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マツダ「CX-60」FR・3.3L直6ディーゼルマイルドハイブリッド搭載【試乗記】

マツダ「cx-60」fr・3.3l直6ディーゼルマイルドハイブリッド搭載【試乗記】

プレミアムSUVらしい堂々とした風格のある分厚いフロントフェイスとロングノーズ&ショートデッキによる力強く動きのある骨格を表現 タフさの中に品格が光るエクステリアといえる 価格:299万2000~626万4500円 Photo by Atsushi Harada

ディーゼル+マイルドハイブリッドの

e-SKYACTIV D

 そういえば、と思い数えてみると、筆者はこれまでの25台の愛車歴のうち、車高の低いクルマが大半だが、直6のFR車を実に10台も所有していた。筆者と同じように、“直6”と“FR”というキーワードに反応して、CX-60のことが気になっている人は大勢いることだろう。

 CX-60についてはこれまでテストコースでプロトタイプをドライブしたり、事前説明の場で実車に触れる機会があった。だが、公道を走るのは初めて。いよいよそのときが訪れた。

 4種類のパワートレーンが揃う計画が明らかにされているが、今回ドライブしたのはディーゼル+マイルドハイブリッドのe-SKYACTIV Dで、グレード名はXD-HYBRIDとなる。

マツダ「cx-60」fr・3.3l直6ディーゼルマイルドハイブリッド搭載【試乗記】

後方に置いたキャビンのルーフ後端から地面を突き抜ける光の表現はCXпЅ°60гЃ®еј·гЃ„еЂ‹жЂ§гЃ

マツダ「cx-60」fr・3.3l直6ディーゼルマイルドハイブリッド搭載【試乗記】

室内は幅広なインストルメントパネルにサイドルーバーからドアトリムへ連続する造形によりワイドでリッチな空間を表現している

マツダ「cx-60」fr・3.3l直6ディーゼルマイルドハイブリッド搭載【試乗記】

運転席10wayパワーシート&ドライビングポジションメモリ機能を装備 シートは身体をしっかりと支えてくれる形状

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こちらはプレミアムスポーツ ラグジュアリーで上質な雰囲気を創り上げたモデル スポーツといってもアグレッシブで他を威嚇するものではなくしっかりと品格を残した中に上品さと強さをバランスしている

マツダ「cx-60」fr・3.3l直6ディーゼルマイルドハイブリッド搭載【試乗記】

タン内装はスウェード素材とナッパレザーの諧調を魅せ要所をブラック素材で引き締めている

外見はまさしくプレミアгѓ

存在感は際立つ

 7月末時点の受注は6400台で、構成比はPHEVが5%、XD-HYBRIDが45%、XDが36%、ガソリンの25Sが14%と、予想どおりXD-HYBRIDが最も多く、4WDの比率は61%を占める。

 年齢層は、40代(27%)を頂点とするゆるやかな山型となっていて、けっして安くないクルマながら20代以下が14%にも達しているというから驚いた。

 試乗車は、最量販のXD-HYBRIDのグレード名に“プレミアム~”が付く上級モデルのプレミアム・モダンとプレミアム・スポーツの4WDだ。

 車両重量はともに1940kgで、車検証によると前軸重が1060kg、後軸重が880kgとFFよりもいくぶん前後配分が均等に近い。

 外見はまさしくプレミアム。どちらもブラックメタリック塗装(プレミアムモダンは切削加工)の20インチホイールを履き、存在感は際立っている。

 インテリアも質感は非常に高いことを再確認した。プレミアムモダンはダッシュ回りの新感覚の表現が興味深く、プレミアムスポーツは印象的なタンカラーのインテリアが目を引く。500万円台半ばでこれほどのクオリティ感を実現するとはたいしたものだ。

 公道に出る前に、独自の新機能、自動ドライビングポジションガイドとシースルービューを試した。運転に不慣れなユーザーにも、こうしたサポートあると何かと助かるのはいうまでもない。ガイドに従いドライビングポジションを合わせると、初めて乗るのにすぐに馴染めてしっくりくるのは、最近のマツダ車のお約束だ。

 いざ走り出せば、直6ならではサウンドとスムーズな吹き上がりにニンマリ。SKYACTIVで直6ならディーゼルでも美味なものとなることがよくわかった。エンジンの存在をあえて感じさせるように味付けされていて、思わずアクセルペダルを踏みたくなってしまう。5200rpmからレッド表示になる。実際に回るのは4700~4800rpmだが、物足りなさは感じない。

 マイルドハイブリッドの強みで、発進はスムーズかつレスポンスもリニアで乗りやすい。アイドリング時の振動は少々気になったのだが、マイルドハイブリッドのおかげでアイドリングストップ後の再始動も静かでスムーズだ。

 プロトタイプの試乗会では3.3Lとしては物足りないという意見もあった。確かに性能重視のディーゼルのように下からドンとくる印象ではないものの、今回はとくに不満は感じなかった。実際、最大トルクが550Nmに達している。それでいて燃費公表値は1.8LのCX-3や2.2LのCX-5のXDを大幅に上回っており、効率のための排気量拡大というマツダの説明どおりと考えると納得できる。

 トルコンレスの8速ATもダイレクト感があり、これまでの6速より2速も増えてステップ比がよくなったおかげで、よりスムーズに走れる。駐車のときにギクシャクするのではと危惧していたが、滑らかな動きで安心した。

 一方でシャシーの仕上がりについては、やや期待したほどではない面も見受けられた。普通に走るぶんには、思ったよりもリアの乗り心地が硬いかな程度で、それほど悪く感じなかった。だが、荒れた路面を通過したときやワインディングを攻めぎみに走ったときの動きには、煮詰められていないように感じられたのは否めない。

いい形となるには

もう少し時間を要しそう

 KPCやピロ足も効いてリアの安定感はまずまずだった半面、全体的に大味で、プロトタイプに乗って感じたよさとは少々異なる印象を受けたのが正直なところだ。

 おそらく開発陣が意図したことがまだ上手く表現できていないと思う。プラットフォームを刷新して満足に仕上げるというのは、やはりそれなりに難しい作業のようだ。ただし、マツダがこのクルマをどのようにしたかったのか、目指しているものはうかがえた。

 いい形となるにはもう少し時間を要しそうだが、期待して待つことにしたい。

(CAR and DRIVER編集部 報告/岡本幸一郎 写真/原田 淳)

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