MotoGPの2023年シーズンが3月24日にポルトガルのアルガルヴェ・サーキットで開幕する。今年は最高峰クラスでスプリントレースという新しい試みがスタートするが、開幕前の今、改めてスプリントレースについておさらいしよう。
2023年のMotoGPは、史上最多となる全21戦で争われる。そして、最高峰クラスではレースウィーク2日目の土曜日に、従来の決勝レースの半分の距離で争われるスプリントレースが全戦で行なわれることとなった。
昨年半ばに決定したこの新フォーマット。MotoGPにとっても激変と言えるモノだが、改めてその情報を纏めておさらいしよう。
■そもそもスプリントレースなんて始めるのはなぜ?
新たにスプリントレースの実施が決まった背景には、MotoGPへの関心が低下していることが要因として存在している。シリーズを運営するドルナも、モータースポーツの世界でのMotoGPの地位を再構築しようとしている。
そのための試みは2022年3月にアマゾンプライムビデオで公開された新ドキュメンタリーシリーズとしても表れていた。しかしこのシリーズは様々な問題もあり、第2シーズンの製作は中止されてしまった。
ドルナはスプリントレースの導入によって、現地と自宅観戦のどちらのファンにとっても、より価値のある週末を提供しようとしている。また、これによってスポンサーの興味をより集めることや、世界的な露出を後押しすることが期待されている。
Marc Marquez, Repsol Honda Team
Photo by: Gold and Goose / Motorsport Images
■スプリントレースは何時行なわれるの? 週末の流れは変わる?
スプリントレース自体は、MotGPクラスの全戦で2日目に行なわれる。そして、レースウィークの流れには若干の変更が入ることになる。
レースウィーク初日はこれまでと大きな変化はない。プラクティス1は45分間、そしてプラクティス2は午後3時から1時間(前年比+15分)で行なわれる。なお、セッションはMoto3、Moto2クラスの後に行なわれる。
2日目は朝(10:10)にフリープラクティスが行なわれる。昨年までで言うところのFP4に相当し、30分間の走行となる。
フリープラクティスが終わるとその後は予選がスタート。Q1とQ2が行なわれ、グリッドポジションが決定される。なおリバースグリッドなどは採用されておらず、スプリントレースと決勝レースどちらのグリッドも、この予選結果が反映される。
そして2日目午後3時からスプリントレースが実施される。
3日目のスケジュールは一部変更される。これまでは3クラスにウォームアップセッションが設けられていたが、2023年からはMotoGPクラスのみウォームアップセッションが実施。さらに時間も20分から10分に短縮される。その後は午後2時から決勝レースが行なわれるという形が基本だ。
Francesco Bagnaia, Ducati Team
スプリントレースで獲得できるポイントは、レース距離が決勝の半分となるため、ポイントも半分だ。優勝者から順に『12、9、7、6、5、4、3、2、1』とポイントが付与される。
つまりレースウィークでの最大獲得ポイントは37点で、2023年は全21戦で争われるため、年間の最大獲得ポイントは777点ということになる。
■スプリントレース勝利の記録上の扱いはどうなる?
スプリントレース導入にあたって、MotoGPはスプリントレース優勝と従来のグランプリ優勝を別にカウントすることを決めている。つまり、スプリントレースで勝利してもグランプリの勝者として記録に残るわけではない。
■レギュレーション面では変化はあるのか?
スプリントレースでも殆どのレギュレーションはこれまでのメイングランプリと同様のモノが適用される。ただ、いくつかの違いは存在する。
当然かもしれないが、レース距離が半分となるため燃料が減らされる。決勝レースで許可される22Lではなく、スプリントレースでは12Lまでに制限される。
トラックリミットに関しても、決勝レースでは5回目でペナルティとなっていたが、3回でペナルティと調整されている。
さらに、スプリントレース中のインシデントによるペナルティは、決勝レースへと持ち越されることになる。
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