「サクラ」「デイズ」で比較 電気自動車(EV)の価格はなぜ高いのか。これは、クルマそのものにさほど興味がない人でも、EVの価格を聞けば当然抱く感想だろう。 【画像】「えっ…!」これが電気自動車の「世界販売台数」です(計10枚) どのくらい高いのか。まず、簡単に比較してみたい。ここで、メーカーが同じである、車型が似ている、唯一の違いは動力と関連メカニズムであるという例がわかりやすい。そこで、ここでは日産の軽自動車のなかから、 ・サクラ(EV) ・デイズ(内燃機関車) を比較してみよう。 比較するグレードは、サクラが「X」、デイズが「ハイウェイスターX」。両車の装備はまったく同じではないが、比較的共通する項目が多いので選んだ。 サクラXのメーカー希望小売価格が254万8700円。対するデイズ ハイウェイスターXのメーカー希望小売価格は169万8400円。両者の差額は85万300円で約1.5倍。この差をどう評価するかは個人の価値観によって大きく異なる。 一般にクルマを構成するさまざまな機器のなかで、パーツとして、あるいはアッセンブリー品として、その単体価格が比較的高価なものといったら何が想像できるだろうか。内燃機関車の場合、 ・エンジン ・トランスミッション ・デファレンシャルギア などが挙げられる。 一方、EVの場合、内燃機関車の動力源に代わるものとして、 ・モーター ・バッテリー ・インバーター が挙げられる。実際、内燃機関車とEVの価格差は、これらの機器類の価格差にあるといってよい。 ...
日本では今ひとつ人気薄な「アメ車」ではあるが、あの圧倒的なパワーを体感しないままドライバーを引退するのは、カーガイとして失格であるような気もする。ならばどんなアメ車に乗ってみるべきか、専門家の知恵を借りながら考えてみたい! ※本稿は2023年9月のものです 文/伊達軍曹、写真/ベストカー編集部 ほか 初出:『ベストカー』2023年10月10日号 ■人生一度はアメ車に乗るべき! 最高出力828psを発生するダッジ チャレンジャーのV8、OHV。こういうの体感したい 日本において「輸入車」と聞いた時、まず思い浮かぶのはドイツ車であるだろう。街を歩けば目につくのはドイツ勢ばかりで、事実、日本を走る輸入車の約7割はドイツ車である。 それに対して「アメリカ車」はいかにも分が悪い。 いや、日本における実際のシェアはイタリア車と大差ないのだが、「アルファロメオがうんぬん」「フィアットの500eがかんぬん」と、イタリーのクルマの名がしばしば日本のクルマ好きや自動車メディアの間でささやかれる。 それに対し、「アメリカ車がうんぬんかんぬん」という話題は、専門メディアやごく一部のマニア以外の間ではとんと耳にしない。 ……現在のアメリカ車とは、そんなにも「語るに値しない存在」なのだろうか? もちろん答えは「否」である。アメ車の品質はこのところグングン向上している。それゆえ「注目すべし」と考えるわけだ。 しかし仮にアメ車の品質が向上していなかったとしても(←そんなことはないが)、あの、他の国のクルマとはかなり異なる個性と味わいを有している一群のクルマには、人生一度は乗ってみるべきなのだ。 あの個性を味わわぬままクルマを語るのは不完全であり、なんとももったいない。というわけで、今回はアメ車の世界をご紹介だ! ■マイナーゆえに個性的で今や乗り味もスポーティ 前項にて「日本国民よ、アメ車に乗れ!」的な怪気炎をあげた不肖筆者ではある。 だが実のところを言えば、筆者はアメリカ車を購入した経験がなく、アメ車に関する知識にも乏しい。 そのため「アメ車ってそもそもどうなんだ?」という(自分が立てた)問いに対して、正しく答える術を持ち合わせていない。どうもすみません。 ...
Aクラスや1シリーズなど欧州車の車名はアルファベットや記号が多いが、国産車はランドクルーザーやヴェゼルといったように個別にしっかりと名前が付いているのはご存知の通り。ホンダの車名を改めてみると「N-BOX」や「シビック」など多くの人気車に「ッ」が使われているのだ。ホンダの車名に隠された意味お教えします!! 文/佐々木 亘 写真/ベストカー編集部 ■Newを冠した新しいモノづくりがホンダの代名詞 N-BOXгЃЁгЃ„гЃ€гЃ°ж—Ґжњ¬гЃ§г‚‚гѓ€гѓѓгѓ—гѓ¬гѓ™гѓ«гЃ®еЈІдёЉг‚’иЄ‡г‚‹гѓ™г‚№гѓ€г‚»гѓ©гѓјгЃ N-BOXはNシリーズの筆頭格として、多くのユーザーに愛されてきた。 N-BOXの「N」は、ホンダ初の本格量産四輪モデルの「N360」から引き継いだものだ。もう一度原点立ち返り4輪車を造るという思いを表した名前になっている。 さらにNには「New Next Nippon Norimono」の意もある。 N-BOXの新登場時のCMでは、「ニュー、ネクスト、ニッポン、ノリモノ!」というフレーズが出ていたので、これを覚えている人は自動車ファンならずとも多い。ネクスト以降の音数が揃っているので、口に出すのが気持ちいいのだ。 Newを冠するクルマはもう一つ、NSXを忘れてはいけない。車名は「New Sports eXperience」(ホンダHP参照)に由来する。(Xは未知数の意と言われることもある) NSXといいN-BOXといい、ホンダの「New」は歴史に名を刻む車が多い。次なるNewはいつ登場するのか。次のNも、人気と実力を兼ね備えたクルマになるのだろう。 ■クルマのブランディングは名前から始まっている!?!? CMの曲のスタイリッシュさやユーザー層にハマるキャラ作りが秀逸だった初代ヴェゼル。 ホンダの車名には、完全・完璧的なニュアンスの名前が多くある。 アコードは英語で「調和・一致」の意、インテグラ「完全にする」という意味のIntegrateから作られた造語だ。 FCVのクラリティは、英語で「明快・明晰」を表す。クラリティはわかりやすくはっきりとした、ホンダの環境問題に対する答えだった。 ...
EVシフト…だったのか? 目玉はスポーツカー 10月25日のプレスデーを幕開けに、11月5日にかけて東京ビッグサイトにおいて、「ジャパンモビリティショー2023(以下、JMS2023)」が開催されました。自動車業界最大の2年に一度のビッグイベントが、「モーター」にとどまらず、「モビリティ」まで範囲を拡大し、名称を新たにしたイベントです。間口拡大を狙った目論見通り、来場者数111万人を突破する盛況なショーとなりました。 【え…】タイヤが「△」? 異彩放ったEV(写真) マツダ「アイコニックSP」。ロータリーエンジンを活用したシリーズ式プラグインハイブリッドのコンセプトは話題となった(乗りものニュース編集部撮影)。 そんな「JMS2023」で、驚きのポイントとなったのは、自動車メーカーの目玉的な展示の多くにスポーツカーが登場したことです。トヨタの「FT-Se」を筆頭に、ホンダ「プレリュード・コンセプト」、日産「ハイパー・フォース」、マツダ「アイコニックSP」、スバル「スポーツモビリティコンセプト」、ダイハツ「ビジョン・コペン」と、各社から個性豊かなスポーツカーがイベントを盛り上げたのです。 もちろん、スポーツカーとはいえ、その内容はバラエティに富んでいます。トヨタの「FT-Se」は、EV用プラットフォームを使いながら、驚異的なまでに低い車高を実現。EV用の電池や部品を非常に小さく薄く作ることができるというアピールでしょう。ホンダの「プレリュード・コンセプト」は、1980年代に非常に高い人気を集めたデートカーの名称の復活です。ハイブリッドとして市販化目前ということで、一刻も早い正式発表を期待する1台です。 日産「ハイパー・フォース」は、1980年代のスカイラインのシルエットフォーミュラー・バージョンを彷彿とさせる未来のEVスーパーカー。停まったときはレーシングゲームのシミュレーターにも使えるというのが面白い提案でした。マツダの「アイコニックSP」は発電用ロータリーエンジンを積んだシリーズ式プラグインハイブリッドで、スバルの「スポーツモビリティコンセプト」も未来のEVコンセプトです。一方、ダイハツの「コペン・ビジョン」は、1.3リッターのエンジンを積んだ後輪駆動車。これは異色のエンジン車コンセプトです。 これらのスポーツカーは、どのブースでも、メインステージや目立つところに飾られ、まさに花形という扱いでした。しかし、なぜ、今回の「JMS2023」では、これほど数多くのスポーツカーが登場したのでしょうか。 もちろんEVも多かったけれども 自動車メーカーみんなが予め打合せしたとは考えられません。それよりも、時代的な背景が、そうしたスポーツカー続出の理由と考えるのが妥当ではないでしょうか。 その時代的な背景とは、「EVシフト」というトレンドです。「この先はエンジン車からEVに代わってゆく」という論調であり空気感です。そうしたトレンドを押さえたのでしょう、「JMS2023」では、どの自動車メーカーもEVのコンセプトカーを数多く出品していたのです。 トヨタは、スポーツカーの「FT-Se」を筆頭に5台のEVコンセプトを用意。レクサスにも2台のEVコンセプトを出品しています。ホンダは北米で市販予定のSUVのEV「プロローグ・プロトタイプ」を。日産は発表した5台のコンセプトすべてがEVでした。また、スバルのスポーツコンセプトカーもEVです。 トヨタ「FT-Se」も目玉の一つだった(乗りものニュース編集部撮影)。 スズキは2025年発売予定のEV「eVX」と、軽自動車EVの「eWX」。ダイハツは「ビジョン・コペン」以外はすべてがEVという内容です。EVでなかったのは、シリーズ式プラグインハイブリッドの「アイコニックSP」とプラグインハイブリッドのコンセプトカー「D:Xコンセプト」を発表した三菱自動車くらい。それほど会場は、EVコンセプトばかりという内容だったのです。 とはいえ、日本市場というリアルに目線を戻してみると、実のところEVはさっぱり売れていません。一般社団法人日本自動車販売協会連合会「燃料別販売台数(乗用車)」の発表では、2023年でもEVの販売比率は乗用車全体の2%ほどしかありません。「EVが売れない」というのが日本の実情です。 実際には多くが「EVコンセプト」 発売するの? ですから、トレンドで「EVシフト」が叫ばれていても、日本国内向けに新しいEVの新型車を投入しにくいというのが正直なところ。そうした状況を反映しているのでしょう、今回の「JMS2023」でも、日本で市販間近と言えるEVの新型車のコンセプトは、実のところごくわずかしかありませんでした。 ...
「百年に一度の大変革」に暗雲 この10年ほど、EVと並んで自動車産業に「百年に一度の大変革」をもたらすと言われてきた「自動運転」技術。その前途に暗雲が立ち込めている。 交通量の多い大都市サンフランシスコで、世界に先駆けて完全自動運転タクシーの有料サービスを提供してきたGM(ゼネラル・モーターズ)傘下のクルーズ(Cruise)。同社は今年10月2日に発生した自らの自動運転タクシーが関与した人身事故を受けて、カリフォルニア州の規制当局から同サービスの停止を命じられた。 Gettyimages この命令に従って、クルーズは10月24日にサンフランシスコ市内での自動運転タクシーの運航を停止し、その2日後の26日にはテキサス州のオースティンやダラス、フロリダ州のマイアミなど他地域での運航も全て停止した。現時点でサービス再開の目途は立っていない。 クルーズはアルファベット(グーグルの親会社)傘下のウェイモ(Waymo)と並んで、黎明期にある世界の自動運転ビジネスをリードしてきた。その同社の自動運転タクシーがサービス開始から僅か3ヵ月足らずで運航停止に追い込まれたことで、同社のみならず業界全体に悲観的な雰囲気が広がっている。 ただ、クルーズとほぼ同時期にサンフランシスコ市内での完全自動運転タクシーの有料サービスを開始したウェイモは、これまでのところ重大な事故やトラブルを起こしておらず、現在も通常の運行を続けている。 消防士が自動運転車のお守り? サンフランシスコの完全自動運転タクシーは、当初から消防をはじめ各方面で懸念の声が寄せられていた。 それ以前の自動運転タクシーは緊急事態に備えて、運転席に予備ドライバー(人間)が待機していた。何らかの事故やトラブルが起きそうなときには、このドライバーが自動運転、つまり一種の車載AIから運転を引き継いで危機を回避してきたのである。 これに対し、今年の夏にクルーズやウェイモが提供しようとしたのは予備ドライバーがいない完全自動運転のタクシーだ。その分、商用化(実用化)へのハードルが高くなることは改めて断るまでもない。 カリフォルニア州の規制当局がその可否を検討するに際して、今年の8月7日に公聴会が開かれた。この場で同市の消防関係者や市役所職員らが、自動運転車の安全性に対する懸念を表明した。 それによれば今年1月からの7ヵ月間に、サンフランシスコ消防局の消防車が(市街地を試験走行中などの)自動運転車によって進路を妨害されるなどのトラブルが55件発生したという。 今年1月には、何らかの理由で制御不能になったクルーズの自動運転車が消火作業中の消防車の近くまでフラフラと迷い込んでしまった。なかなか止まらないので、消防員が自動運転タクシーのボンネットや窓ガラスを叩いて衝撃を与えるなどして、何とか停車させたケースもある。 また今年7月には、ウェイモの自動運転車が消防車の進路を妨害した事もあったという。 公聴会の証言台に立った消防局長は「自動運転車のお守りをするのは我々の職務ではない」と皮肉交じりに述べ、現時点で完全自動運転のタクシーを実用化するのは時期尚早であると訴えた。 同じく公聴会で証言した市役所職員によれば、自動運転車が理由もなく突如停車したり、右左折やUターンなどの交通違反をしたりするケースがこれまでに600件以上報告されているという。 このように公聴会で警鐘が鳴らされたにもかかわらず、カリフォルニア州の規制当局はその3日後となる8月10日、サンフランシスコ市内での自動運転タクシーのサービスを大幅に拡充する許可を出した。これによりクルーズとウェイモは、(面積にして)同市全体の三分の一に当たる地域で完全自動運転タクシーによる有料サービスを提供できるようになった。 それまでクルーズは(交通量の少ない)夜間に300台、昼間の時間帯に100台、またウェイモは24時間を通じて250台の完全自動運転タクシーを運行していたが、いずれも無料で提供される試験的なサービスだった。しかし規制当局の許可を受けたことで、この日を境に両社とも24時間を通じた有料サービス、つまり(未だ小規模ではあるが)お金を稼ぐ事業化へと乗り出すことができたのだ。 いずれも(米国の)ウーバーのようなスマホ・アプリを利用した配車サービスとして提供され、料金もウーバーなどと同程度だ。走行距離にもよるが、平均で1回の乗車賃が20ドル(3000円)前後と見られる。 ...
GMの自動運転テクノロジーは「数km走行するたびに人間の介入が行われる」という自動運転と呼ぶにはお粗末過ぎる出来栄えであることが明らかに 2023年10月、アメリカの自動車メーカーであるゼネラルモーターズ(GM)と同社の自動運転車開発部門であるGMクルーズ、日本の自動車メーカーであるホンダが、共同開発した自動運転専用車両のクルーズ・オリジンを用いた自動運転タクシーサービスを2026年初頭に開始すると発表しました。しかし、そんなGMクルーズが開発する自動運転テクノロジーは数km走行するたびに人間のオペレーターによる介入が入るという、自動運転とはほど遠い出来栄えになっていることがThe New York Timesの報道により明らかになっています。 G.M.’s Cruise Moved Fast in the Driverless Race. It Got Ugly. – The New York ...
高騰する中古車相場も小休止……なんてハナシも聞こえますが、その多くはプレミア価格を狙った転売ヤー、もしくは新車の長納期化が影響したといえるでしょう。自動車趣味の世界も一時期の過熱ぶりを感じませんが、かといって安くなった感じもありません。昨今は円安の影響で海外流出も止まらず、流通物件が枯渇すれば当然相場は上がります。 今回は自動車趣味の現状を把握するため、イタリア車&フランス車専門店の東京・世田谷区にある「コレツィオーネ」さんに行ってきました。依然として高値をキープする911系やM系はさておき、乗って楽しいラテン系はいかがな現況か? Yahoo! 配信用パラグラフ分割 このお店のヨイところは堅苦しいショールームではなく、ガレージ風の展示スペースと屋外展示スペースを組み合わせているところです。また、代表の成瀬さんがラ・フェスタミッレミリアの常連という背景もあり、ヴィンテージ、クラシック、モダンな高年式車両まで、各年代のラテン車が揃うのも魅力なのです。 Yahoo! 配信用パラグラフ分割 取材にあたり最前列にご用意いただいたのは、デルタHFインテグラーレ(ディーラーズコレクション)と348系モンディアルtの2台です。最近じゃデルタも海外にドナドナされることも多いそうで、良質な物件はさらに少なくなって相場は1000万円を切らないそうな。 Yahoo! 配信用パラグラフ分割 一方、2シーターのピッコロ・フェラーリの陰に隠れ相変わらずお安いのが4シーターのモンディアルです。カメラに収めたのはエンジン縦置き世代の348系初期モデル。 Yahoo! 配信用パラグラフ分割 しっかりお値段もうかがいましたが総予算800万円以下というからめっけもん。この次の355系では4シーターのミッドシップフェラーリは存在しません。発売当時を思えば消去法の選択肢だったのかもしれませんが、いまは目利きの1台として狙うべきモデル。 Yahoo! 配信用パラグラフ分割 さらにディープなクラシックゾーンへも足を踏み入れ、つぶさに観察してまいりました。往年のアルファロメオである通称”段付き”のジュリアに目が留まります。ベテランいわく痛快なエンジンとロールセンター位置が魅力のハンドリングマシーンなんだそうな。つまりFFベースのモダンアルファとは全くの別モノ。 Yahoo! 配信用パラグラフ分割 ...
かつてF1ではカラフルな色が使われることが多かった。 例えば、ATSの旗はドイツ国旗を連想させるものだった。 ATSとはAuto Technisches Spezialzubehörの略。 1977年から1984年までF1で活躍したドイツの車だ。 とても熱狂的なチームとして有名であった。 長年走っていたモデルだが、あまり大きな勝利もなくF1から去っている。 合計で7ポイントの獲得に終わった。 1978年、何人ものドライバーがこのドイツ車のハンドルを握った。 ヨッヘン・マスや未来のワールドチャンピオン、ケケ・ロズベルグらがこの車を操縦した。 1979年、ドイツ人のハンス・ヨアヒム・シュトゥックに託された。 1980年、ランマース、スレール、エルトルは1ポイントも獲得することができなかった。 1981年、スウェーデンのスリム・ボルグッドがシルバーストーンで1ポイントを獲得。 1982年には、チリのエリセオ・サラザールも出場した。 ホッケンハイムでネルソン・ピケがサラザールと喧嘩をした事は有名な話だ F1で走るATSの姿が恋しい。皆様はどうだろうか。
ベストカー本誌で、なんと丸30年も続いている超人気連載「テリー伊藤のお笑い自動車研究所」。過去の記事を不定期で掲載していきます。第一回目はNSX試乗です!(2017年11月26日号より) 写真/平野 学 ■私は、NSXの本当の姿を10分の1も理解していなかった…… 2世代目となるNSXは日米共同開発で、米国で生産される輸入車。パワーユニットはV6、3.5Lツインターボ+3モーターのハイブリッドで、システム出力は581ps/65.9㎏m。価格は2370万円で、試乗車はオプション込みで2619万5000円となっている ついにNSXがやってきた。 NSXを太陽の下で見るのは初めてだが、じっくり観察していると、スーパースポーツカーを作るというのは大変な仕事だなと改めて思う。初代NSXの残像を残しながら現代的なクルマにするとなると、どうしても力が入る。スバルやマツダなど、過去に2000万円級のクルマを作ったことがないメーカーのほうが、しがらみがなく、自由に作れてラクかもしれない。 スーパースポーツカーというのは、まず、外観や内装に圧倒的な魅力がなければ成り立たない。世界には何千万円、いや何億円もするクルマを1mたりとも走らせることなく、ただ所有しているだけで満足している人がたくさんいる。もはや自動車ではなく芸術品。そういうのが真のスーパースポーツカーともいえる。 さすがに、NSXにそこまでのレベルを求めるのは酷だということはわかっている。しかし、あまりオーラを感じないのも事実だ。残念ながら、NSXは所有するだけで満足できる類のスーパースポーツカーではないと思える。 と、はじめはわりとクールにNSXを見ていたわけだが、実は、その段階ではNSXの本当の姿を10分の1も理解していなかった。私はNSXを見て、触って、わかったつもりになっていただけなのだ。 止まっている時のNSXは仮の姿だ。まったく本気を出していない。しかし、走り出すと豹変するのだ! 走り出して10秒で、私はNSXの本当の姿、真の価値を発見した。「ほお〜、そういうことだったのか!」とすべてを理解した。 ■高級感のなさがNSX最大の魅力だったのだァ! 画像に alt 属性が指定されていません。ファイル名: 0213-600×400.jpg 新しさはあるが、上質感には欠ける内装。などと最初は思っていたのだが…… 走りにまったく高級感がない。エンジンは回り方も音もガサツで、味わいも上質感もなく、とても2370万円のクルマとは思えない。しかし、この荒さこそがNSX最大の魅力であることがわかったのだ! ...
日産の5台のコンセプトカーの真打ち 日産は2023年10月23日(水)、ジャパンモビリティーショーにてEVコンセプトカーシリーズの最後を飾る「ニッサン ハイパーフォース」を発表しました。 【次世代の「GT-R」!?】日産のスーパースポーツカー(写真) ニッサン ハイパーフォース。 同社はかねてモビリティーショーへ出展するEVのSUV型やミニバン型のコンセプトカーを発表していましたが、そのなかで唯一の当日発表となったのが、このスポーツモデルです。 日産はこれを「次世代の高性能スーパーカー」と紹介。全固体電池と高出力モーターのパワートレインは、最大出力1000kWを発生し、圧倒的な加速力を発揮するといいます。強力なダウンフォースを生み出す空力設計、進化した電動駆動4輪制御技術「e-4ORCE」、高強度カーボンを活用した軽量化車体により、今までにないコーナリング性能と卓越した操作性を実現するということです。 その外観は幾何学模様などを織り込んだ複雑な形状ですが、丸いリアコンビネーションランプは「GT-R」のそれと似ています。これについては「日産のハイパフォーマンスカーのデザインDNAを織り込みました」とのこと。 ドライブモードは2種類あり、サーキットなどを走行する際に最高のパフォーマンスを発揮できるR(レーシング)モードと、快適に走れるGT(グランドツーリング)モードを設定。また、AR(拡張現実)とVR(仮想現実)を体験できる専用のヘルメットを用意。停車中にヘルメットのVR用ブラインドシールドを使えば、クルマがゲームシミュレーターとなり、タイムアタックや対戦モードで楽しみながら運転スキルを磨くこともできるそうです。
ランクル60EV化 仕上げた企業は ボディも朽ちたボロボロのトヨタ「ランドクルーザー60」が、見事にEV(電気自動車)へ生まれ変わりました。この車両は2023年10月下旬から開催される「JAPAN MOBILITY SHOW 2023」に出展されます。 【画像】マジで蘇った…「ランクルEV化」を写真で見る EV化されたランクル60。最初はボロボロだった(画像:トノックス)。 このランクル60のEVコンバージョン(エンジン車のEV化)を手がけたのは、特殊車両メーカーのトノックス(神奈川県平塚市)。ランクル専門店などを展開する中古車会社のフレックスと共同で2023年3月に発足した事業です。 ボディをレストアし、エンジンを取り除き、VCU(ビークルコントロールユニット)やモーターを設置。トランクにはバッテリーを搭載しました。最後に塗装を行って完成しました。 ランクル60は車体に余裕があるので、様々な位置にバッテリーを搭載すれば、航続距離は「かなりの延伸」が期待できるということです。 トノックスは路面計測車などの特殊車両メーカーとして知られますが、自動車メーカー各社の協力工場としての顔を持ち、最近では、RAV4をベースにしたアメ車風SUVで人気の光岡自動車「バディ」の生産を手助けしています。今回のEVコンバージョンは、ガソリン車からEV車へのシフトが加速する中、さらなる特装車架装を切り開く目的があるということです。
◆新車の新型軽自動車vs中古の高級ミニバン N-BOX公式ホームページより 激安中古車大好き、腕時計投資家の斉藤由貴生です。 これまで私は、38万円のセルシオに乗ったり、50万円で買ったクラウンを55万円で売るなど、高級車をお得に楽しんできました。そんな私が以前から主張しているのは、「新車の軽自動車を買うなら、中古の高級車を買ったほうが良い」という点であります。 昨今、軽自動車は「普通車ユーザーが乗り換える」ほどメジャーな乗り物となっているわけですが、商品力が上がった結果軽自動車は以前と比べれば高級になり、価格も上がっています。多くの人が軽自動車を選ぶようになったのは、軽ハイトワゴンのような商品が出たことによって「普通車以上の室内空間」を「安い維持費」で楽しむことができるからだと思います。 つまり「安い維持費で快適」が良いのでしょう。しかし、それに対して私は思うことがあります。それこそが、高い新車の軽自動車を買うならば、安い中古の高級車を買ったのほうが「より快適で安いのでは?」という点です。 ということで今回は、今月新型が発表されたばかりのホンダN-BOXと中古ヴェルファイアを比べてみたいと思います。 ◆シミュレーションの前提にしたもの 前提として、どの車両も買ってから5年5万km乗る想定。N-BOXは新車、ヴェルファイアは20系の中古を買うシミュレーションをしてみます。 なお、ヴェルファイアには2.4Lのモデルと3.5Lのモデルが存在するため、660ccのN-BOXと2.4L、3.5Lのヴェルファイアをそれぞれ比較することとしました。 そして、想定消費額は「本体代」、「ガソリン代」、「維持費」となっています。 「本体代」は、購入時の価格から、5年後に売却する際の想定買取額を引いたもの。これが実質消費額だといえます。 想定買取額についてですが、例えばN-BOXの場合は新車を買う条件であるため、想定買取額は、現在から5年前、すなわち2018年式の走行距離5万km程度の車両の業者AA相場を元としています。 「ガソリン代」についてですが、これは現在のガソリン価格(レギュラー:170円、ハイオク:180円)がベース。燃費については、各車、ネットで個人が公開している実質燃費をベースとし、カタログ値と比較して計算。都内下道を使用する前提で厳し目に出しています。 「維持費」については、車検の法定費用、任意保険代、自動車税が含まれています。オイルやワイパーといった消耗品は、誤差ともいえる範囲であるため、あえて含んでいません。 ◆現在購入できる100万円以下ミニバン 3.5VLエディション(カタログより) 今回、新車N-BOXとの比較対象を20系ヴェルファイアとしたわけですが、総額100万円以下で購入可能なミニバンは以下の通りです。 【アルファード(&ヴェルファイア)】 ・初代(2002年デビュー)=約60万円ぐらい ...
代々木公園で開催された「ナマステ・インディア」で展示 日本国内では三輪自動車(トライク)を見かけることはそれほど多くはありませんが、海外、特にアジアでは三輪タクシーとして街なかでよく走っています。三輪タクシーはインドやパキスタンではオートリキシャ、タイではトゥクトゥクと呼ばれ、国民から深く愛されている歴史のある乗り物です。 インド国内ではリキシャのEVも続々と登場しているのですが、9月末に代々木公園で開催された「ナマステ・インディア2023」の会場では、スウェーデンの自動車メーカー・ZBEE社のEVリキシャ「ZBEE」が展示されていました。 センターピラーがなく開放的なサイド ZBEE社のCEOは同じくスウェーデンを代表する自動車メーカーであるボルボの元CEOです。なぜ、インドのイベントでスウェーデンのメーカーのリキシャが展示していたのかというと、ZBEE社の子会社であるZBEEインディアがインド国内で製造しているから。そんなZBEEを輸入しているのは、レアな輸入車やリキシャを販売・修理している、兵庫県西宮市にあるガレージボスコです。 車両重量は270kg…乗り心地も快適 ガレージボスコの代表である森知信さんにEVリキシャの特徴を聞いてみました。 まず、導入した経緯ですが、三輪自動車が大好きな森さんがネットでZBEEを見つけ、それがスウェーデンのメーカーだとわかり、いろいろ調べていくとインドで生産していると聞いて導入したそうです。しかし、そのあとすぐに新型コロナウイルス感染症の影響で工場がストップしてしまい、本格的にはまだ生産されておらず、今回も販売予定として展示したとのこと。 インドを思わせるステッカーでデコレーション EVリキシャの多くが既存のリキシャをEV化したもので、2018年ごろはインド国内に扱うメーカーが100社くらいあったそうです。このEVリキシャはボルボ元CEOがEV用に作ったもので、衝突実験までしてBMW社の基準をクリアしているそうです。 ガレージボスコでは、インドメーカーのEVリキシャも取り扱っていますが、従来からあるリキシャをEV化した車両と、EVリキシャとして一から作り上げられたZBEEとはまったく違うものだといいます。 ZBEEの乗車定員は運転席1名、後席2名の計3名ですが、展示されていたZBEEは4名で登録しています。ただ、実際に後席に大人3人座るのは厳しいです。 2人乗りの後席はそこそこ狭い 軽量化にもこだわっていて、車両重量は270kgとリッターバイクくらいしかなく、FRP製のボディ外装は7個のパーツから構成され、エンジンのリキシャと比べるときしみ音が少ないとのこと。ドアは付けられませんが、ドアカバーはオプションで考えているそうです。また、インホイールモーター、前後ディスクブレーキを採用し、リキシャ定番のリーフスプリングを使っていないため乗り心地も快適だそうです。 インホイールモーターとディスクブレーキ サスペンションもあり乗り心地は良いとのこと 二輪車とも四輪車とも違うドライブフィール ...
インスタグラムで購入車披露 9月の終わり頃、インスタグラムでラップグループ「スチャダラパー」のBose氏が興味深い投稿をしていた。何でもこのたび1995年型のダイハツ・アトレー・ワゴンを購入したという。4WDのターボ仕様。トランスミッションは5速マニュアル。ガラスサンルーフ付。スペックだけを並べると、まるで同年代のスペシャルティカーの様にも思えるユニークな1台である。 【画像】えっ…! これがBose氏購入の「95年ダイハツアトレー」です(計8枚) Bose氏いわく、 「90年代の軽ワゴンは、クルマ好きの中年男子にとって、今パーフェクトなチョイスなんじゃないか?」 というもの。このことについて、氏の世代に近い筆者(矢吹明紀、フリーランスモータージャーナリスト)なりにこうした考えに至った理由を考察してみたい。 さて、まずはスチャダラパーの公式ウェブサイトでBose氏のプロフィルを確認してみた。1969(昭和44)年1月生まれの54歳。運転免許を取得したのがいつ頃だったのかはわからなかったが、仮に18歳になった時点ですぐに取得していたとしたら、1987年頃ということになる。 時代はまさにバブル前夜。日本国内で販売されていたクルマは、どんなモデルでもどんどん充実装備となり、特にそれは軽自動車で顕著だった。軽自動車のワンボックスバンは、登録上は軽貨物車でありながら、 「装備は乗用車レベル」 というモデルが続々と登場していた。 この当時、運転免許を取得した人にとってみれば、実家にたまたまあった1台だったとかバイト先にあったとか、偶然とはいえ最初に運転したクルマが軽のワンボックスだったという人も少なくないだろう。 筆者はこの時点で、既に自動車雑誌業界で仕事をしていた。そこで運転する軽ワンボックスは、小さいながらもさまざまな機械的要素が凝縮されていた。小さなサイズに盛り込まれた多彩な機能。男はこうした凝縮されたものに弱い。 クルマは「趣味の対象」 90年代のイメージ(画像:写真AC) そして1990(平成2)年、軽自動車はそれまでの550ccから660ccへと最大排気量が拡大される。 このタイミングで従来の2気筒エンジンを3気筒にグレードアップしたモデルも多く、ターボ仕様が完全に根付いたこともあって走行性能の向上は著しかった。加えて、内装は豪華という程ではなかったものの乗用車モデルに匹敵するクオリティーのものが当たり前となった。 バブル期のワンボックスワゴンは、その車体の大小を問わず、シートアレンジを変えることができるのは当然の仕様となり、サンルーフやエアコン、クオリティーの高いカーステレオなども選べるようになっていた。 今回、Bose氏が入手した1995年型のダイハツ・アトレーはバブル崩壊後の1994年に発売された3代目の初期型というモデルだ。装備やデザインはバブル時代の名残を感じることができるものでもある。いい換えれば、現在のトールワゴンスタイルに移行する前の世代の軽ワンボックスとしては、見事に完成されたものだったといっても過言ではない。 ここまでホメちぎると、「いや、そこまでいうほどのクルマじゃないでしょ」という声も聞こえてきそうだが、今あえてクローズアップするのにはほかにも理由がある。それは、クルマとは実用品であると同時に ...
なでしこの車が1/43ミニカーになった! キャラクターのアクスタも付属 ヒコセブンのオリジナルブランド「CARNEL」からダイキャスト製1/43スケール(全長約8cm)、映画『ゆるキャン△』 なでしこの車が登場する。本日2023年10月4日より直営店の「モデルギャラリーHIKO7」及び全国模型店にて予約が開始された。 『ゆるキャン△』は、女子高生達のアウトドアライフを描いた作品。原作者・あfろ本人の経験や取材から生み出された現実感あふれるキャンプストーリーと、作中に漂うゆるやかな雰囲気で、2015年の連載開始当初から多くのファンを魅了している。 TVアニメ第1作が2018年1月から放送スタートした本作はキャンプブームを巻き起こし、昨年公開された映画『ゆるキャン△』は興行収入10億円を突破し好評のまま幕を終えた。 TVアニメ『ゆるキャン△ SEASON3』が2024年の放送が決定している。 映画『ゆるキャン△』は、山梨県や静岡県を舞台に、女子高生たちがキャンプに行く姿やその日常を描いた『ゆるキャン△』の数年後を描いた完全オリジナルストーリーとなる映画作品。 各務原なでしこは東京のアウトドア店で働きながら一人暮らし。それぞれの道を歩んでいたかつてのキャンプ仲間が集まり、キャンプ場開発計画が始動する。 作中では大人になった5人がそれぞれバイクや車に乗っており、なでしこはベージュの小型SUV車に乗っています。 その小型SUVが、完全受注生産モデルで登場する。しかも車と同じ、1/43スケールの各務原なでしこと、志摩リンとバイクのアクリルスタンドが付属する。 ということなので、あとは富士山やキャンプ場っぽい自然風景をバックに配置すれば室内でのディスプレイは完璧! アウトドア派の人は、キャンプ場に一緒にもっていって楽しもう! (C)あfろ・芳文社/野外活動委員会
東京オートサロン事務局は2023年10月2日、カスタムカーとクルマ関連商品の展示会「第42回 TOKYO AUTO SALON(東京オートサロン) 2024」を、2024年1月12日〜14日の3日間、幕張メッセ(千葉市美浜区中瀬2-1)で開催すると発表した。 2024年1月12日から東京オートサロンが開幕 幕張メッセ 年明けに開催される東京オートサロンは、その年のカートレンドをキャッチできるビッグイベントとして国内外から注目を集めている。出展者数の増加、多様化に伴ってイベント内容は変化し、近年では多くの自動車メーカーが新車のアンベールを行なったり、モータースポーツ活動の体制発表を実施する場としても定着してきている。 今回は、1月の東京オートサロン開催に先立ち、10月26日〜11月5日に東京ビッグサイトで開催される「JAPAN MOBILITY SHOW(ジャパン・モビリティショー) 2023(旧:東京モーターショー)」に東京オートサロンブースを出展し、PRを行なう。このジャパンモビリティショーの特別招待日・プレビューデーの27日(金)からは、東京オートサロン2024のチケットの先行発売を行ない、会場購入限定特典としてノベルティがプレゼントされる。 ■ 入場チケット情報 東京オートサロン 2024 公式サイト 東京オートサロン関連記事 The post 2024年1月12日から東京オートサロンが開幕 ...
埼玉工業大学 自動運転AIバスが新宿の都庁循環 CH01 系統をオートで走行中! 10/13まで誰でも予約すれば試乗OK! 京王バスが運行、パシフィックコンサルタンツが全体運営管理 2019年から兵庫県 播磨科学学園都市、愛知県 日間賀島、長野県 塩尻市、栃木県 茂木町、千葉県 千葉市、愛知県 常滑市、千葉県 幕張新都心、愛知県 長久手市と、各地での実証実験を重ねてきた埼玉工業大学 日野レインボーIIベースの自動運転AIバス。 各地の鉄道事業者系路線バス会社と手を組み、地方特有の道をオートで走り続け、自動運転走行距離はゆうに1万kmを超え、既存の路線バス車両に後付けする埼玉工業大学 自動運転AIシステムは、実装レベルに向けて毎日進化を遂げている。 そんな埼玉工業大学 自動運転AIバスが、いよいよ東京都内をオートで走り出した。しかも、新宿のど真ん中の街なかを、実証実験ではなく既存の路線を自動で走っているのだ。 ...
覗き見のゾクゾク「あれはランボルギーニではないのか?」:伊東和彦の写真帳_私的クルマ書き残し:#002 輸入車販売会社から雑誌記者に身を転じ、ヒストリックカー専門誌の編集長に就任、自動車史研究の第一人者であり続ける著者が、“引き出し”の奥に秘蔵してきた「クルマ好き人生」の有り様を、PF読者に明かしてくれる連載。1960年代初頭の六本木のワンシーンを振り返る。 前回の続きだ。六本木でシェルビーGT500とモーガンに遭遇した私たち東京見物の中学生が次に向かったのは、ポルシェ総代理店であった三和自動車(後にミツワとの表記にかわる)のショールームだった。すでに一度、“偵察”に行っていた友人が案内してくれたのである。 休日の朝だったからか、ショールームは閉じていて中には誰もいなかった。これ幸いと、綺麗に磨かれたガラスに3人で“おでこ”をくっつけ、両手を“ジャンケンのパー”のようにガラスに押し当てて、さながら幼児のような仕草で店内に展示されていたポルシェ911をしっかりと見た。あとになって20台限定の稀少な911Rではなかったかとの、期待を込めてのちょっとした論争があったが、写真は撮っておらず確認する術はない。 横浜市内でも911や912を見る機会は多くはなかったから、ショールームを見ただけでも充分以上だった。仮に中に社員がいたとしても、中学生の分際で中に入るなど考えもおよばなかったから、誰もいないほうが気兼ねなくショールーム前にたむろして、前の交差点を行き来するクルマを見るという長居ができた。 最初は気がつかなかったが、横に回ってみると、そこは整備工場の入り口だった。パイプ状のシャッターが閉ざされていたが、隙間から中を見ることはできたから、中を覗くことにした。 ショールームのガラス越しに覗くより、見てはイケナイものを見るようで、ずっとゾクゾクしたことを覚えている。911はいいとして、その中央と右端のカバーが掛けられたクルマの存在が実にミステリアスで、いったいなに?との推測合戦が始まった。 とにかく写真だけは撮っておこうと、遠景にもかかわらず一眼レフにつけた標準レンズ(当時はそれしか持っていなかった)で撮影し、後日、暗室でめいっぱい拡大したプリントがここに掲げたカットだ。 右端は今でも不明だが、中央のクルマはひょんなことから、この日の午後にはだいたい推測がついた。日本橋の丸善の洋書コーナーで、このクルマらしいものが掲載されたアメリカの雑誌を発見したのだ。 次は丸善に行こうと提案したのは米国帰りのI君で、売り場で洋書を捲りながら、「ああこれだね」と、ネイティブの発音で意味不明の長ったらしい名前(モデル名と創業者名)をいい、「ボストンでは見たことがあったけど、日本にもあったんだね。アメリカでもめずらしいよ」といった。もっともその瞬間には、ランボルギーニとの発音は聞き取れなかったのだが⋯⋯。 このメーカーが誕生した経緯をエンゾ・フェラーリとの逸話を簡単に話してくれたが、彼のちょっと英語なまりでの詳しい説明には感動し、同世代のクルマ好きとはかけ離れた知識レベルを持つことが信じられなかった。まさに私は井の中の蛙であったことを自覚した。 その後、男性週刊誌の繰り出しカラーページに掲載されていた、ショールーム内に置かれた真新しいダークレッドの400GT2+2の写真を見て、これなんじゃないかと頷きあった。 I君は丸善でアメリカの自動車雑誌、『Road&Track』と『Car&Driver』誌を買った。もちろん私ははじめて目にする雑誌だった。レジで支払いをしている彼の表情には、アメリカで親しんでいた雑誌に再会できて安堵した表情が漂っていたことを覚えている。 ランボルギーニという未知のクルマにボディカバー越しとはいえ接近遭遇したことで、好奇心が破裂しそうになった私の表情を見て取った友人が、「(成績の悪い君が)英語を勉強するなら自動車の雑誌を読めばいいんだ。ナントカ君はPX(前回でも登場したが、米軍関係者にとっての売店)で外国人に頼んで買ってもらった『PLAY BOY』や『Penthouse』の原書で勉強しているよ!」と、いい放った。 そのナントカ君は英語の成績では常にトップだったが、彼が教科書にしている雑誌は中学生には刺激が強烈すぎるカラー写真(若い人にはわからないだろうが、直輸入ものはマジックインキでの修正がなかった)が満載で、わからない単語があっても、とても英語の教師に聞きに行ける誌面ではなかった。 私が親に勉強のためとして、英語のクルマの本を買ってもらったのは、すぐそのあとのことだ。I君にアメリカの通販店で買ってもらったG.N.ジョルガノのエンサイクロペディアで、そのあともずっと重宝し、今でも使い続けている。 こうやって改めて書いてみると、あの時の六本木散策は、その後の私の人生に大きな影響を与えたていたのだなあと、そう思う。 後日談だが、いまから数年前になって、ランボルギーニの広報サイトで見つけたフェルッチョのポートレートに興味深いカットがあった。詳細に見ると、それが件の六本木ショールームで撮影されたものであると特定できた。時期は明らかにされていないが、1960年半ば以降の撮影だろう。同社スタッフの姿だけでなく、後方には右ハンドルの3代目トヨペット・コロナ(T40/50型、1964〜70年)が写っているからだ。満面の笑みでVサインを掲げているところを見ると、なにかの契約(代理店契約?)の時なのかと想像したが、果たして真相はいかに、である。 つい先日、そのあたりに行ってみたところ、高層のホテルが建っていた。あのときシャッターがあった場所に立つと、半世紀以上前の記憶が蘇った。
アソモビ2023 in Makuhariに展示されていたティフィン社製の大型キャンピングカー「アレグロブリーズ33BR」の2023年モデル(筆者撮影) 大型モデルが多いアメリカ製キャンピングカーのなかでも、圧倒的な広さや快適さを備えるのが「クラスA」と呼ばれるタイプだ。とくに全長が10mを超え、大型バスのような外観を持つ高級モデルは、室内もかなり豪華。レザー張りのソファーを備えるリビングには、大型のテレビや冷蔵庫、エアコンなどを完備。バスルームやキングサイズベッドなども常設されていて、その雰囲気はまるで高級ホテルのスイートルームさながらだ。 【写真で見る】オプション込みで約7000万円、巨大キャンピングカーに潜入。まるでホテルのスイートルームのような室内は必見! 日本で買えるクラスAのティフィン社製キャンピングカー 後ろから見たアレグロブリーズ33BRの2023年モデル(筆者撮影) 日本ではほぼ目にしないクラスAだが、一部のファンからは圧倒的な支持を受けていて、数こそ少ないが輸入販売されている。そんなモデルのひとつが、熊本県の専門業者「ワッツ(WOT’S)」が扱うティフィン(TIFFIN)社製「アレグロブリーズ33BR」だ。 同モデルは、毎年アップデートを受けたイヤーモデルが発売されるのだが、年間で国内に入るのはわずか3台で、1台あたりの価格はなんと約6000万円。しかも、さまざまなオプションを追加すると、7000万円近くになるというのだが、それでもユーザーが争奪戦を繰り広げるほど人気で、あっという間に完売になってしまうという。 装備はもちろん、その高価さからもまさに「動く豪邸」といえるのが同モデル。その最新型2023年モデルがアウトドア系イベント「アソモビ2023 in Makuhari」(2023年8月5~6日・幕張メッセ)に展示されたので取材してみた。 展示されていたアレグロブリーズ33BRの2023年モデルの価格(筆者撮影) 展示車のプライスボードに書かれた金額は「5450万円+TAX」、税込みなら5995万円というアレグロブリーズ33BRの2023年モデル。しかも、この金額は、さまざまなオプションを追加すると、さらに高価になるという。製造しているのは、アメリカ・アラバマ州を拠点とするティフィン社。2022年に創業50周年を迎えた老舗メーカーで、現地で「モーターホーム(動く家といった意味)」とも呼ばれる高級キャンピングカーを数多く手がけてきた実績を誇る。 車体サイズは全長10.4m×全幅2.49m×全高3.58m。日本の公道を走行できる車両は、道路法により全長12mまで、全幅2.5mまでなどの規定があるため、ナンバーを取得できるギリギリの大きさだ。見た目はまるで大型の観光バスだが、ベースはバスではなく、専用ベースシャーシの上にキャビン(ボディ)全体を架装したもの。こうしたモデルをアメリカでは、前述のとおり、クラスAと呼ぶ。日本では「フルコン(フルコンバージョン)」と呼ばれるタイプに近い。 展示車両の装備一覧(筆者撮影) 搭載するパワートレインは、商用車用エンジンなどを製造する北米企業カミンズ社製の6.7L・ディーゼルエンジン。最高出力は275馬力を発揮し、6速ATのトランスミッションをマッチングすることで、巨大な車体でもストレスなく走行することが可能だ。また、燃料タンクは270Lもの大容量を確保し、長距離のクルマ旅にも対応する航続距離を実現する。 さらに高速道路などで、車間を自動で保持しながら前車を追従する「レーダークルーズコントロール」も搭載。日本では「ACC(アダプティブ・クルーズコントロール)」と呼ばれる機能だ。ほかにも自動ブレーキ(衝突被害軽減ブレーキ)など、さまざまな安全運転支援システムを採用し、ロングドライブ時の疲労軽減や、高い安全性に寄与する。 アレグロブリーズ33BRの運転席まわり(筆者撮影) なお、2023年モデルでは、ボディカラーやグラフィックが変更されたほか、50周年を記念するエンブレムも装備。運転席と助手席のシートには、メッシュタイプが採用されるなどのアップデートを受けている。乗車定員は7名、就寝人数は6名だ。 ...
ウナギ上りで増えていく「AT限定」免許 2023年現在、国内販売されているクルマの約99%はAT(オートマ車)であり、商用車でもATの比率は増えました。これに呼応するかのように、運転免許も「AT限定」で取る人がかなり増えている状況です。 【コレか!!】いま「新車で最も安く買えるMT車」とは(写真) マニュアル車のシフトノブ(画像:写真AC)。 警察庁の運転免許統計で、その年の指定自動車教習所の卒業者数にまつわるデータを見てみると、2022年に普通免許で卒業した人でMT免許(いわゆる限定ナシ):AT限定免許の割合は27:73でした。 その15年前の2007(平成19)段階では、53:47でMT免許の方が多かったのですが、5年後の2012(平成24)年段階ではすでに逆転していました。指定自動車教習所の卒業者なので多くは若者と考えられますが、今や7割以上が「AT限定」で普通免許を取っているのです。ちなみに東京都だと、AT限定が実に8割を超えています。 AT限定普通免許の教習は、MT免許と比べ法定の技能教習が短く、値段も1万円から1万5000円ほど安くなります。 教習所のスタッフに聞くと、MTで受講する人は「何かあったときのため、とりあえずMTで取っておけ」と親に言われたから、という理由が大半だそう。 トラックなどを運転することを想定した需要もあるものの、2017(平成29)年に準中型免許が新設されて以降、普通免許で乗れるクルマはほぼ乗用車に限られるようになっており、“いざというときのメリット”すら、希薄になっていると思われます。 同氏によると、クラッチ操作などにつまずく人が、技能教習の早い段階でMTからAT限定へ移行してしまうケースもあるとのこと。いまやウェブ検索で「マニュアル車」と入力すると、すかさず「無理ゲー」という文言がサジェスト(候補として表示)されるほど、苦手意識を持つ人が少なくないようです。 それでもMT車が生きるワケ さらに、失効した免許を再取得するケースでは、ほとんどがAT限定を選択するそう。再取得に向けた教習を行うインストラクターによると、「早く免許を取り戻したい」といった理由が強いこともあり、限定なしで再取得するのは1割程度に留まるといいます。 同氏によると、いちどMT免許を取得した人でも、MT車で最もつまずくのはクラッチの使い方だといいます。ただ、MT車の操作ができる人であっても、AT車で試験に落とされるのは、交通ルールに反してしまうケースがかなりの割合を占めている模様です。 しかし、そうしたなかでもMT車は生き続けています。2022年の新車販売台数は約420万台。冒頭に記したように、そのうち99%がAT仕様ですが、残り1%はMT車。数でいうと4万台ほどであり、それらは「新車で乗れるMTモデル」といえるでしょう。 左がクラッチペダル。 その多くは運転が好きな人に向けた、いわゆるスポーツカーですが、最も安価な乗用MTモデルは軽自動車のスズキ「ワゴンR」で、121万7700円(税込み)から2WDの5MT車が設定されています。ちなみに、2017(平成29)年発売モデルに半年遅れで改めて5MTが設定された際、スズキは「MT車を必要とされるお客様に向けて追加」「幅広い年代の多様なお客様のニーズにきめ細かく応えていく」としていました。 他方、スポーツモデルに限らず多くの車種でMT車を設定していたマツダは、2023年9月に「CX-5」と「CX-30」を改良した際に、MT車の設定を廃止しました。これらの動きを鑑みると、電動化をはじめ機能が進化するなかで、自動車メーカーも一般的なモデルにMT車を残すか、はたまた残さないか、各社ごとに揺れているのかもしれません。