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ジープ・コマンダー リミテッド、経済的で日本最適設計の7シーターSUV【試乗記】

ジープ・コマンダー リミテッド、経済的で日本最適設計の7シーターsuv【試乗記】

ジープ・コマンダーリミテッド 価格:9SAT 597万円 Photo by Akihiko Kokubo

新型は便利で経済的なアメリカンSUV。7シーターのユーティリティと燃費に優れた直4ディーゼルを組み合わせ。サイズはミディアムクラス。本革シートをはじめ装備も充実している。

チェロキーの後継モデル

日本で使うのに最適な7シーター・ジープ

 気持ちのいいクルマに乗った。ジープの最新モデル、コマンダーである。ひと昔前までコマンダーは大型ボディとV8エンジンを組み合わせたフラッグシップというキャラクターだった。憧れの対象ではあったものの、日本で乗り回すには、相応の覚悟を必要とした。

 だが、新型はミディアムサイズに大変身。堂々としたアピアランスと、7シーターパッケージングをそのままに、ぐっとフレンドリーになっている。ボディサイズは全長×全幅×全高4770×1860×1730mm。エンジンはジープ初の環境と燃費性能に優れた2L直4ディーゼル(170ps/350Nm)。全長は同じ3列シートSUVのマツダCX-8(4925mm)と比較して155mmも短く、エンジン排気量も小ぶり。まさに日本で使うのに最適な7シーター・ジープといえる。新型は、実質的には昨年末に生産を終了したチェロキーの後継モデルとなる。

ジープ・コマンダー リミテッド、経済的で日本最適設計の7シーターsuv【試乗記】

ジープらしくオフロードの備えは万全。走行状態に応じて自動的に駆動力を最適制御するテレインセレクトを標準装備。ボディサイズは日本でも持て余さない設定

ジープ・コマンダー リミテッド、経済的で日本最適設計の7シーターsuv【試乗記】

室内は快適装備が充実。ナビ機能内蔵の10.1インチセンターディスプレイは見やすい

ジープ・コマンダー リミテッド、経済的で日本最適設計の7シーターsuv【試乗記】

乗り心地はゆったり快適志向。シートは本革仕様の大型サイズ。前席はヒーター標準。3列目もしっかりとした作りだが、足もと空間はミニマム。室内色はブラウンとブラックを設定

ジープ・コマンダー リミテッド、経済的で日本最適設計の7シーターsuv【試乗記】

ジープ・コマンダーリミテッドシート

ジープ・コマンダー リミテッド、経済的で日本最適設計の7シーターsuv【試乗記】

ジープ・コマンダーリミテッドリアシート

 スタイリングは、フラッグシップのグランドチェロキーと同様の印象。ハンサムで端正、素直にカッコいいと感じる。伝統の7スロットグリルと十分なグランドクリアランスがジープならではの逞しさを演出し、各部のクリーンなデザイン処理でモダンな印象にまとめた。

ライバル車にはない

独自の味わいは大きな魅力

 室内は上質である。試乗車の内装色はブラウン。シックな印象で統一され、装備は至れりつくせり。本革シート、ナビ機能内蔵10.1インチセンターディスプレイ、先進安全システムなどがすべて標準装備。作り込みも丁寧だ。室内スペースは“広大”といえるほど。1/2列目がゆったりしているのはもちろん、3列目も実用十分な広さが確保されている。3列目は床下収納タイプ。通常時、たたんでおけば広いラゲッジスペースとして使える。ちなみに荷室容量は3列目使用時が170L、5名乗車時で481Lを確保する。

 走りは予想以上に力強く、しかも軽快。最新設計の2Lディーゼルは、低回転域から豊かなトルクを生み出し、約1.9トンのボディをドライバーの意のままに動かす。9速ATとの相性も良好だ。静粛性はハイレベル。ガソリンとは別種の音質ではあるものの、気にならない。電動化の促進で静かなものの、走りの実感が得にくいクルマが増える中、適度なサウンドはかえってプラスポイントと感じた。もちろんディーゼルだけに燃費経済性は優秀。WLTCモードで13.9km/Lである。コマンダーの個性は、かつてのアメリカンワゴンを思わせる、ゆったりフィーリングが満喫できること。このクルマには、ハンドリングや乗り心地を含め、ドライバー、そしてパッセンジャーを自然とリラックスさせる骨太なサムシングがある。“包容力”と表現するのが適当な、ライバル車にはない独自の味わいは大きな魅力。この内容で600万円を切る価格はバーゲンだと思う。

(CAR and DRIVER編集部 横田宏近 写真/小久保昭彦)

ジープ・コマンダー リミテッド、経済的で日本最適設計の7シーターsuv【試乗記】

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