中国山東省栄成市のキャンピングカー輸出、23年17・8%増
栄成康派斯新能源車両(COMPAKS)が生産するけん引式キャンピングカー。(2023年8月10日撮影、栄成=新華社記者/李志浩)
栄成市工業情報化局によると、2023年の同市のキャンピングカー生産額は前年比14.5%増の18億7千万元(1元=約21円)、輸出額は17.8%増の18億2千万元に上った。ここ数年の生産量は中国全体の3割で安定し、輸出量はおよそ7割を占める。製品は主にオーストラリアやニュージーランド、米国などに輸出されている。
山東半島の最東端に位置し、海を隔てた韓国との距離も近い同市のキャンピングメーカーは、韓国市場でも高いシェアを誇っている。市最大のキャンピングカー輸出企業である栄成康派斯新能源車両(COMPAKS)は19年に韓国に子会社を設立し、販売台数、販売額ともに韓国市場でトップに立つ。劉紹勲(りゅう・しょうくん)総経理は「オーストラリアと韓国では市場に根を下ろした。今後は米国市場でのシェアのさらなる拡大を図る」と語る。
劉氏の考えでは、同市でキャンピングカーの輸出が成長を続けているのは、キャンピングカーにかかわる裾野の広い産業体系が同地に形成されているためだ。市工業情報化局によると、栄成市にはキャンピングカーメーカーが10社、部品メーカーが50社以上あり、製品は自走式やけん引式、野営式、テント式など主なタイプを網羅する。
メーカーは従来型の輸出に加え、越境電子商取引(EC)での輸出にも力を注いでいる。昨年6月には山東星羽房車製造が200万元を投じ、韓国金浦(キンポ)市に海外倉庫を設置した。現在は同国に6カ所の販売拠点を設けており、海外倉庫から直接商品を供給している。
栄成税関石島港駐在事務所の宅配便管理部門の責任者は、キャンピングカーメーカーは越境ECにより、輸送費や市況に応じて発送時期を柔軟に調整でき、輸送コストの低減につながると指摘。同市では現在、複数のメーカーが越境ECという新たなモデルを試していると述べた。
栄成康派斯新能源車両(COMPAKS)が生産する自走式キャンピングカー。(2023年8月10日撮影、栄成=新華社記者/李志浩)