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ラッセル、”排水用”にしか使われなかったウエットタイヤの存在価値に疑問「現状、かなり無意味なタイヤ」

ラッセル、”排水用”にしか使われなかったウエットタイヤの存在価値に疑問「現状、かなり無意味なタイヤ」

George Russell, Mercedes F1 W14, Daniel Ricciardo, AlphaTauri AT04, Alex Albon, Williams FW45

 メルセデスのジョージ・ラッセルは、ベルギーGPの”F1スプリント”でほとんど使われなかったウエットタイヤについて、無意味だと切り捨てた。

 強い雨によりスタート進行がディレイとなった今回のF1スプリント。セーフティカー(SC)先導で走行が開始された。こうした状況では、全車にウエットタイヤの装着が義務付けられた。

 SC先導で5周走った後にレース距離が11周に減算されてグリーンフラッグが振られた。すると半数以上のマシンがすぐさまインターミディエイトタイヤに履き替えるためにピットイン。残りのマシンも翌周にはピットインし、ウエットタイヤを捨てた。

 これは現状、レースができるコンディションではウエットタイヤはインターミディエイトタイヤと比べ、ほとんど役に立たないとみなされているからだ。

 ラッセルは”エクストリーム・ウエット”とも呼ばれるウエットタイヤのパフォーマンスについて、無意味だと断じた。

「エクストリーム・ウエットはかなり無意味なタイヤだ。本当に酷い」とラッセルは言う。

「インターミディエイトと比べて1周6、7秒は遅い。エクストリーム・ウエットで走る唯一の理由は、インターミディエイトではアクアプレーニングを起こすからだ。だから、それを大幅に改善する必要がある」

「かなり少ない水量でも、アクアプレーニングは起こる。2007年の富士での(フェリペ)マッサと(ロバート)クビサのオンボードビデオを見たのを覚えている」

「F3やフォーミュラ・ルノーでミシュランやハンコックタイヤを使ってテスト走行したことも覚えている。アクアプレーニングはあまりなかったけど、時速200マイル(320km)以上で走っていたわけではない。一筋縄ではいかないけど、大幅な改善が必要だね」

 フェラーリのシャルル・ルクレールも、ラッセルの意見に同意した。

「いくつかやるべきことがある。というのも、僕たちはアクアプレーニングにはすごくいいんだけど、すごく遅いエクストリーム・ウエットを履いているんだ」

「でも視界の関係から、そういうコンディションで走ることはないんだ」

「だから走行可能なときはいつでも、インターミディエイトで走る必要があるんだ。そうだね、今のところはかなりトリッキーだ。エクストリームはもっと速くてインターに近いほうがいいと思う。そうすれば、もっとエクストリームでも走るようになるはずだ」

 ラッセルはベルギーGPに先立ち、ウエットコンディションでのレースについてFIAが”大胆な決断”を下す必要があると指摘しており、スプリントのレース開始時刻を遅らせ、SC先導でフォーメーションラップを5周を走るという判断を高く評価している。

「この状況下で彼らはいい仕事をしたと思う」と、ラッセルは語った。

「とてもチャレンジングだ。ストレートでは時速300キロで走っているし、50メートル先も見えない」

「このサーキットは特にひどいみたいだ。湿度のせいなのか、木々のせいなのか、何なのか分からけど、水しぶきが消えないんだ。まるで雲の中に突っ込んでいくような感じだ」

 ラッセルは水を分散させるためにSC先導ではなく、レースをせずにF1マシンがスピードを出して走るという代替策を提案した。

「SC先導で走った4周は、あまり効果がなかった」

「日本GPでも同じことを思ったけど、SC先導で何周も走っても状況は改善されなかった」

「だから今後の解決策としては、2周、3周、4周とフルスピードで走り、その後SCを導入して順位をニュートラルにし、再び走り出すことができるようになればいいと思う」

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