会見したローラカーズのマーク・プレストン・モータースポーツディレクター(右)とヤマハ発動機の丸山取締役(いずれもヤマハ発動機提供)
ヤマハとローラが共同開発する車両イメージ
電動車の世界選手権フォーミュラE(FE)の日本初開催を控えた28日、ヤマハ発動機が東京都内で会見。英国のレース車両開発会社「ローラカーズ」と技術提携し、電動パワートレインを開発すると発表した。2024-25年のシーズン11からの参入を目指す。一方、初の母国レースを迎える日産チームは、30年までのFE参戦を発表。東京大会(30日決勝)に臨むオリバー・ローランド(31)=英国=とサッシャ・フェネストラズ(24)=フランス=が奮闘を誓った。
都内で会見したヤマハの丸山平二取締役は「世界最高レベルのエネルギーマネジメント技術を獲得し、ヤマハ発動機全体の電動化技術の底上げを目指す」とコメント。参戦を通じてモーターやインバーター(変換装置)など動力ユニットの知見を深めていくという。
ヤマハは4輪の市販車はないが、提携関係にあるトヨタ向けの高性能エンジンの開発も担っている。カーボンニュートラル(脱炭素社会)の実現に向け、トヨタは地域特性に合わせたパワートレインの開発を進めており、その一翼を担うことも可能になる。
DSテチーターのチーム代表を務めた経験もあるマーク・プレストン・モータースポーツディレクターは「持続可能なモータースポーツ技術の開発を行いたい」と意気込んだ。FEは車体やバッテリー、タイヤなどが共通部品だが、車体とヤマハ製パワートレインのマッチングやチーム運営などを担うもようだ。
ヤマハは1980年代からF3000(現F2)、F1用のエンジンを開発するなど、1997年までF1活動を続けていた。来季のFE参戦が決まれば、国際自動車連盟の世界選手権に28年ぶりの復帰となる。