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東武新型特急N100系「スペーシア X」がデビュー、日光・鬼怒川エリアや沿線地域の「イメージリーダー」に【レポート】

東武新型特急n100系「スペーシア x」がデビュー、日光・鬼怒川エリアや沿線地域の「イメージリーダー」に【レポート】

東武新型特急「スペーシア X」出発式(写真提供:東武鉄道)

2023年7月15日、浅草と日光・鬼怒川方面を結ぶ東武鉄道の新型特急列車 N100系「スペーシア X」がデビューしました。

東武浅草駅では出発式が行われ、東武鉄道の都築豊社長が登壇。同社と日光エリアのかかわりに触れ、ザ・リッツ・カールトン日光の開業やNIKKO MaaSの導入など様々な施策を進めてきたなか、その集大成の一つとして「スペーシア X」を送り出すに至った経緯を語りました。

また「歴史・文化・伝統と自然が共生する国際エコリゾート」としての日光にふさわしい車両性能(先代スペーシア比でCO2排出量を約40%削減)や、地域の方々と共同開発したメニューや多様な観光コンテンツを通じて沿線地域との共創・共生を目指してきた取り組みなどにも触れ、沿線とのつながりもアピール。

「アフターコロナの今、国内外の多くのお客様が次なる旅行先を求めています。そのような中で、この進化した『スペーシア X』が、日光・鬼怒川や浅草・東京スカイツリーをはじめとする沿線地域のイメージリーダーとなり、多くのお客様にお越しいただけることを願っております」(都築社長)

東武新型特急n100系「スペーシア x」がデビュー、日光・鬼怒川エリアや沿線地域の「イメージリーダー」に【レポート】

東武鉄道 都築豊社長

東武浅草駅の飯塚和浩駅長は「先代のスペーシアも運行を開始した1990 年にこの浅草駅で出発式が行われました。当時は経済も輸送力も右肩上がりの時代にあって、私は20代で他の路線で車掌をしておりましたが、新しい時代の到来を肌で感じるとともに、いつかはスペーシアに乗務してみたいと思ったことは今でも覚えております」と自身の思い出を語りながら、運行については安全・安心と「最高のおもてなし」を強調し、鉄道に携わるものとしての自負をのぞかせました。

出発式には小学生の姿も。東武鉄道はこの「スペーシア X」一番列車の1号車「コックピットラウンジ」に乗車する「小学生リポーター」とその保護者の親子を計6組募集しており、小学生を代表して1名が出発式のテープカットに参加。1300組の中から選ばれたのは、小学生の紺野快成さん。「今日のことは一生忘れられない思い出。このあとスペーシアに乗って楽しんでいきたいと思います」と元気に挨拶し、場を盛り上げます。

7時33分ごろの「スペーシア X」入線後は紺野さんから運転士、車掌へ花束が贈呈され、テープカット・フォトセッションと滞りなく進行。沿線地域の方々や鉄道ファンの熱い視線を浴びながら、一番列車 東武日光行き「スペーシア X」1号は7時50分ごろ、飯塚駅長の出発合図にあわせ5番ホームから旅立ちました。

東武新型特急n100系「スペーシア x」がデビュー、日光・鬼怒川エリアや沿線地域の「イメージリーダー」に【レポート】

東武新型特急n100系「スペーシア x」がデビュー、日光・鬼怒川エリアや沿線地域の「イメージリーダー」に【レポート】

東武新型特急n100系「スペーシア x」がデビュー、日光・鬼怒川エリアや沿線地域の「イメージリーダー」に【レポート】

そもそも「スペーシア X」ってどんな電車?

東武新型特急n100系「スペーシア x」がデビュー、日光・鬼怒川エリアや沿線地域の「イメージリーダー」に【レポート】

「スペーシア X」は東武鉄道の33年ぶりのフラッグシップ特急として開発された新型車両です。同社は日光エリアを1929年の東武日光線開通時から重要視しており、同方面へ向かう国鉄(のちのJR)に対抗し、1960年の1720系デラックスロマンスカー、1990年の100系スペーシアなど、常にフラッグシップにふさわしい特急車両を投入してきました。

先代(といっても今も変わらず走り続けているのですが)スペーシアから33年ぶりの新型ということで、目指すところは「これまで築き上げてきた伝統や認知度・イメージを維持・継承させつつも、更に進化した上質な車両」。形式名の「N100系」も、スペーシア(100系)の「ニューバージョン」「New 100系」という意識から付与されており、先頭車両の丸みを帯びたフォルムなどからもスペーシアへの意識がうかがえます。

デザインは沿線の伝統的な工芸品などをイメージさせるものになっており、たとえば車体カラーは日光東照宮陽明門の胡粉を意識した高貴な白色、窓枠の幾何学的な形状は鹿沼市の伝統工芸である鹿沼組子をモチーフにしたもの、といった具合です。

特筆すべきは豊富なシートバリエーションです。スペーシアのように通常座席と個室(コンパートメント)という2種類にとどめるのではなく、プライベートジェットを意識した「コックピットスイート」や現存する日本最古のリゾートホテル「日光金谷ホテル」を意識した「コックピットラウンジ」、スペーシアから継承・発展させた「コンパートメント」など、全部で6種類のシートを用意しています。

東武新型特急n100系「スペーシア x」がデビュー、日光・鬼怒川エリアや沿線地域の「イメージリーダー」に【レポート】

「走るスイートルーム」をコンセプトにしたコックピットスイート

東武新型特急n100系「スペーシア x」がデビュー、日光・鬼怒川エリアや沿線地域の「イメージリーダー」に【レポート】

特急のグリーン座席のような位置づけの「プレミアムシート」

そもそも「スペーシア X」の車両コンセプトは「Connect & Updatable~その人、その時と、つながり続けるスペーシア~」――「自分だけの最適な日光・鬼怒川エリア」へとつなげ、幾度も同エリアを訪れたくなる特急を目指したそうで、ビジネスで「スタンダードシート」に乗ったからプライベートな旅ではちょっとリッチにコンパートメントで、また別の日はラウンジのカフェカウンターで日光のクラフトビールや日光珈琲を楽しみながら……といった具合に旅のスタイルにあわせて変化を楽しめるようになっているのです。

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カフェカウンターでは沿線地域とともに作り上げたクラフトビールやコーヒー、軽食なども提供します。日光への楽しい旅路を!

「スペーシア X」は浅草~東武日光・鬼怒川温泉駅間を普段は2往復運行、木・金・土休日には4往復します。特急券は東武線各駅の駅窓口や券売機、旅行会社ほか、インターネットの特急チケットレスサービス、特急券のインターネット購入・予約箇所で発売。乗車には運賃のほか、シートにあわせた特急料金や特別座席料金が必要です。

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