SUBARUクロストレック・リミテッド(4WD)/7CVT 328万9000円 Photo by Hiroya Yamagami
クロストレックはフォレスター/アウトバックと並ぶ第3の世界戦略SUV。日本での受注も好調。リミテッドが75%を占め、全体の4WD比率は72%。ボディ色はオフショアブルーメタリックが人気だ。
新型クロストレック
個性の際立ったスタイリング
新型クロストレックを、いよいよ公道でドライブできた。事前受注では上級のリミテッドが75%に達しているという。ボディカラーのいちばん人気は写真のオフショアブルー・メタリックだ。
個性の際立ったスタイリングは、新鮮味と楽しそうな雰囲気が巧みに表現されている。従来のXVにも増して若々しさを感じる。これは売れそうだ。
新開発シートも効いて
乗り心地は実に快適
e-ボクサーらしくモーターがアシストする感覚がより高まったのも好印象だ。車内の表示を見ていると、100km/h程度の高速走行時でも条件が合えば積極的にアシストしている。巡航時、モーターだけの走行に切り替わる頻度もかなり高い。
足回りの印象も上々だ。以前プロトタイプをクローズドコースで試乗した際に、走りのよさは実感していた。ただしこれだけハンドリングがよいと公道での乗り心地はどうなのか、と心配していたのだ。だが杞憂だった。想像以上によかったのである。サスペンションストロークが十分に確保されていて、よく動いて巧みに路面からの入力を吸収してくれる。体をしっかりと支え、頭がブレにくい構造を採用した新開発シートも効いて、乗り心地は実に快適だ。
全車マイルドHVのe-ボクサー仕様。新型はスムーズさと電動車感がアップ。WLTC モード燃費は15.8km/L
インパネは機能的で開放感が高い。リミテッドは11.6インチセンターモニター標準。ナビ(op8万8000円)は話題の“what3words”目的地検索に対応
前席は快適な新形状。乗り心地は全域でしなやか
SUBARUクロストレック・リミテッド(4WD)リアシート
運転を交代して後席に乗っても心地よさはそのまま。さすがに後方から入ってくる音は感じるが、乗り心地は悪くない。やはり強固な車体とサスペンションの絶妙なチューニングが、その快適さを実現している。
ここまで完成度の高いクロスオーバーSUVは
ちょっと心当たりがない
ハンドリングも気持ちがいい。まさしく意のままの走りを実現している。2ピニオン式の電動パワーステアリングは好印象。以前、別のスバル車では、テストコースではよかったのに公道で乗るとあまり印象がよくないケースがあった。クロストレックは公道でもいい。ステアリングフィールは、フリクションもイナーシャもなくスッキリ。中立からリニアに動いて接地感が高く直進安定性にも優れる。
クロストレックはグレードによってタイヤが異なる。リミテッドは18インチ、ツーリングは17インチ。それぞれオールシーズン仕様を装着している。サスペンションの設定は共通だが、タイヤの銘柄とサイズが異なるので乗り味は異なる。どちらもよい印象だが、舗装路を走るには、リミテッドのほうが静かで、走りの一体感も勝る。ハイトが薄くバネ下が重くなる分、乗り心地に多少は影響があるのではと思っていたのだが、路面の当たりの硬さもなくバタつきも気にならなかった。
クロストレックは、郊外や高速道路からちょっとした峠道まで、快適で気持ちよく走れた。このクラスでここまで完成度の高いクロスオーバーSUVは、ちょっと心当たりがない。従来のXVもなかなかよかったが、クロストレックは確実に進化している。丁寧に研鑽を続けるスバルには、恐れ入る思いである。
(CAR and DRIVER編集部 報告/岡本幸一郎 写真/山上博也)
CAR and Driverロゴ