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SUPER GT第5戦鈴鹿、FCYを味方につけたNSX-GTが両クラス制覇 16号車 ARTA MUGEN NSX-GTと18号車 UPGARAGE NSX GT3が優勝

super gt第5戦鈴鹿、fcyを味方につけたnsx-gtが両クラス制覇 16号車 arta mugen nsx-gtと18号車 upgarage nsx gt3が優勝

SUPER GT第5戦を優勝した16号車 ARTA MUGEN NSX-GT(福住仁嶺/大津弘樹、BS)。大津選手は初優勝

SUPER GT 第5戦鈴鹿が、8月26日~27日の2日間にわたって鈴鹿サーキットで開催された。14時45分から始まった450km/77周の決勝レースでは、ポールポジションからスタートした16号車 ARTA MUGEN NSX-GT(福住仁嶺/大津弘樹、BS)が、FCY(フルコースイエロー)でピットクローズになる直前にピットに入ることで大きなアドバンテージを得て優勝した。大津弘樹選手は、SUPER GT初優勝。2位は23号車 MOTUL AUTECH Z(松田次生/ロニー・クインタレッリ、MI)、3位は39号車 DENSO KOBELCO SARD GR Supra(関口雄飛/中山雄一、BS)。

GT300もFCYのタイミングを活かした18号車 UPGARAGE NSX GT3(小林崇志/小出峻、YH)が優勝。2位は87号車 Bamboo Airways ランボルギーニ GT3(松浦孝亮/坂口夏月、YH)、3位はポールからスタートした61号車 SUBARU BRZ R&D SPORT(井口卓人/山内英輝、DL)。

super gt第5戦鈴鹿、fcyを味方につけたnsx-gtが両クラス制覇 16号車 arta mugen nsx-gtと18号車 upgarage nsx gt3が優勝

GT300クラスの優勝は18号車 UPGARAGE NSX GT3(小林崇志/小出峻、YH)。NSX-GTがGT500、GT300ともに優勝した

GT500:ポールポジションからスタートした16号車 ARTA MUGEN NSX-GT。FCYを味方につけて優勝

8月27日の鈴鹿サーキットは好天に恵まれ、レーススタート時点での気温は31℃、湿度61%。昼よりは若干下がったものの、外にいると非常に暑いと感じる天候だ。レースは三重県警の白バイ隊、パトカー隊の先導による1周のパレードラップが行なわれた後、赤い制服が印象的な女性隊員により先導され、その後セーフティカーによる通常のフォーメーションラップが1周行なわれた。

GT500のスタートは予選順位順で1コーナーに入っていき、特に大きな混乱もなくレースは始まった。ポールポジションからスタートした16号車 ARTA MUGEN NSX-GTが、2位の23号車 MOTUL AUTECH Zを徐々に引き離し、序盤で独走態勢を築いていった。

そうした中で大ギャンブルに出たのが、シリーズポイントリーダーの3号車 Niterra MOTUL Z(千代勝正/高星明誠、MI)、2回義務付けられている給油込みのピットストップの1度目を6周目終わりに決行した。今回3号車はサクセスウェイトが98kgと重く、燃料リストリクターによる制限も入るため、成功すれば大きな利益を得られる。

8周目終わりに8号車 ARTA MUGEN NSX-GT(野尻智紀/大湯都史樹、BS)も入り、こちらはサクセスウェイトが軽いのだが、予選を失敗して比較的下位に沈んだため同じようなギャンブルに出た形だ。しかし、3号車もロングランに挑戦したが、結局40周目に2回目のピットストップをすることになった。ピットイン前には他車よりも4秒程度遅いタイムになってしまい、順位を大きく下げてしまった。結論から言えばギャンブルは成功しなかったことになり、ポイント圏外でレースを終えた。

8号車はタイヤ交換時に作業ミスが出て、コースに戻るとピットイン前には後ろにいたはずの3号車よりも後ろになってしまい、こちらもギャンブルは成功せず、かつ終盤には他車と接触してしまった。想定外のピットストップにより、こちらもポイント圏外でレースを終えた。

11周目にGT300車両の左リアタイヤが取れるというトラブルが発生。S字で止まったことを受けて、FCY(フルコースイエロー、コース全体がイエローになり一定速度で走る必要がある)が出されることになった。

FCYの直前にトップを走る16号車 ARTA MUGEN NSX-GTと24号車 リアライズコーポレーション ADVAN Z(佐々木大樹/平手晃平、YH)がピット作業に入り、他車が遅い速度で走るFCY中に作業できたため、タイム的に得することになった。しかし、24号車はFCY宣言後にピットロードに入ったと判定され、後に60秒静止のピットストップペナルティが課せられた。これにより、優勝争いからは脱落することになった。

それに対して16号車はFCYが宣言される前にピットロードに入っていたため、ペナルティとはならず2位以下に大きな差をつけることになった。

実際19周目に16号車に変わってトップを走っていた23号車 MOTUL AUTECH Zがピット作業を終えてコースに戻ると、16号車からは35秒遅れていた。16号車はセーフティカーなどが出ない限り、圧倒的に有利な状態でレースを進めていくことになる。

激しい争いが繰り広げられたが、16号車 ARTA MUGEN NSX-GTが序盤に築いたリードを活かして優勝

通常のピット戦略を採る車両がピットインを始めたのは42周目。次々にピットストップが始まる。第3戦鈴鹿ではレース距離の75%を超えてから赤旗終了となり、ピット作業義務の2回を終えていなかった車両が順位を下げたこともあり、早めのピットストップを選択した形だ。

トップを走っていた16号車 ARTA MUGEN NSX-GTも45周目にピットインし、そのまま(実質的な)トップを維持してコースに戻っていった。(実質的な)2位の23号車とはコースに戻った段階で約15秒の差をつけた。

全車がピットストップを終えると、トップは16号車 ARTA MUGEN NSX-GT、2位は23号車 MOTUL AUTECH Z、3位は39号車 DENSO KOBELCO SARD GR Supra(関口雄飛/中山雄一、BS)となっていた。

静かだったレースが動いたのが50周目。バックストレートでGT300の56号車 リアライズ日産メカニックチャレンジ GT-R(ジョアオ・パオロ・デ・オリベイラ/名取鉄平、YH)に、右リアタイヤが脱落するトラブルが発生し、130Rのバリアに突っ込んでクルマを止めることになった。その結果FCYが出た。

レースが再開され、全車がピット作業を終えると、トップの16号車 ARTA MUGEN NSX-GT、2位の23号車 MOTUL AUTECH Zの差は約12秒で、盤石の体制だ。

レース終盤には、3位の39号車 DENSO KOBELCO SARD GR Supra、4位の14号車 ENEOS X PRIME GR Supra(大嶋和也/山下健太、BS)の3位争いが激しくなった。そこに17号車 Astemo NSX-GT(塚越広大/松下信治、BS)、38号車 ZENT CERUMO GR Supra(立川祐路/石浦宏明、BS)、1号車 MARELLI IMPUL Z(平峰一貴/ベルトラン・バゲット、BS)も加わって、5台による3位争いが行なわれた。

また、シリーズチャンピオン獲得のために重要な1点を巡る争いでは、10位を走る19号車 WedsSport ADVAN GR Supra(国本雄資/阪口晴南、YH)に、36号車 au TOM’S GR Supra(坪井翔/宮田莉朋、BS)が1秒以内で激しく追いかける。

36号車 au TOM’S GR Supraは2回目のピットストップを遅らすピット戦略を実行し、終盤には比較的新しいタイヤで、前を追いかけはじめた。ランキング2位の36号車 au TOM’S GR Supraとしては、ランキングトップの3号車 Niterra MOTUL Zがポイント圏外に沈んでいるため、1点を取ることでシリーズランキングの差を詰めるチャンスだったが、結局最後まで抜けず、11位に終わってポイントを獲得することはできなかった。

レースはFCYの直前にピットに入れた幸運を最後まで活かしてリードを守った16号車 ARTA MUGEN NSX-GTが優勝。2位は23号車 MOTUL AUTECH Z、3位は激しい5台による争いを制した39号車 DENSO KOBELCO SARD GR Supra。4位は14号車 ENEOS X PRIME GR Supra、5位は17号車 Astemo NSX-GT、6位は1号車 MARELLI IMPUL Zとなった。

GT300クラス:18号車 UPGARAGE NSX GT3がFCY直前のピットインで得たリードを活かして逃げ切り

GT300のスタートも、GT500と同様に大きなアクシデントなどなくスターティンググリッド順で1コーナーに入っていった。ポールポジションからスタートした61号車 SUBARU BRZ R&D SPORT(井口卓人/山内英輝、DL)はすぐに2位以下を離し、1周目で2秒以上の差をつけた。

GT500の5周目が終わったところでピットオープンとなり、50号車 ANEST IWATA Racing RC F GT3(イゴール・オオムラ・フラガ/古谷悠河/小山美姫、YH)、5号車 マッハ車検 エアバスター MC86 マッハ号(冨林勇佑/松井孝允、YH)、7号車 Studie BMW M4(荒聖治/ブルーノ・スペングラー、MI)、2号車 muta Racing GR86 GT(堤優威/平良響、BS)がピットイン。

その翌周に31号車 apr LC500h GT(嵯峨宏紀/小高一斗/根本悠生、BS)と52号車 埼玉トヨペットGB GR Supra GT(吉田広樹/川合孝汰、BS)、65号車 LEON PYRAMID AMG(蒲生尚弥/篠原拓朗/黒澤治樹、BS)などがピットに入った。なお、65号車は19周目にピットに入り、クルマはガレージに戻されてリタイアとなってしまった。

そうした序盤でタイヤ交換を行なったチームで最も成功したのは2号車 muta Racing GR86 GT。全車が1回目のピットストップを終えると、トップに立っていた。その2号車が2回目のピットストップを終えたのは42周目で、ピット作業2回目を終えてゴールを目指すことになる。2号車に代わりトップに立っていた61号車 SUBARU BRZ R&D SPORTだったが、46周目にピット作業を終え、2号車の直後でコースに戻った。

その後、50周目に56号車 リアライズ日産メカニックチャレンジ GT-Rのタイヤが脱落するトラブルでFCYが再び出された。このFCYのタイミングで18号車 UPGARAGE NSX GT3(小林崇志/小出峻、YH)と87号車 Bamboo Airways ランボルギーニ GT3(松浦孝亮/坂口夏月、YH)がピットロードに入ることができ、大きく順位をアップすることになった。

FCY解除後に上位陣の全車が2度目のピットストップ作業を終えると、トップに立っていたのは18号車 UPGARAGE NSX GT3、2位は87号車 Bamboo Airways ランボルギーニ GT3、3位は88号車 JLOC ランボルギーニ GT3(小暮卓史/元嶋佑弥、YH)。

2回目のピット作業まではトップだった2号車 muta Racing GR86 GTが4位、2位だった61号車 SUBARU BRZ R&D SPORTが5位となっていた。

終盤はトップの18号車 UPGARAGE NSX GT3と2位の87号車 Bamboo Airways ランボルギーニ GT3の争いが1秒以内、3位の88号車 JLOC ランボルギーニ GT3と4位の61号車 SUBARU BRZ R&D SPORTの争いが1秒以内となっていた。

終盤に出たFCYが解除された段階で、61号車 SUBARU BRZ R&D SPORTが88号車を抜いて3位に上がる。しかし、61号車BRZと上位2台との差は10秒近くある。

BRZは徐々に1位、2位との差を詰めはじめる、残り10周の段階で6.5秒。最終的に2.7秒差まで追い上げたが、結局追い上げもそこまででチェッカーを迎えることになった。

優勝は18号車 UPGARAGE NSX GT3、2位は87号車 Bamboo Airways ランボルギーニ GT3、3位は61号車 SUBARU BRZ R&D SPORT、4位は88号車 JLOC ランボルギーニ GT3、5位は4号車 グッドスマイル 初音ミクAMG(谷口信輝/片岡龍也、YH)、6位は31号車 apr LC500h GTとなった。

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