MotoGPポルティマオテストでアプリリアは新しい空力デザインのカウルを投入した。ライダーのアレイシ・エスパルガロによると、新型カウルの発生させるダウンフォース量はかなり大きいようだ。
近代のMotoGPにおけるエアロダイナミクスは2010年代中盤にドゥカティが導入したものがきっかけとなって、各チームに波及。いまではアッパーカウルにウイングが付いていることは、見慣れた光景となっている。
そんな中、2023年シーズン開幕を前にしてアプリリアが新機軸のウイングを持ち込んできた。彼らは従来のフロントウイングに加え、フロントフォークに接続する形で、2枚目のウイングを実装してきたのだ。
さらにテール上部に設置された彼らがこれまでテストしてきたT字型のウイングや、スイングアームに設けられたウイング、そしてグラウンドエフェクトを狙ったサイドカウルなど、様々な空力的な効果を狙ったパーツをアプリリアは投入してきている。
Aprilia Racing Team fork mounted wings
Photo by: Gold and Goose / Motorsport Images
テスト初日にエスパルガロは腕上がりの症状に悩まされた。このダウンフォース量が影響している可能性すらあるが、サーキットによって様々な構成で使っていくことができると彼は考えている。
「凄い(ダウンフォースの)量だ」と、エスパルガロは言う。
「エンジニアの皆が持っていたアイデアで、様々な構成をテストしたんだ。2日目はまた違う構成を試してみるよ。試せることが色々あるんだ」
Maverick Vinales, Aprilia Racing Team
「腕上がりが、この凄いダウンフォースのせいなのかは僕も確信は無い。実際、フル装備での最終コーナーのコーナースピードは超高速なんだ」
「スプリントレースや予選といったふうに、使える構成が色々あるんだ。あるサーキットでは(ウイングを)盛ったり、取り除いたりと言った具合にね。今は試行錯誤して物事を理解する時期なんだ」
なおエスパルガロは腕上がりを解消するための手術を2年前に受けているため、今回の問題には多少心配があることを認めている。
「今日は右腕の腕上がりのせいで、(テストを)早く切り上げる羽目になった」
エスパルガロはそう語る。
「結構妙な感じだから、少し心配している。2月のマレーシアテストは久しぶりのテストだったし、他のライダーと同じように多少の問題はあったんだけどね」
「だけど今日は酷かった。テストを途中で切り上げなくちゃならなかったんだ。ステアリングも保持することができなかった」
「だから良くなってくれることを願っている。でもダメなら週明けに病院へ行ってくるよ」
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