ジュネーブモーターショーはドイツ、フランス、イタリア、イギリス、日本、韓国、アメリカの各ブランドがバランス良く展示されていたのだ(最近はアメリカ車は少ないが、かつてはヨーロッパでは珍しくスイスはアメリカ車にも一定の需要があった)。スイスでは日本車も売れており、2024年2月のデータでは14%ほどのシェアがある。 加えて、スイスにはプライベートバンクがたくさんあり、世界から富裕層が集まるため、高価なスーパーカーブランドや、高級車をさらに豪華に仕立てたり高性能化したりするチューナーと呼ばれる業者が多数出展するのも特徴だった。 また、会場はジュネーブ空港に隣接しており、空港を出て数分で会場に入ることができ、空港自体も鉄道でジュネーブ中央駅まで5分という好立地のためきわめて便利なのである。つまりあらゆるモーターショーの中でもっとも快適で、見応えもあるものだった。 2023年にはカタールでジュネーブモーターショー組織委員会主催のモーターショーが開催され、ジュネーブに比べれば規模は小さいもののドイツ、日本、イギリスのプレミアムブランドを中心にそれなりの数のブランドが出展していたのである。 新型コロナ以前の6分の1に規模縮小… 大いなる期待を込めながら会場を訪れた私だが、今年の会場で目にしたものは今までとまったく異なるものだった。 まずショーの会場となるPalexpoという施設にはホール1からホール7まであり、今まではそのほとんどを使っていた。しかし今回はホール2とホール4の2つしか使っていなかったのだ。規模的に3分の1程度になっていたのである。 驚きはこれに留まらない。ホール2はヒストリックカーとモータースポーツ車両展示でほとんどの空間が占められており、モーターショーというより自動車博物館といった体の展示なのである。 つまり、モーターショーといえる展示はホール4のみ。「モーターショー」としては2020年に計画されていた展示面積の6分の1という寂しいものとなっていたのだ。 寂しい欧日メーカーと中国ブランドの隆盛 驚きはさらに続く。 ...
(写真=CAR and DRIVER) この記事は2024年3月23日に「CAR and DRIVER」で公開された「【最新モデル試乗】高効率NEWエンジン搭載。新型スズキ・スイフトの軽やかフィール」を一部編集し、転載したものです。 ■新型は軽やかな走りが際立つコンパクトの代表 国内外にライバルひしめくコンパクトクラスにあって、独自の存在感を放つスズキのスイフトがフルチェンジした。新型は2004年に誕生した、軽自動車の拡大版という開発手法から脱却したモデルから数えると4代目となる。今回刷新されたのはベーシックな標準仕様のみ。ハイパフォーマンス版のスイフトスポーツは、いまのところ従来モデルが継続販売されている。 骨格構造をキャリーオーバーしたこともあり、3850×1695×1500mm(FF)のボディサイズは従来型とほぼ同様。新型も「5ナンバー」の枠内に収まり、2450mmのホイールベースも旧型と同一である。 ルックスは、ピラーをブラックアウト化した「フローティングルーフ」のモチーフを踏襲したこともあり、ひと目で「スイフトだ」とわかる雰囲気を備える。ボンネットは前端部分のスラント量を抑えてサイド見切りを重視した新形状。フロントグリルも丸みを帯びた造形に変更するなど新たな「デザイン手法」にもトライ。フルモデルチェンジを行ったことは遠目にも明確だ。 インテリアの雰囲気は大きく変化した。造形とカラーリングの工夫でダッシュボードとドアトリムの連続性が強調され、ディスプレイは従来のセンターパネル内からダッシュアッパー部へと位置を変更。最上級グレードは電動パーキングブレーキが標準装備になり、センターコンソールからブレーキレバーが姿を消している。 新型スイフトのメカニズム面で最大のトピックは、エンジンが従来と同じ1.2リッターという排気量ながら新開発ユニットへと載せ替えられたことだ。エンジンスペックは82ps/5700rpm、108Nm/4500rpm。 新エンジンは従来の4気筒から3気筒へと変更しただけでなく、バルブ挟み角と吸気ポート形状の最適化によって燃焼室内に強く速いタンブル流を生成させる4バルブDOHC機構を採用。吸気側の可変バルブタイミング機構や電動式ウオーターポンプの導入で高効率を達成している。 また、中上級グレードは、最高2.3kW(3.1ps)の出力を発するモーターを用いたマイルドハイブリッドシステムと組み合わせることで優れた燃費性能を実現した。 ベーシック・モデルながらも「それを好むユーザーも少なからず存在する」と判断され、5速MT仕様が設定される新型スイフトだが、今回テストドライブしたのは新エンジンに合わせて大幅にリファインしたCVTと組み合わせたFFモデルだ。 ■軽量設計が力強さをアシスト。走りはしっかりとした印象 シート位置とチルト/テレスコピック機構付きのステアリングを調整してドライビングポジションを決めると、その段階で気づくのが各操作系の扱いやすさ。とくに、トグルスイッチとプッシュスイッチを組み合わせた空調コントロールは操作しやすい。走る前から好感が持てる。 基本的なボディ骨格をキャリーオーバーとしている開発背景もあり、居住空間そのものは従来型と変わっていない。後席へと移動すると決して広々としているとはいえず、センタートンネルの張り出しや降車時のサイドシル高さがやや気になる。だが、決して狭くはない。 フロントシート下への足入れ性に優れることもあって、大人4名が長時間を過ごすのに不足のないスペースを確保している。この点は評価できる。 後席アレンジは2分割式のシートバックが前倒れするのみ。倒してもラゲッジスペースとの間に段差が生じるが、その分深さが確保される。用品で販売されている「ラゲッジアンダートレー」を用いれば段差も解消される。 ...
(写真=CAR and DRIVER) この記事は2024年3月21日に「CAR and DRIVER」で公開された「コンテンポラリーデザインの世界からインスピレーションを受けたロールス・ロイス・ゴーストの特別仕様車が登場」を一部編集し、転載したものです。 ロールス・ロイスがフラッグシップサルーンのゴーストをベースとした特別仕様車「ゴースト・プリズム」を発表。ファッションやデザインに精通した顧客の好みを反映して、ガンメタルグレーのボディカラーとブラックのブライトワーク、フェニックスレッド、フォージイエロー、マンダリン、ターコイズという4種類のアクセントカラーを配して、時代を超越した高級サルーンの世界観を表現。ロールス・ロイス・モーター・カーズの創立120周年を記念して、2024年内に120台限定で世界中に展開予定 ロールス・ロイス・モーター・カーズは2024年3月12日(現地時間)、ラグジュアリーサルーンのゴーストをベースとした特別仕様車「ゴースト・プリズム(GHOST PRISM)」を発表した。 ロールス・ロイスのフラッグシップサルーンに位置するゴーストの現行モデルは、第2世代として2020年に市場デビュー。瀟洒かつ存在感あふれるセダンスタイルに贅を尽くしたインテリアを内包し、パワーユニットには571ps/850Nmを発生する6.75リットルV12ツインターボエンジンを搭載して、世界中のセレブ達から熱い支持を集めてきた。今回の特別仕様車は、ファッションやデザインに精通した顧客の好みを反映して、ガンメタルグレーのボディカラーとブラックのブライトワークに、4種類のアクセントカラーを内外装に配して、時代を超越した高級サルーンの世界観を表現したことが特徴。車名のプリズムは、ダークでニュートラルな色調に明るくスペクトラルな色彩のコントラストがプリズムのように輝いていることを意味している。 エクステリアについては、彫刻的で存在感あふれるロールス・ロイスならではの高級サルーンのスタイリングを基調に、4層のペイントを丹念に塗り重ねた後、16時間かけて手作業で磨き上げるという、精密な作業を伴う10段階の工程によって深い光沢のある仕上りを実現したガンメタルグレーのボディカラーを採用。また、グリルとリアリッドのブライトワークにはスモークブラックグレーの高光沢バーンアウト塗装を施し、合わせてフロントバンパーとサイドのブライトワークには深みのあるグロスブラックを配する。そして、バンパー下部のインサートやブレーキキャリパー、コーチラインに、フェニックスレッド、フォージイエロー、マンダリン、ターコイズという4種類のアクセントカラーをさりげなく入れ、世代を超えるラグジュアリーのデザインを創出した。 一方でインテリアは、グレー系のプライマリーカラーとホワイト系のセカンダリーカラーを基調に、外装のアクセントと合わせたカラーをステアリングやメーターディスプレイ、インパネおよびドアトリム、シート表皮などに採用。さらに、ビスポークのスターライトヘッドライナーにもアクセントカラーと同系色の1040個あまりの星を組み込んだ。 なお、ロールス・ロイス・モーター・カーズは2024年に迎える同社の創立120周年を記念して、ゴースト・プリズムを120台限定で世界中に展開すると予告している。 Writer:大貫直次郎 (提供:CAR and DRIVER)
オフロードバイクってどのようなもの?メリットやデメリット バイクにはさまざまなカテゴリーがあり、ロングツーリングをしても疲れにくいネイキッドや、スピード感あふれるスーパースポーツなど、カテゴリーごとに数多くの特徴を持っています。 そんな中、数あるカテゴリーの中でもオフロードと呼ばれるバイクがありますが、いったいどのような特徴があるのでしょうか。また、乗ることによるメリットやデメリットはあるのでしょうか。 オフロードバイクは、山道や林道、岩場、砂地などの舗装されていないあらゆる路面を走ることを想定したバイクタイプのことをさす オフロードバイクは、山道や林道、岩場、砂地などの舗装されていないあらゆる路面を走ることを想定したバイクタイプのことをさす 【画像】各社が販売するオフロードバイクの画像を見る(10枚) そもそもオフロードとは、舗装されていない道路のこと。そのためオフロードバイクというと、山道や林道、岩場、砂地などの舗装されていないあらゆる路面を走ることを想定したバイクタイプのことをさします。 悪路でも安定して走行できるように、車高が高くバランスがとりやすい設計をされているのがオフロードバイク最大の特徴です。そのため、他のカテゴリーのバイクに比べて足回りの可動域が非常に大きく、デコボコ道などの悪路にも対応できるようになっているので、他のカテゴリーのバイクにはない特徴的な見た目を有しています。 また、エンジンも小型で車体も軽量なことにより燃費がよく、ハンドル操作がしやすく軽快に走ることができるようです。そして無駄のない非常にシンプルなデザインとなっているので、整備性も高く維持管理しやすいバイクと言えるでしょう。 自衛隊や消防などでも使用されているオフロードバイクは、その高い機動力が魅力 自衛隊や消防などでも使用されているオフロードバイクは、その高い機動力が魅力 自衛隊や消防などでも使用されているオフロードバイクは、その高い機動力が魅力です。しかし、機動力を高めるために車高が高く設計されていることから、足つきが悪くなってしまっているという点が最大のデメリットでもあります。 背の高い人でも、片足しか地面に届かないという車種も多いオフロードバイクは、その車高の高さから風を受けやすいというデメリットもあり、風が強く吹くことの多い海沿いや、ハイスピードを出すこともある高速道路などのツーリングは不向きであるようです。 また、軽量化のためにガソリンタンクも小さく設計されていることから、一回の給油で走れる距離が短めになっている点もデメリットとして挙げられます。 こうした長所と短所が表裏一体となっているオフロードバイクは、山道の走行に特化したものや、崖を駆け上がれるパワーを持ったもの、砂地だけでなくオンロードも軽快に走れる車種などがあります。また、排気量も50ccの子供でも乗れるほどのサイズのものから大きな排気量までさまざまな車種がラインナップしています。 街中でよく見かける車種としては、ホンダの「CRF250L」などもある 街中でよく見かける車種としては、ホンダの「CRF250L」などもある たとえば、軽快に操作できるだけでなく乗りやすいサイズ感であることから人気があるのは250ccのオフロードバイク。街中でよく見かける車種としては、ホンダの「CRF250L」などがありますが、自衛隊でも使用されているカワサキの「KLX250」も人気の高い一台のようです。 そして保険料などの維持費が安く抑えられる125cc以下のオフロードバイクは、セカンドバイクとしても使用されることが多いと言います。代表的な車種、ホンダの「CT125 ハンターカブ」もアクティブな使い方ができるということから、オフロードバイクのカテゴリーであるようです。 ...
運送業界に革命をもたらす「自動運転トラック」がアメリカで間もなく高速道路を走行し始める 工場で製造されたモノを販売店舗まで運ぶ運送業界に、間もなく自動運転トラックが革命をもたらす可能性があると、The Washington Postが指摘しています。 Autonomous semi trucks are coming, despite job fears and lack of regulation – The Washington Post ...
アバルト500eツーリスモ・ハッチバック/価格:615万円。ラインアップは固定ルーフのハッチバックと電動キャンバストップのカブリオレ(645万円)の2タイプ。駆動方式は前輪を駆動する2WD Photo by Hiroya Yamagami 「ほしい!と思ったモデルがBEVだった」現在、黎明期にあるフル電動モデルの購入動機として、この点が大切だと思っている。 アバルト500eは、ほしいクルマの筆頭格だ。いや、正確にはベースとなったフィアット500eが登場したときに、“写真”を見てそう実感した。デザイン、個性、センス……見てわかるエモーショナルな問いかけが自身に響くかどうか。大いに響いたならば、それは“ほしい”の対象となる。ほしいものなら多少の不便を乗り越えていける。 とはいえクルマである。“走りのクオリティ”は重要な要素だ。素晴らしいデザインだけど乗ってみるとがっかり、というのは昔からよくある話。仕事柄ずいぶんと楽しいクルマを経験してきた手前、乗ってツマラナイじゃ悲しい。で、話は本題のアバルトである。 メカニズムはフィアット500eのホット版。往年の500を彷彿させるボディは従来のガソリンモデルよりひと回り大型。そ れでも全長×全幅×全高3675×1685×1520mmの5ナンバー規格に収まる 各部にアルカンターラをあしらった室内は上質。中央に10.25インチのタッチディスプレイをレイアウト。ハンドリングは街中では素直/ワインディングでは機敏。すべての道で操るのが楽しい 室内は4シーター設定。前席はサポート性を高 めたハイバック形状。後席も実用的。乗り心地はしっかりとした感触 アバルト500eツーリスモ・ハッチバックリアシート 「ヴォヴォヴォヴォヴォボボーン」。ややくぐもった、けれども迫力十分なサウンドが室内に響き渡った。これがサウンドジェネレーターの奏でる快音というものか。 試乗の舞台はクラシックカー好きの集まり。アバルト500eの存在感にみんな興味津々集まってきた。アクセルを踏む役を友人に代わってもらい、外から音を聴いてみる。室内よりも随分と軽やかで心地いい。当然ながらエンジン車のように熱気を含んだ脈動感を感じることはない。けれどもワクワクする。集まったエンジンサウンド大好き仲間も、当初はこれが正真正銘のBEVであると信じてくれなかった。 走り出す。アクセルと連動して高まる“模造サウンド”を味わってみる。これまでも走りに合わせて電子音を聴かせるBEVはあった。けれどもここまでこだわったエンジン音はなかった。そこが確かに面白い。とはいえアバルト500eは新しい時代の新しいスポーツタイプの新しいコンパクトカーだ。いくらも経たないうちに音など要らないと思ってしまった。サウンドを切って走り直す。 BEVである前に真正アバルト! 運転好きを魅了するキャラクターに脱帽 フィアット500eはBEVらしからぬ調教された出足のスムーズさが魅力だった。ボクはBEVによくある強烈すぎる加速パフォーマンスを好まない。0→100㎞/h加速でランボルギーニより速いといわれても、“だからどうした”である。もちろん速いクルマは大好物。けれど、強力すぎる加速性能は飽きてしまう。何より危険だ。加速自慢のBEVを試すときには広い場所でローンチスタートを1回だけ試して、その凄さを体感。大笑いした後は二度とフル加速を試みない。だから結局のところ、過剰なほどの加速性能は必要ない。 ...
(写真=CAR and DRIVER) この記事は2024年3月22日に「CAR and DRIVER」で公開された「【注目モデル試乗】VWゴルフはいつの時代も、クルマの方向性を指し示す世界のベンチマーク。ヴァリアントTDIの凄い実力」を一部編集し、転載したものです。 ■ゴルフに魅力的な特別仕様者登場 VWは2023年に日本正規輸入70周年を迎えた。ビートル(タイプⅠ)からスタートした国内販売は、累計180万台を超え、「日本で最も知られる輸入車」の地位を得ている。 現在はSUVのT-CrossやT-ROCの販売が好調で、BEVのID.4も注目を集めている。とはいえVWの主力は、クルマ界のベンチマークともいうべきゴルフ。日本では1975年から輸入され、100万台以上がユーザーの元に届けられた。ゴルフの魅力は、VWらしい質実剛健さと高い完成度の融合。どの世代も、乗ると「いいな」と感じさせてくれる。 8代目の現行モデルで、個人的に最もゴルフらしいと感じるのが新世代ディーゼルを搭載したヴァリアントTDIだ。理由はワゴンボディならではの優れたユーティリティと、パワフルで経済的な走りを高次元で実現しているからである。長距離ドライブを愛するドライバーにとって、これほど魅力的な選択肢はない。 試乗車は、70周年記念・特別仕様車のプラチナムエディション。ナビを含むインフォテインメント機能やLEDマトリックスライトなどの充実装備をそのままに、ベース車のTDIアクティブアドバンス(458万4000円)比で約40万円も価格を引き下げたお値打ちモデルである。しかもプラチナムエディションは、ベース車には設定がないDCCパッケージ(電子制御サスペンション)を18インチアルミとセットで用意(23万1000円)する。テスト車はDCCパッケージ仕様である。 в– гЃ©гЃ“гЃѕгЃ§г‚‚иµ°гЃЈгЃ¦иЎЊгЃЌгЃџгЃЏгЃЄг‚‹пјЃ гѓ‘гѓЇгѓ•гѓ«гЃ§зµЊжё€зљ„гЂ‚дїЎй јгЃ§гЃЌг‚‹з›ёжЈ’гЃ 久しぶりに対面したゴルフは、スタイリッシュだった。最新のヴァリアントは歴代ゴルフで初めてハッチバックより50mm長い2670mmのホイールベースを採用。伸びやかな印象とスペース性を際立たせている。スリーサイズは4640×1790×1485mmと適度。大きすぎず、小さすぎない。まさに街乗りからロングツーリングまで最適なサイズ設定といえる。 それでいて室内は広く、荷室は広大。大人4名で、遊び道具を満載しての使い方が似合う。ラゲッジシェルフのガッチリとした作り込みもドイツ車らしい。ヴァリアントは、豊かなライフスタイルを連想させるゴルフだ。 TDIの心臓は、VWの最新世代となる2リッターディーゼルである。ポイントは走りと環境性能。燃料噴射圧や噴射回数を一段とアップデートし、従来は1系統だったSCR排気ガス浄化システムを2系統とした。その結果、よりクリーンな排気ガスを実現すると同時に、出力やレスポンス、燃費などが向上し、静粛性もアップしたという。 基本スペックは150ps/3000〜4200rpm、360Nm/1600〜2750rpm。実際にドライブすると、「これこそゴルフ」というイメージ。走りは静かでパワフル。実用域の1500〜2000rpm付近の力強さが印象的だ。しかも吹き上がりとスムーズさも良好。4500rpmのレッドラインまで頭打ち感は皆無だ。走り出しの一瞬こそ、たとえばモーターを組み合わせたマイルドハイブリッド仕様のBMW・X1・20dのほうが強力な印象だが、総合的な実力は勝るとも劣らない。とくに中高速域の、アクセルを少し踏み込んだだけで分厚いトルクが湧き出す感触は格別。どこまでも走って行きたくなる。 ディーゼル特有の音も全域で抑えられ、快適性もハイレベル。ハッチバックと比較すると後方から侵入するノイズがやや高い印象はあるが、さほど気にならない。WLTCモードの燃費データは19.0km/リッター。燃料タンク容量は51リッターだから、単純計算では969kmの航続距離を誇る。参考までに紹介しておくと、以前、連載企画「クルマの通知表」用に計測したハッチバックのTDIは24.9km/リッター(WLTCモード:20.0km/リッター)をマークした。TDIの優れた燃費性能は大きな魅力である。 ハンドリングも好印象を抱いた。車重がかさむディーゼルながら、コーナリング時にノーズが重い印象は皆無。軽やかにワインディングロードを駆け抜ける。DCC仕様の試乗車の場合、スポーツを選ぶと一段とシャープに変身。コンフォートではしっとりとした乗り味が味わえた。車高が高いSUV全盛の中、低く構えたゴルフは、ひときわドライビングが楽しめる1台である。 クルマに何を期待するかで、評価は変わる。ゴルフ・ヴァリアントTDIは、生活のパートナーとして「信頼できる1台」を求めるユーザーに最適な選択肢だ。しっかりとしたボディとパワフルな心臓。そして安定性に優れた足回りは、ドライバーに絶大な安心感を与え、広く使い勝手に優れた室内空間が、ウイークエンドの生活の幅を広げる。しかもモダンなインフォテインメント機能と最新の安全・運転支援機構が、いまという時代を感じさせる。決して派手な存在ではないが、乗るほどに愛着がわき、「いいクルマを買った」と実感するクルマ。ゴルフは、やはりVWの代表に違いない。 ...