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BMW・M2、ほれぼれする絶品ストレート6!マニア垂涎の1台の実力【試乗記】

bmw・m2、ほれぼれする絶品ストレート6!マニア垂涎の1台の実力【試乗記】

BMW・M2/価格:6MT/8SAT 958万円 Photo:BMW

究極のドライビングマシン、M2が2代目に移行した。新型はM3/M4譲りのS58型3L直6ツインターボ(460ps/550Nm)を搭載。駆動方式はFR、トランスミッションは6速MTと8速AT。マニア垂涎の1台の実力を解き放った!

初代は世界で最も売れた“Mモデル”

M2が第2世代G87へと進化

 M2が第2世代G87へと進化した。初代F87はF22型2シリーズクーペをベースに2016年に登場。世界で最も売れた“Mモデル”となった。コンパクトな2ドアボディにハイスペックを誇る6気筒エンジンを搭載。しかも後輪駆動でMTギアボックスも選べる、となれば世界中のBMWファン、いや運転好きが喜び勇んでオーダーしたのは当然だろう。かくいう筆者もそのうちのひとり。M謹製のS55エンジンを積んだ後期型6MTモデルのドライビングは最高に楽しく、まさに傑作だった。

 6気筒FRのマニュアルM2は、先代で最後……そんな噂もあった。だが、昨秋発表された新型は、うれしいことに、そのすべてを継承していた。大きな違いといえば、2ペダルモデルがDCTではなくステップトロニックになったこと。これは、最新のM3/M4と同様である。

S58型3L直6Mツインパワーターボ

各部もM4も顔負けの仕様

 新型M2はどんなモデルか。ひと言で表現すると、M4のショートホイールベース版(2855→2745mm)である。BMWがその先祖として掲げたイメージモデルは1970年代の名車、2002ターボ。2シリーズのコンパクトな車体に、M3/M4用のパワートレーンとシャシー&サスペンションを与えた高性能モデル、と聞けば、02ターボの子孫という説明にも納得だ。

 順を追って解説しよう。まずはパワートレーン。M4と同じS58型3L直6Mツインパワーターボで、最高出力は460ps、最大トルクは550Nmとした。最新M4と比較して出力で20ps劣るのみ。先代M4を上回るパフォーマンススペックを誇っている。これに組み合わされたのは、8速Mステップトロニックとギアシフトアシスタント付き6速MT(日本仕様はAT/MTとも958万円の同価格設定だ)。アクティブMデファレンシャルも標準で装備された。

 スタイリングはベースとなったG44・2シリーズクーペよりもさらにグラマラスで、顔つきも物々しい。新たなキドニーグリルデザインも目を引く。足元はファット。フロントにはなんと275/35R19タイヤを履く。リアは285/30R20。要するに前後ともM4の日本仕様標準グレードと同サイズというわけだ。ワイドトレッド&ワイドタイヤを覆うために全幅はなんと1885mmに達している。

 各部は本気スポーツ仕様。ニュルブルクリンク・ノルドシュライフェで鍛え抜かれたボディ骨格に前後50対50という理想の重量配分、さらに電子制御ダンパー付きのアダプティブMサスペンションと可変ギアレシオMサーボトロニックステアリング、6ピストンのMコンパウンドブレーキなどなど、M4も顔負けの仕様となった。

bmw・m2、ほれぼれする絶品ストレート6!マニア垂涎の1台の実力【試乗記】

スタイリングはアグレッシブ。M2のホイールベースはM4比110mm短い2745mm

bmw・m2、ほれぼれする絶品ストレート6!マニア垂涎の1台の実力【試乗記】

新型のエンジンはM3/M4やアルピナB3などと共通シリーズのS58型。スペックは460ps/6250rpm、550Nm/2650~5870rpm。まさにシルキーで全域パワフルな珠玉の心臓

bmw・m2、ほれぼれする絶品ストレート6!マニア垂涎の1台の実力【試乗記】

インパネは12.3インチ液晶メーターと14.9インチセンターディスプレイが連結したBMW最新形状。エンジン/足回り/ステアリングなどはドライバー好みの詳細セッティングが可能。ステアリング部のMボタンで設定が簡単に呼び出せる。操縦フィールは意のまま

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室内は2+2設定。後席スペースも思いのほか広く実用的。写真はMカーボンバケットシート/MカーボンルーフなどをセットしたM レース・トラックパッケージ(204万5000円)装着車

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惚れ惚れとする絶品ストレート6。

MTの操作性も気持ちいい!

 筆者に与えられた試乗車はM2専用色の明るいソリッドブルーで、マニュアルトランスミッションを装備していた。

 走りは、どこかしらM4のような雰囲気があった。街乗りではソリッド&フラットで硬派な乗り心地がいかにもM4ぽい。場合によってはさらに激しく感じることさえある。けれどもコンフォートモードでは逆にM4よりも落ち着く。速度を上げていくにつれ、乗り心地はカドがとれ、クルマ好きの好む均質な弾性感とでもいうべきライドフィールへと収束する。高速クルーズもなかなかよかった。

 驚いたことに、これだけ大きなタイヤ(とくにフロント)を履いているというのに、低速域からまるで違和感がない。リアタイヤかと見紛うほどに太いタイヤと乗り手の両腕とがつながっているとは到底思えない。もちろんドライブモードの設定次第で様々なキャラクターへと変更できるが、コンフォートでもスポーツプラスでも前輪の大きさを特に感じることはなかった。

 そして、エンジンの気持ち良さはやはり格別。M2の3L直6ツインターボ(S58型)は、アルピナを含めすでにいろんなモデルに積まれて実績がある。十分に慣れ親しんだはずだというのに、絶品の力強さと官能フィールでドライバーを鼓舞し続ける。何度乗っても、いいなぁと思う。右足を踏むほどに足元から腰がエンジンと一体となる感覚が高まっていく。これこそよくできた内燃機関の見本で、直6を操る喜びを十分に堪能できた。

 そんな心臓をより魅力的に感じさせたポイントが、改良された6速MTの操作フィールだった。シャシー制御とともに先代M2に比べて大幅に良くなったと思える点である。

 先代のMTは操作フィールに節度感が足りず、エンジンの官能性と手足を駆使する楽しみだけで評価すべきトランスミッションだった。決してシフトフィールそのものが気持ちいいとは思えなかったのだ。新型ではそれがかなり改善された。ビシビシと吸い込まれるような操作感と、優秀なレブシンクロ機能の相乗効果で、積極的に操れば操るほど楽しい。

 0→100km/h加速タイムはATの4.1秒に対してMTは4.3秒。このクラスでも“速さ”に関しては、2ペダルに軍配が上がる。となればMTの役目は速く走らせることではない。ドライバーを気分よくさせることが、重要な役割になる。

 マニュアルギアボックスのシフトフィール改善は、新型M2の大きな魅力だ!

(CAR and DRIVER編集部 報告/西川 淳 写真/BMW)

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