M10ブッカー。
- アメリカ陸軍は新型戦闘車両「M10ブッカー」を公開した。
- この名前は戦死した2人の英雄、スティーボン・A・ブッカー軍曹とロバート D・ブッカー軍曹にちなんで命名された。
- スティーボンは2003年のイラク戦争で、ロバートは1943年第二次世界大戦で命を落としている。
その名前は、60年の歳月を隔てて戦死した「大規模な紛争の時代に無私無欲の心で」アメリカに貢献した「英雄的な」2人の兵士を称えるものだとアメリカ陸軍は声明で述べている。
陸軍広報部(Army Public Affairs)によると、陸軍の最新の戦闘車両は、バージニア州フォート・ベルボアにある国立陸軍博物館(National Museum of the US Army)で開催された陸軍創設248周年記念フェスティバルにおいて発表されたという。
この戦闘車両の名前は、第二次世界大戦中の1943年に戦死し、名誉勲章を授与されたロバート・D・ブッカー(Robert D. Booker)軍曹と、2003年のイラク戦争で戦死し死後に殊勲十字章を授与されたスティーボン・A・ブッカー(Stevon A. Booker)軍曹を称えるものであるという。
ネブラスカ州出身のロバート・D・ブッカーは、第二次世界大戦(World War II)中の1942年に陸軍に入隊。第34歩兵師団(34th Infantry Division)に所属し、チュニジアで連合軍の北アフリカ戦線(North African Campaign)を支援した。
1943年、ロバートはチュニジアのフォンドゥーク近郊で、敵の砲火の中、約200ヤード(約182m)の野原を横断した。陸軍広報部によると、彼は撃たれて負傷していたにもかかわらず、敵の機関銃を破壊したという。また彼は最期の瞬間まで冷静で仲間の兵士を励ましていたと付け加えられている。
一方、スティーブン・A・ブッカー軍曹は、1987年に陸軍に入隊し、湾岸戦争(Operation Desert Storm)とイラク戦争(Operation Iraqi Freedom)に従軍した。
ペンシルベニア州出身のスティーブンは、2003年4月5日にイラクのバグダッドで攻撃を指揮する部隊に所属していた。陸軍広報部によると、この機甲攻撃は最終的にサダム・フセイン(Saddam Hussein)政権の崩壊につながったという。
同広報部によると、ブッカーの機関銃は強襲中に激しい銃撃を受けて故障したが、彼は致命傷を負うまで「身の安全を顧みず、戦車の上部にうつぶせの姿勢を取っていた」という。
ジェネラル・ダイナミクス(General Dynamics)が製造するM10ブッカーは、「軽機動部隊が敵に打ち勝つ」ことを可能にするとアメリカ陸軍は述べている。
ザ・ディフェンス・ポスト(The Defense Post)によると、この車両は4人の兵士が搭乗でき、主武装は「105ミリ砲」だ。また、改良されたサーモグラフィーカメラ、ディーゼルエンジン、軽量なボディで砲塔も備えているという。