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輸入車のカー・オブ・ザ・イヤーダブル受賞のBMW「iX1」、高い走行性能を備えたEVだった

輸入車のカー・オブ・ザ・イヤーダブル受賞のbmw「ix1」、高い走行性能を備えたevだった

ドアのハンドルがドアパネルと一体化した「フラッシュ・ハンドル」を採用。空気抵抗を軽減させている

 ドイツBMWのSUV(スポーツ用多目的車)「iX1」に試乗した。優れたクルマを表彰するカー・オブ・ザ・イヤーは現在、二つの団体がそれぞれ選んでいるが、このクルマも含めた「X1」モデルは昨年末、両団体の輸入車のカー・オブ・ザ・イヤーに選ばれ、ダブル受賞を達成している。EV(電気自動車)である「iX1」のほか、ガソリン、ディーゼルのモデルもそろえ、いずれも高い走行性能などが評価された。

■独自のSAV、他社のクロスオーバーに近いタイプ

 SUVというカテゴリーについて、BMWはSAV(スポーツ・アクティビティ・ビークル)と独自の表現をする。SUVのうち、悪路走行などオフロードを得意とするタイプは「クロスカントリー」といい、街中の走行などオンロードのタイプは「クロスオーバー」と表現するメーカーが多い。SAVは後者のクロスオーバーに近いといえるが、他社のクロスオーバーとは一線を画すという意味合いもあるようだ。ただ、この記事では一般的な表現であるSUVを使うことにする。

 外観から見てみよう。正面はBMWの特徴であるキドニーグリルが目立つ。キドニーとは英語で腎臓の意味で、最初のデザインがやや丸みを帯びたソラマメに似た腎臓のような形状だったことに由来する。ガソリンエンジン車の場合、ここから外気を取り込み、エンジンやラジエーターを冷却している。EVの場合は冷却の必要がないため、あくまでデザイン的なものと言ってよい。このクルマでは、グリルの縦格子部分が太めで、ややつり目気味のヘッドライトと合わさり、力強い印象を受ける。

 運転席に座ると、SUVならではだが、運転者の視点が高めで、見通しが利いている。大型のディスプレーも運転者に向けて傾けてあり、見やすい。シフトレバーはなく、スイッチ類は、中央部の左手元で操作するようになっている。センター・コンソールには、スマートフォン等を置けば充電が可能な機能もついている。

■運転支援システムも充実、他社にはない機能も

 実際に走ってみる。出だしはEVらしく滑り出すようにスタートした。加速も実にスムーズで、ガソリン車から乗り換えても違和感はない。ハンドル操作も早すぎず、遅すぎず的確に反応してくれる。1回の充電で走れる距離は465キロ(発表数値)という大型電池を搭載し、車体重量が2トンを超えるだけに、直線走行も安定性がある。

 先進の運転支援システムも充実している。面白いのは、車両が時速35キロ以下で直前に前進したルートを最大50メートルまで記憶し、その同じルートをバックで正確に戻ることが可能となるリバース・アシスト機能がある点だ。細い道で対向車に遭遇し、バックで戻ってのすれ違いをする時などに威力を発揮するかもしれない。

■様々な工夫で価格を抑えたエントリーモデル

 このクルマはSUVとしては小型の部類に入り、初めてSUVに乗る人も対象にしたエントリーモデルという位置付けになっている。コンパクトな上に、電池が車体下部に敷き詰められていることもあり、後部座席は体格が良い人には狭いと感じるかもしれない。座席の高さがあまりないため、自分の場合、もも裏が座面につかず、長時間ドライブは疲れそうだった。

 だが、内装の工夫などと合わせ、価格を抑えた点は評価できる。EV購入時の自治体などの補助金を活用できれば、X1モデルのガソリン、ディーゼルタイプと同じ価格帯に収まるという。BMWのクルマを試したい人には、選択肢のひとつになるかもしれない。(デジタル編集部 松崎恵三)

【仕様・主要諸元】(試乗した「xDrive30 M Sport」の場合)

 ▼全長・全幅・全高(ミリ) 4500・1835・1620

 ▼最高出力(kW)     140

 ▼バッテリー容量(kWh) 66.5

 ▼価格 718万円(オプションは除く)

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