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ウエットのウォームアップをドライで走行……万全の準備が優勝に繋がる。11号車GAINER富田竜一郎「判断の材料がいっぱいあった」

ウエットのウォームアップをドライで走行……万全の準備が優勝に繋がる。11号車gainer富田竜一郎「判断の材料がいっぱいあった」

富田竜一郎, 石川京侍, 塩津佑介, #11 GAINER TANAX GT-R

 スーパーGT第4戦富士450kmレースのGT300クラスで優勝したのは、11号車GAINER TANAX GT-R(富田竜一郎、石川京侍、塩津佑介)だった。彼らの勝因は、決勝前に行なわれたウォームアップを、ウエット路面にもかかわらずドライタイヤで走ったことにあった。

 11号車GAINERは3番グリッドからスタート。終始上位を走っていたが、ポールポジションからスタートした4号車グッドスマイル 初音ミク AMGを攻略する術がないまま、レース終盤を迎えていた。

 富田がドライブした最終スティントでは、他車が炎上したことにより赤旗中断。その間に雨が降り、レース再開時にはウエットコンディションとなった。富田曰く、レース再開時に履いたタイヤは、良い状況にはなかったという。

「非常に難しいコンディションのレースでしたが、チームの作戦、石川選手の判断など諸々が完璧にハマっていました。赤旗が出るまではトップを狙えるかもしれないと思っていたんですが、その赤旗中断の間に雨が降ってきて、正直厳しいんじゃないかと思いました」

 レース後に富田はそう記者会見で語った。

「レース再開時、僕が選んだタイヤが良い方向に行っていないなというのを数周で感じて、4号車(グッドスマイル)に対して戦えるところがなく、どうしようかなと思っていたんです。そこでチームのエンジニアが『ここピットに入って!』と言ってくれたんです。これがまさにドンピシャのタイミングでした。それによって残り2〜3周というところで、首位を抜くことができました」

 この時のことについて、富田はさらに詳しく説明する。

「周りのタイミング的には、『今入るの?』って僕も思いました。でも、タイヤを交換してコースに出てみると、ウォームアップも悪くなかったんです」

 なぜこのタイミングで「ピットインせよ」と判断できたのか? これには、決勝前に行なわれたウォームアップが大きく寄与していた。

 ウォームアップを担当した石川は、次のように説明する。

「ウォームアップでみんながウエットタイヤを履く中、僕らはスリックタイヤを履いて、交換のタイミングはどこがいいのかというを試せたので、それが良かったと思います」

 その効果について、富田は次のように付け加えて語った。

「ウォームアップで、路面がびしゃびしゃのタイミングで、最後に履いたのと全く同じタイヤで石川選手が走ってくれたんで、どのくらい使えるかというのが分かっていたというのも大きかったです」

「判断の材料がいっぱいあったので、(タイヤを)変えることができました。硬めのタイヤだったんですが、あのコンディションでも発動しましたし、発動してからは高いパフォーマンスで、他と比べても速いペースで走れました」

 今回勝利したことにより、11号車GAINERは次戦78kgのサクセスウエイトを積むことになる。しかし富田は、引き続き勝利を目指すと語った。

「7〜8年前に千代(勝正)選手と組んでいた時には、88kgで優勝しているので、それを目指せるようにチームと連携し、良いクルマを作ってここに戻ってこられるように頑張ります」

 チームメイトの石川も、次戦以降もポイント獲得を目指すと語る。

「ウエイトは重くなりますが、それに向けてエンジニア、富田さん、塩津と話し合って、頑張ってポイントを取りたいです」

 また今回は走行機会はなかった塩津だが「感動的なチェッカーを見られて、同じチームで戦うことができて、幸せ者だと思います」と語り、次のように続けた。

「鈴鹿は、僕らのマシンの特性にも合っていると思います。チームの地元である京都からも近いので、ウエイトも増えますが、今回のように良い結果を残せるように頑張ります」

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