ロシア戦車の大損害
オープン・ソース・インテリジェンスグループ「Oryx」は、ウクライナ侵攻の開始以来、ロシア軍がどれだけの軍備を失ったかをカウントしている。
映像証拠に基づくデータ
Oryxはロシア装甲部隊の損失をウクライナ侵攻開始直後から追っており、その見定めがたい損失を、写真や動画資料によって確認できるものに限って報告している。
ロシア戦車の具体的な損害数
Oryx最新のレポートによると、ロシアはウクライナで2041両の戦車に損害を被っており、うち1271両は破壊されたことが確認されている。
損傷85両、放棄91両
逮捕されたのはデニソフ大佐
放棄されている戦車は、いずれは鹵獲(ろかく:奪うこと)あるいは破壊されることになるとOryxは付け加えている。
鹵獲(ろかく)548両
Oryxのカウントによれば、ウクライナ軍はこれまで544両のロシア軍戦車を鹵獲している。
壊滅の数週間前:ロシア軍の攻勢
「戦争開始時、ロシアはおよそ3000両の戦車を使うことができた」と、Oryxのウェブサイトに寄稿する軍事専門家ヤクブ・ヤノフスキ(Jakub Janovsky)はCNNの記者ブラッド・レンドン(Brad Lendon)に語っている。
実際の数ははるかに多いか
実際は2000両の損害?
ヤクブ・ヤノフスキは今年2月の時点で、ロシア軍戦車の実際の損害をおよそ2000両と見積もっていたが、6月現在、Oryxのカウントはその2000両を上回る、2041両となった。
確認された数だけでも大打撃
Oryxによって確認された以上の損害が生じていることは確実で、ロシア軍には相当な打撃だといえるだろう。
米国防総省次官補のコメント
『ザ・モスクワ・タイムズ』紙によると、今年2月10日、米国防総省次官補のセレステ・ウォランダー氏は米シンクタンク「新アメリカ安全保障センター」のバーチャル・イベントで発言し、ロシアは「おそらく保有している主力戦車の半分を戦闘やウクライナによる鹵獲によって失っている」とした。
すぐには使えない予備戦車
ロシア軍装甲車両の損害
Oryxの報告によると、戦車を含め、ロシア軍の装甲車両10658両が損害を受け、うち7059両が撃破、2822両が鹵獲された。
「30両の戦車を放棄」
ウクライナ側にとってこれらは大きな戦果であるが、しかしこれをウクライナの全面的な勝利が近づいている兆しと考えるべきではない。
ロシアはこの苦境に適応しつつある
『Marine Corps Times』紙は、米国防総省のセレステ・ウォランダー氏の前述のイベントにおける発言を紹介している。
「ロシアはこの苦境に適応しつつある」
「損害を出し続けながらもロシアはしだいにその状態に慣れつつあり、軍隊編成の上でも、作戦行動の上でも、そしていくぶんは全体戦術においても進化を続けています。そのことを我々は忘れるべきではないでしょう」