大津弘樹, 福住仁嶺, #16 ARTA MUGEN NSX-GT
スーパーGTの第5戦が鈴鹿サーキットで行なわれ、GT500クラスは16号車ARTA MUGEN NSX-GTがポールポジションからスタートし、そのまま逃げ切って優勝を果たした。
16号車ARTAのスタートドライバーを務めた大津弘樹は、先頭のポジションをキープ。FCY(フルコース・イエロー)のタイミングにも助けられ、福住仁嶺にバトンタッチした後も盤石のリードを築いていた。そして福住は後続に約10秒の差をつけてトップチェッカー。今季初優勝を手にした。
大津としては、今回がGT300クラスも含め、スーパーGTでの初優勝。「ようやく勝つことができた」と喜びを噛み締めた。
大津はレース後の会見でそう語った。
「直近3年はGT500クラスに参戦して、2位はあったんですがなかなか上位に絡むことができませんでした。しかし今年からチームを移籍し色々とトラブルや噛み合わないことはあったんですが、今回ようやくみんなの意識やミスしないということなど、全集中して臨むことができました。だからこその結果だと思います」
「スタート直後、タイヤのウォームアップが悪いかもしれないと予測していたんですが、1周目をなんとか抑え切ることができました。2周目以降、タイヤに熱が入った後は後続に対してかなりギャップを築くことができました。そのままのペースで維持していたところでFCYが出て、絶妙なタイミングでピットに入ることができました」
大津が言う通り、GT300クラスのマシンがストップしたことによってFCYが宣言させる直前にピットに飛び込み、1回目給油義務を消化することができた。これも、勝因のひとつだったと言えよう。ただ、予定よりも給油量が少なかったようで、燃費走行をしなければいけなかった。
「ピットから出た後はマージンもすごくあったんですが、燃料が想定よりも入っていなかったということで、燃費走行をして2周分以上燃料を稼がないとゴールまで辿り着けないという状況でした。でもマージンもありましたし、その貯金を切り崩しながら、後続に14秒差くらいになったところで福住仁嶺選手に交代しました」
バトンを引き継いだ福住仁嶺は、大津が築いたギャップがあったため、落ち着いて走ることができたという。
「大津さんとチームと僕とで、良いクルマを仕上げることができました。予選がトップで、レースでもずっと前を走ることができたというのが、大きな勝因だったかなと思います」
そう福住は語った。
「その後も大津さんの素晴らしい走りとチームワークで、僕が乗った時には15秒のギャップがあり、落ち着いて走ることができました」
「セーフティカーが出なかったというところも、僕らに味方したように思います。まずは16号車の皆さんと大津さんの初優勝に、おめでとうと言いたいです」
「シーズンちょうど折り返しというタイミングで、今回優勝できました。ランキングでも上位に戻ってくることができたと思います。僕らのポテンシャルは、そのくらいのところにはあると思います」
福住はそう語る。
「マシンが(サクセスウエイトで)重くなった中でどういうパフォーマンスを出せるのか……次のレースまでそんなに時間はないと思うので難しい中ですが、大津選手やチームと共に、チャンピオンを目指して這い上がりたいと思います」
大湯も、この初優勝を皮切りに、一気にチャンピオンを目指していきたいと語る。
「僕はチャンピオンを獲るためにやっていますし、獲れると思ってます。よりチーム一丸となって、チャンピオン獲得に向けて戦いたいと思います」
そう大津は言う。
「前半戦を落としてしまったことは、今年発足したばかりのチームなので、仕方のないところもあると思います。でもその一方で、ミスを出し尽くしたようにも思います」
「ミスはつきものですけど、今回の優勝や前回の3位で、どんどん良くなっています。さらに精度を上げていって、さらにタイトルのための戦いも変わってくると思うので、そういうところを意識して後半戦に繋げたいと思います」
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