兵士たちの要求
4月10日、オランダのオープン・ソース・インテリジェンス『Oryx』は、ロシア軍の装備品の喪失が1万点を超えたと発表した。
第二のビデオ
Oryxは、画像やビデオの視覚的証拠によって、撃破・損傷・放棄あわせておよそ2000両のロシア軍戦車の損害を確認した。この甚大な損失は、戦場に展開するロシア軍の兵力について、深刻な影響をもたらしている。
ロシア主力戦車の半分が消える
2月、国際戦略研究所(IISS)のジョン・チャップマンは同シンクタンクのウェブサイトで、ロシアはおそらく、軍が保有する主要戦車の半数以上をこの1年のウクライナ侵攻の間に失っていると述べた。
最新鋭戦車の3分の2が消える
ロシア軍の働き者
「T-80」や「T-90」も戦場に出てはいるが、やはり「T-72」とその派生モデルがロシア軍一番の「働き者」だと考えられている。そう述べるのは、『ガーディアン』紙のダン・サバー(Dan Sabbagh)だ。
期待はずれの開戦
「ロシア戦車兵は、ウクライナに大手を振って入れると期待していた。なかにはパレード用の装いを積み込んでいた戦車隊もあったほどだ。電撃戦で勝利を収め、キーウの街を戦車が誇らしげに行進する未来を夢見ていたのである」と、ダン・サバーは書いている。
一両ずつ狙い撃ち
「ロシア軍戦車部隊に実際に起こったのは、ウクライナの大砲や歩兵部隊の対戦車兵器によって、一両また一両と撃破されていくことだった」とダン・サバーは続ける。
司令官の悩みの種
時間の問題
相当数の最新式戦車を喪失した結果、ロシア軍は旧式の戦車に救いを求めざるを得なくなった。旧式戦車で新式戦車の穴を埋めようというのである。だが、ちょっと待ってほしい。新式戦車を製造すればいいのではないだろうか。これについては、デイヴィッド・アックス(David Axe)が最近の記事で、戦車製造の悩みを論じている。
60歳の戦車、70歳の戦車
デイヴィッド・アックスによれば、ロシアは現代式戦車の製造に必要なハイテク部品の調達に苦しんでいるのだという。そのような経緯からロシア軍司令部は、長いことしまい込んであった60年ものの「T-62」と、70年ものの「T-55」、あわせて数百両をひっぱり出してきたのだった。
古臭い戦車
旧式とはいえ、「T-62」戦車と「T-55」戦車は、しかるべき扱いを受けるなら十分脅威となりうる兵器である。だが、その古臭さはいかんともしがたい。
ロシアの掘り出し物
訓練も簡単
ざっくりとした作りの旧式戦車は、戦車兵を訓練するのも造作ない。ところでこの旧式戦車には、現代式の戦車にはおなじみの自動装填機がついていないので、4人目の戦車兵は再装填をマニュアルで行わなければならない。
ロシア軍が北部から撤退
「プラスの面は、4人の戦車兵が旧式戦車の扱いを比較的短期間で(たとえば、数週間の訓練で)習得できるということ。マイナス面は、当然、そうはいっても旧式の戦車に搭乗しているということだ」と、デイヴィッド・アックスは論じている。このマイナス面は重大な問題を引き起こしかねないという。
すぐには使えない予備戦車
旧式戦車で現代式戦車の穴埋めをするロシア軍の動きを、デイヴィッド・アックスは「急場しのぎのローテクな措置」だと指摘する。すぐにぼろが出てしまうだろう。つまり、旧式戦車の戦車兵たちが簡単に戦死することになるかもしれないという。
壊滅の数週間前:ロシア軍の攻勢
十分な知識も経験もなく、ロシア軍の前線に投入される戦車兵たち。彼らの搭乗する旧式戦車はあえなく撃破されて、ロシア軍にとってさらなる悪循環を招くことになりはしまいか。