MotoGPの2023年シーズンは春休みを終え、今週末にイタリアのムジェロ・サーキットで第6戦イタリアGPを迎える。
ヤマハのファビオ・クアルタラロは今回のレースに向けて、2021年仕様にマシンセットアップを戻すことを決めているが、一種の”後退”となるこの決断にはフラストレーションが溜まっている様子だ。
今シーズン、ヤマハはテストからYZR-M1に多数の開発パーツを投入してきた。ただ開発は目論見通りには進んでおらず、テストを通じてむしろクアルタラロのマシンの状況は悪化してしまった。
この決断はクアルタラロにとっても不愉快なモノなようで、次のように不満を語った。
「まず、当然だけどフラストレーションが溜まる。だってプレシーズンの段階から僕らは、これまで試したこともないような量のシャシーやエンジン、空力パーツを試してきたんだ」
「だけど実際には、それを全然使えていない。フラストレーションも溜まるよ。(スペインGP後の)ヘレステストではいくつか新しいモノもあったけど、その後は使っていないんだ」
「3連戦(イタリアGP、ドイツGP、オランダGP)が行なわれるのは、このバイクに乗る自信を改善するという面でも、良いことだと思う」
「それは僕に必要なことでもある。最善ではないかもしれないけど、少なくともバイクのことは良く分かっているし、自分のマシンに適応していく必要があると思う」
Photo by: Marc Fleury
なおイタリアGPでクアルタラロは2021年に優勝、2022年には2位を記録している。ムジェロの最終コーナーは低速ギヤを使って加速する区間ではないため、1.1kmのストレートがありながらも、パワーと空力効率に苦しむヤマハにとっては大きな問題にならないとクアルタラロは考えている。
「低速コーナーから(ストレートへ)の立ち上がりでは、低速ギヤでの空力やパワー面で僕らは苦戦してしまう」
「でも高速コーナーなら、パワー面での影響もかなり小さくなると思う」
「だからストレートも、(ムジェロでは)ル・マンやオースティンよりかは大分マシだろう。過去のレースよりも、問題は小さくなるはずだ」
Follow @MotorsportJP関連ニュース:クアルタラロ「ヤマハはエンジンパワーを使い切れていない」改善した2023年型もウイリーで骨抜きかマルケスのドゥカティ加入にNO!? 「ファミリー精神」に合致しないとドゥカティCEOが示唆モルビデリ、2024年ヤマハ残留なるか? 「信頼が増している」と本人は不安無しを強調ロレンソやエスパルガロの”二の舞い”が怖い…! ジョアン・ミル、ホンダ苦戦の日々に先達の末路幻視?クアルタラロ「マシンはこの4年大きな改善がない」ヤマハの現状に不満止まらず