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ホンダワークスと戦ったYARTヤマハ、8耐表彰台は“不運”に阻まれる。「来年こそは表彰台を目指す」とカネパ

ホンダワークスと戦ったyartヤマハ、8耐表彰台は“不運”に阻まれる。「来年こそは表彰台を目指す」とカネパ

#7 YART Yamaha Official EWC TEAM

 第44回鈴鹿8時間耐久ロードレースで#7 YART Yamaha Official EWC TEAM(カレル・ハニカ、マービン・フリッツ、ニッコロ・カネパ)は23位でフィニッシュ。彼らは予選時の期待に反する結果ととなり、「不運だった」と振り返った。

 7号車YARTはEWC(FIM 世界耐久選手権)のフル参戦チームとして、鈴鹿8耐へ参戦。今回の8耐にワークスチームを参戦させていないヤマハ陣営にとっては、トッププライオリティのチームだった。

 そんな7号車YARTは予選から注目のチームとなっていた。ホンダのワークスチームで昨年の8耐勝者でもある#33 Team HRC with 日本郵便を上回り、トップタイムでトップ10トライアルへと進出したためだ。

 トップ10トライアルではHRCの長島哲太の渾身のアタックに敗れて2番グリッドとなったが、その速さには注目が集まった。

 レースに向けては、まだYARTが表彰台を獲得したことのない8耐というだけに、彼らは「まずは表彰台を目指したい」と語っていた。

 決勝レースでは序盤に33号車HRCを駆る高橋巧を追い抜く場面もあるなど、7号車YARTは見せ場を作った。しかしレースが2時間経過する前に、トラブルが発生してしまい西ストレートでマシンが停止。なんとかピットへ戻って修復して復帰したものの、大きくタイムをロスしてしまった。

 一時は40番手までポジションを落とした7号車。しかし彼らは辛抱強く走り続け、最終的に23位でフィニッシュを果たし、貴重な2ポイントを獲得することに成功した。

 レース後、ライダーの3人は次のようにコメント。トラブルによりポジションを落としたことは“不運”と残念がりつつも、シリーズの次戦以降に向けて気持ちを切り替えていた。

■カレル・ハニカ

「最初のスティントは2分8〜9秒台で、速くはなかったけど2位で安定して走っていたけど、あの(トラブルのあった)瞬間は、表彰台を失ったという残念な気持ちだった」

「残念ながら一番遠いスプーンコーナーで、バイクが止まってオフになって、再スタートできなかったんだ。バックストレートの上で止まりたかったけど、坂の一番下で止まり最悪だった。さらにスティントの後半だったし、とても暑かったので大変だった。でも戻ることができ、チームと話して、最後まで頑張ろうと決めたんだ」

「40位以下でモチベーションを保つのは大変なことだったけど、チームとマンディ(カインツ監督)が『あきらめない』と言ってくれたから、力になった。ただ、今後のことを考えてリスクを避けるために、最初はペースを落とそうとみんなで決めたけど、やっぱりサーキットに出るとみんな、速く走りたくなる。大きく追い上げて、最終的に2ポイントをとることができた。人生で最も大変な2点だった。チームとチームメイトを誇りに思う」

「ファンの皆には申し訳ない結果になってしまった。それでも、トップ10トライル、ニッコロのスタートと最初のスティントは楽しんでもらえたと思う。そして鈴鹿に来てくれて、応援してくれてありがとう。次はタイトル獲得が目標になるので、(次戦)ボルドールでは100%で戦っていく」

■マービン・フリッツ

「バイクがしっかりスタートして、ニッコロもすばらしいファーストスティントだった。HRCとバトルして僕たちの可能性を示すことができた。FCC(#1 F.C.C. TSR Honda France)の前にいて、SERT(#12 Yoshimura SERT Motul)にもミスがあり、タイトルに向けてすべてが計画通りだった」

「ところがバイクにトラブルがあって……信じられなかったよ。だけどチームは素晴らしい仕事をして、バイクを数分でリペアしてくれた。再スタートした時は15周遅れだったけど、YARTのピットワークは速く、ライダーも全力で挽回しようと頑張った」

「チームのレベルを見せることができたけど、不運だったよ。最終的に2ポイントを取ることができた。ボルドールは多くのポイントもあるので、全然心配していないし僕らは強いので、頑張るよ」

「昨年はコロナで制限があってファンにとっても残念だったと思うけど、今回はたくさんのファンが会いにきてくれて、本当によかった。日本は特別で、来年も楽しみにしている」

■ニッコロ・カネパ

「スタートと最初のスティントは楽しめた。YARTがトップチームと戦えることを見せることができたと思う。そして今回は、レースウィークのほとんどのセッションでトップとなり、本当にいい調子だった。でもレースは計画通りにはいかなかった。トラブルはすごく残念だったよ」

「カレルは最悪な場所でストップしてしまった。悲しいことだ。だけどチームメイトもすばらしい走りをしてくれて、その後は追い上げて、ポイントも取ることができた。本当に不運なだけだった」

「そして日本のファンの皆、サポートをありがとう。いろんな場所で青いシャツをたくさん見ることができた。僕の名前が書かれていて、それを見て感動した。これからも僕らを応援してほしい。来年こそは表彰台を目指すよ。僕たちは諦めていない。そしてEWCのタイトル争いは、ライバルも強いので、最後の最後まで分からない。だけど、僕はボルドールが大好きだし、鈴鹿みたいにR1に合っているので、僕らはいつも通りすべてを出し切るつもりだ」

■マンディ・カインツ監督

「残念な結果になった。以前にも言ったが、YARTを止められるのは不運だけ。ライダー、チームはすばらしかったけど、それが起こってしまった。トラブルの後でもトップとのギャップを縮めることができたように、速さは十分だったが、表彰台には届かなかった。それでも、最後までファンのために走った」

「トラブルはメインスイッチの不具合で、不運なことに、カレルが上り坂でバイクを押すことになったのは不運だったし、25分程度のタイムをロスしました」

「鈴鹿は本当に毎回チャレンジだ。表彰台はまた来年の鈴鹿8耐のためにとっておくよ。”Never Give Up”だ」

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