スズキ・スペーシア・ベースXF ベースはスペーシアの広い室内空間を活かした新感覚商用バン 各部ブラック仕上げ スライドドアは右側が電動/左側は手動式 価格:139万4800~166万7600円 Photo by Akihiko Kokubo
移動先で“趣味や仕事の基地”になる
スペーシア・ベースが新登場
人気のスペーシアに、「遊びに仕事に空間自由自在。新しい使い方を実現する軽商用バン」をコンセプトに掲げる新しい仲間、ベースが加わった。“BASE=ベース”という言葉には移動先で“趣味や仕事の基地”になるという意味が込められている。
既存の“GEAR=ギア”との関係が気になるところだが、性格は異質。ギアはSUVテースト、ベースは、シンプルでスペース重視だ。外観もあえて“道具感”を演出する架装が施されている。
商用バンは新規車検が乗用車の3年に対し2年 継続車検は2年で共通 ボディカラーは写真のモスグレーメタリックなど全5色
インパネはスペーシア共通形状 フルオートAC/前席シートヒーター/USB電源ソケットなど装備充実 全方位カメラパッケージを設定(4万6200円)
前席はゆったりしている リアシートは補助席感覚 アレンジ空間に割り切った設計 後席をたたむとフラットスペース出現 ボードアレンジでワーケーションユースに対応
仕事にも遊びにも使える
マルチモデル
ボディカラーは新色のモスグレーメタリックのほか全5色を設定。要所要所に施されたブラック塗装がクールなイメージを演出する。
パワーユニットは自然吸気(52ps/60Nm)のみ。GFとXFの2グレード構成で、駆動方式はFFと4WDが選べる。
ベースが企画された背景には、Kカーのスペース性を活かした、仕事にも遊びにも使えるマルチモデルがほしいというニーズの高まりがある。ベースは、キャブバンのエブリイと、乗用ワゴンのスペーシアの“いいとこ取り”。開発チームは、さまざまな先入観を捨て、柔軟な発想を大切にしたという。
開発にあたっては、社内に“商用プロジェクト”という取り組みを立ち上げて、アイデアと意見を実際のユーザーから聞くという活動も行った。ベースには、そこで得た知見が盛り込まれている。
夢が広がる
もうひとつの部屋であり、旅の相棒
車内の作りは非常に機能的だ。収納スペースがいたるところに設定されているほか、荷室の左右側面には計10個所にユーティリティーナットを配置。さまざまなカスタマイズができる。
注目はラゲッジボードである。高さなどが4段階に選択できるようになっていて、ワーケーションや車中泊、移動販売などいろいろな使い方に対応する。まさにユーザーのアイデア次第で、ユーティリティ無限大といった雰囲気である。使い方の幅を広げるさまざまなアイデアは、書ききれないほど採用されている。興味のある方は、実車確認をお勧めする。
ベースは知るほどに、その便利さとスペース性に驚き、こんな風に使うと楽しそうだ、と夢が広がる。さながら、もうひとつの部屋であり、旅の相棒。100人のユーザーが居たら、100通りの使い方が生まれるに違いない。時代にマッチした、手軽で魅力的な選択肢がひとつ増えた。
(CAR and DRIVER編集部 報告/岡本幸一郎 写真/小久保昭彦)
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