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SLやまぐち号復活へデゴイチ疾走 1938年製、修理終え試運転

slやまぐち号復活へデゴイチ疾走 1938年製、修理終え試運転

試運転で、客車5両とディーゼル機関車DD51を牽引(けんいん)するD51=2023年9月7日午後1時47分、島根県津和野町、向井光真撮影

 故障のため修理が続いていたJR山口線の観光列車「SLやまぐち号」の蒸気機関車「D51」(愛称デゴイチ)が8月末から今月にかけて試運転を行った。約1年4カ月ぶりとなる姿を見ようと、鉄道ファンや沿線の住民らが駆け付けた。復活への期待が高まっている。

黒煙を上げて走るSLのD51。通り過ぎても線路周辺はしばらく黒煙に包まれた=2023年9月7日午前11時40分、島根県津和野町、向井光真撮影

■試運転で1年半ぶりの雄姿

 7日午前11時40分ごろ、島根県津和野町の名賀(なよし)付近。「ポーーーーー」と汽笛を大きく鳴らし、黒煙を噴き上げ、D51が地福駅(山口市)に向けて疾走した。客車とディーゼル機関車を力強く引く雄姿を、集まった20人ほどのファンがカメラに収めていた。近くに住む板垣福末さん(85)は「ここで子どもの頃からSLを見てきた。自分はデゴイチとほぼ同じ年なので、頑張っている姿を見ると励みになる」と話した。

 試運転をしたのは「D51形200号機」。全長20メートル、重さ125トン。1938年、旧国鉄浜松工場(浜松市)で製造された。「SLやまぐち号」として、「貴婦人」と称されたC57とともに観光列車を長年牽引(けんいん)してきた。だが、2022年5月3日、石炭や水を積む炭水車に亀裂が見つかり、京都の梅小路運転区で修理が続いてきた。

 JR西日本中国統括本部によると、蒸気機関車に詳しい技術者が社内におらず、修復の方法や材料を慎重に検討し、時間がかかっていたという。

 修理を終えたD51は8月17日、電気機関車に引かれて新山口駅に帰還。31日から今月8日までの計5日、新山口―津和野間で試運転をした。炭水車の状態を点検したり、客車を安全に牽引できているかを確かめたりした。

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