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「古代のガラクタ」「戦車が尽きた」...ロシア軍、ソ連時代の戦車を戦場に送りだす動画が話題に

「古代のガラクタ」「戦車が尽きた」...ロシア軍、ソ連時代の戦車を戦場に送りだす動画が話題に

「古代のガラクタ」「戦車が尽きた」…ロシア軍、ソ連時代の戦車を戦場に送りだす動画が話題に

ユーゴスラビア紛争で使用されていたT-55戦車(1999年、ユーゴスラビア) RUSSELL BOYCE-Reuters

<ウクライナで4000台以上の戦車を失ったとも言われるロシアだが、いよいよ第2次大戦の主力戦車に頼らざるを得ない状況なのか>

ロシアの古い戦車の一群が戦場に向けて列車で移送されているのを見ながら、地元住民たちが噂話をしていると思われる動画がツイッターに投稿された。列車に載せられているのはT-55戦車で、撮影場所はロシア南西部にあるヴォロネジ州の州都ヴォロネジだという。

投稿したのは、エストニア人軍事ブロガーの「Dmitri」(アカウント名@wartranslated)。T-55は、ソビエト連邦時代に開発された、第2次大戦後の主力戦車だ。ウクライナの軍関係者が6月に明かしたところによると、2022年2月24日にウクライナ戦争が始まって以来、ロシアは4000台以上の戦車を失っているという。

動画では、ヴォロネジ在住のあるロシア人が、移送されるT-55を眺めながら、そばにいる人に対して、「これらは、マンモス並みに古代のガラクタだ」と話している。「新しい戦車が尽きたから、古いT-55を投入しているんだ」

もう1人が「新しく見えるけど」とコメントすると、「変な色に塗ってあるだけだよ」と答え、運ばれているのはすべて同じモデルだと話している。

HIMARSがロシア軍の兵器を破壊する動画

ウクライナ戦争が始まって1年4カ月が過ぎたいま、ウクライナ軍高官は、反撃が良い方向へ向かっていると自信をみせる。同軍は7月4日、アメリカから供与された高機動ロケット砲システム「HIMARS」が、ロシア軍のロケット発射システムや榴弾砲などを爆撃する様子をとらえた動画を公開した。

ウクライナのボロディミル・ゼレンスキー大統領は7月4日、「前線では先週、困難に直面した」とツイートした。「しかし、われわれは前進している。一歩一歩、前に向かっている。ウクライナを守っているすべての人、ウクライナの勝利を目指して戦っているすべての人に感謝したい。われわれの英雄に栄光あれ!」

このゼレンスキーの楽観的なメッセージが発信されたのは、ロシア軍がウクライナ東部バフムートで敵を撃退したとロシア国防相セルゲイ・ショイグが発表したすぐ後のことだった。バフムートは、今回の戦争が始まった直後からの激戦地だ。

ショイグは、民間軍事会社ワグネルの創設者エフゲニー・プリゴジンが武装蜂起した際の標的となった人物でもある。プリゴジンが企てた反乱は、世界中の注目を浴びた。伝えられるところによると、ロシアのウラジーミル・プーチン大統領はその際、飛行機でモスクワから逃亡し、400キロメートルほど離れたロシア北西部にある自身の別荘に避難していたという。

ロシア軍の戦果について国内でも見解の相違が

米シンクタンクの戦争研究所(ISW)が7月3日に発表した最新報告書によれば、ロシア国防省とロシアの軍事ブロガーのあいだでは、最近の戦況について見解の相違が生じているようだ。

ロシア国防省は、ウクライナ東部の要衝ケルソンにあるアントノフスキー橋近くで起きた戦闘で勝利したと主張したが、軍事ブロガーらは最近、その主張は誤りだと反論したと、ISWの報告書には書かれている。同報告書によれば、プーチンはそうした軍事ブロガーたちの「検閲」を検討中のようだ。

ドネツク州バフムートは、プリゴジンがこれまで何度も「肉挽き器」と呼んできた激戦地。ワグネルがドネツク州で戦闘を主導してきたことと、ワグネルの反乱未遂事件が起きたことにより、ロシアにとってバフムートはいま、決して失うことが許されない重要な地と考えられるようになっている。

ハーグ戦略研究センター(HCSS)の戦略アナリスト、フレデリック・マーテンズは以前、本紙に対して以下のように語っている。「ロシアにとってバフムートの死守は、政治的に絶対欠かせない、重大なものになっている。そのため廃墟でしかないバフムートの町の防衛に、予備役部隊を集中させざるを得ない。これこそ、まさにウクライナが求めていたことではないだろうか」

(翻訳:ガリレオ)

ニック・モルドワネク

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