MotoGP第2戦アルゼンチンGPの開催を前に、ライダー達からは開幕戦におけるペナルティの扱いをめぐり、FIMスチュワードパネルの考え方を明確にするよう要求が出る状況となっている。
開幕戦ポルトガルGPでは、決勝レース序盤にマルク・マルケス(レプソル・ホンダ)がミゲル・オリベイラ(RNF)を巻き込むクラッシュが発生。これに対し、スチュワードパネルは無責任なライディングだったと認定し、第2戦アルゼンチンGPでダブルロングラップペナルティを科した。
ただマルケスが負傷により第2戦を欠場となったため、再通達でペナルティが次に出場するレースへと持ち越されることが決定した。だが、現在このペナルティ変更に対してホンダが抗議しており、判断は控訴裁判所へと持ち越されることになった。
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現チャンピオンのフランチェスコ・バニャイヤ(ドゥカティ)は、31日(金)に行なわれるセーフティコミッションでペナルティの適用について明確化を求めていく考えを語った。
「現時点では理解するのが凄く難しいから、ペナルティや安全性についてもっと明確な考えを求めていく必要があると思う」
「例えば、昨年のミサノ戦FP1では僕がチェッカーを受けたと思ってスローダウンしていたとき、レーシングラインに残ってしまっていて、(妨害行為とされて)3グリッド降格のペナルティを受けた」
「今年の開幕戦の予選では、セクター2まで僕が最速ペースで来ていてラップタイムを更新しようとしていたけど、ライン上にスロー走行のライダーが4人いてそのラップは台無しになってしまった」
「マルクに対する制裁についても彼らが何をしているのかを知るのは難しい。誰もがこうしたミスを犯す可能性があるんだ。だから、もっと明確な考えを要求することが必要だと思う」
Maverick Vinales, Aprilia Racing Team
Photo by: Gold and Goose / Motorsport Images
アプリリアのマーベリック・ビニャーレスは、FIMスチュワードパネルの仕事が「非常に複雑なモノ」だと認めており、ひとつとして同じインシデントは存在しないと擁護しつつも、ライダーが「FIMの決定を信じることができる」ようにしなければならないと主張した。
「正直、僕らはその選択とペナルティが正しいのだと信じなければいけないと思っている。結局のところ物事というのは様々な視点から見ることができるし、とても複雑になるのが想像できるからね」
「でも僕らはひとつのルールに従うことが必要だ。問題は、状況に関して多くの異なる考えがあることで、ルールの結論にたどり着くのが難しいということだ」
「そして、レースであるがゆえに同じ状況は決して無い。場所や周回数も違ってくるんだ」
「理解が深まれば、改善する可能性はあるだろう。でも今でもスチュワードはとても複雑な仕事をしていて、改善は難しいと思っている」
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