マカンはポルシェの魅力が味わえるスポーツSUV パワーユニットは2.9L・V6ツインターボと2L直4ターボを設定 440psの最高出力を誇るGTSがトップモデル Photo:PORSCHE
特別な存在の称号GTS
ポルシェは、どれもがスポーティなキャラクターの持ち主。中でもGTSの称号が与えられたモデルは特別な存在だ。走りのパフォーマンスはもちろん、見た目の演出でも際立っている。
マカンにGTSが設定されたのは、2018年のマイナーチェンジタイミング。最新モデルは、さらにリファインが加えられ一段と魅力的になった。
従来同様ツインターボ付き2.9L・V型6気筒ユニットを搭載するものの、最高440psというエンジン出力は60psもの上乗せ。標準装備される“スポーツエアサスペンション”も、「フロントアクスル剛性が10%高められ、リアアクスルも15%の向上」と伝えられる新たなチューニングが施された。
ゆえに、走りのテイストは硬派と予想するに違いない。だが実際は洗練さが際立つ。スタートすると、まずは望外に乗りやすいことにちょっと拍子抜けさせられる。
数あるSUVの中でも走りの完成度
群を抜いた存在
一方、ステアリングホイール上のダイヤル操作でスポーツモードを選択すると乗り味は引き締まり、排気サウンドにもバブリング音が混じるようになる。走りの印象はグンとスパイシーに変化。ワインディングロードでのアップテンポな走りでも、SUVでは不可避と思われていた大きなロール感は排除される。ターンインでのステアリング操作では、思いのほかシャープなノーズの動きが印象的なほどだ。
さらに、強めのブレーキングを行えば、次の加速に備えて絶妙なタイミングでダウンシフトが行われる。マカンGTSは、まさに“SUVのスポーツカー”。ダイナミックな走りを存分に堪能させてくれる。
パフォーマンスは絶対的といえるほど秀逸。トップスピードは272km/hに達し、0→100km/h加速は最速4.3秒でクリアする。数あるSUVの中でも走りの完成度という点で群を抜いた存在だ。
通常は快適なクルージングが楽しめ、ドライバーがその気になると、超一級のスポーツカーに変身する実力はさすがポルシェ。マカンGTSの存在感は、ライバルを圧倒する。
(CAR and DRIVER編集部 報告/河村康彦 写真/小久保昭彦+PORSCHE)