4日、仏RFIの中国語版サイトは、中国のEVメーカーが欧州への輸出を加速させていることを報じた。
記事は、ドイツのテレビ局による報道内容を引用。中国のEV大手・BYDが先日5000台のEVを搭載した貨物船「探索者1号」を広東省深セン市から欧州に向けて出航させたことがドイツ国内で大きく注目されたとし、同社は今後2年でEV輸送船を8隻にまで増やす見込みであり、理論上は年間で16万8000台以上のEVを欧州に輸送できるようになると伝えた。
そして、中国メーカーはこれまで自国で生産したEVを海外市場に輸送する船舶を確保できずにいたものの、今や自力で運ぶ手段を手に入れたと指摘。BYD以外にも上海汽車が1月に自前の貨物船による海上輸送を開始し、奇瑞も年内に貨物船1隻を取得する見込みだと伝えた。
一方で、EUは中国製EVに対するダンピング調査を進めており、7月に結果が出る見込みだとも指摘。仮にEUが制裁関税を発動すれば、中国との貿易関係は著しく悪化することになり、中国メーカーにとっては逆風になりうると伝えた。また、米国はすでに非常に高い関税によって中国製EVの市場流入を阻止しており、自国市場で飽和状態にあり、海外輸出に活路を見出そうと取り組む中国自動車産業の前途も決して楽観的ではないことを紹介している。
記事はさらに、一部の専門家が「中国のEV企業は現在市場で生き残るために必死にもがいており、多くの企業が利益を出せていない。現在中国にはEVメーカーが100社あまり存在するが、最終的に生き残るのは3〜5社だろう」との見方を示していることを伝えた。(翻訳・編集/川尻)