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レクサスRX新型、「RXを壊せ」の変革で大人の余裕を実現したFスポーツ【試乗記】

レクサスrx新型、「rxを壊せ」の変革で大人の余裕を実現したfスポーツ【試乗記】

500h・Fスポーツ・パフォーマンス Photo:LEXUS

RXはレクサスの屋台骨を支えるプレミアムSUV。6月に発表された新型は、4タイプのパワーユニットが設定された。トップモデルはパワフルHVの500hである。

5代目の開発コンセプトは

“RXを壊せ”

 RX(当初の日本名はハリアー)は、1998年に「高級セダンの快適性を兼ね備えたSUV」として登場した。デビューから24年、いまでは約95の国と地域で累計350万台を発売するレクサスの絶対的なエースに成長した。最新モデルが6月に世界初公開された5代目だ。まもなく日本でも正式発売される新型にアメリカ・サンタバーバラで試乗した。

 5代目の開発コンセプトは“RXを壊せ”である。これは「エースだからこそ挑戦が必要」を意味している。エクステリアはRXらしいまとまり。NX/RZとの共通性を持ちながら、一段とボディに溶け込んだスピンドルグリル、スタンスのよさ、ボリューム感たっぷりの面構成により、“伸びやかさ”と“柔らかさ”を備える。従来以上にプレステージ性の高いスタイルにまとめられている。

レクサスrx新型、「rxを壊せ」の変革で大人の余裕を実現したfスポーツ【試乗記】 レクサスrx新型、「rxを壊せ」の変革で大人の余裕を実現したfスポーツ【試乗記】

新型はPHEVモデルの450h+を設定。450h+は日常域をEVとして走る先進モデル

レクサスrx新型、「rxを壊せ」の変革で大人の余裕を実現したfスポーツ【試乗記】

室内はメーターフードからドアトリムまでシームレスに連続した造形。人間中心思想を徹底した“Tazunaコンセプト”を取り入れて、操作性を徹底的に追求している。 センターディスプレイは大型14インチ。写真は500h・Fスポーツパフォーマンス

レクサスrx新型、「rxを壊せ」の変革で大人の余裕を実現したfスポーツ【試乗記】

Fスポーツ系モデルは肩回りのサポート性を高めたスポーツシートを採用。後席はフォーマルユースにも十分対応するスペース性がある。500h・Fスポーツパフォ ーマンスの乗り味は適度に硬めのチューニング

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ラゲッジルームはバックドアトリムの薄型化で積載容量が拡大した。9.5インチゴルフバッグが4セット積める。後席は3分割タイプの可倒式で実用性にも配慮している

 インテリアはNX/RZに続いて新世代レクサスのコクピットデザイン“TAZUNAコンセプト”を展開。メーターフードからドアトリムまで連続的につながる造形が印象的だ。奥行きや水平方向の伸びやかさが特徴で、スポーティさよりもエレガントさを重視した印象。NXで課題だったソフトパッドと樹脂部品の質感の差や隙間なども整えられている。ただしシフト回りの洗練度に欠ける操作系はNXと変わらない。ここは見直してほしい部分だ。居住性はパッケージの刷新により大きくレベルアップ。とくにリアシートは60mm延長されたホイールベースの効果で広くなった。足元スペースはフォーマルユースにも十分なゆとりがある。

 パワートレーンは全4種。2.4Lターボ/2.5Lハイブリッド/2.5Lプラグインハイブリッド/2.4Lターボ+DIRECT4と豊富なラインアップを誇る。新開発の2.4Lターボ+DIRECT4以外はNX用と共通ユニットだ。

 RXへの搭載にあたり、どれも静粛性が大きくレベルアップしており、動力性能も十分である。NXより車両重量が重いため相対的には穏やかな特性になっているが、どのパワートレーンも不満に感じない。むしろRXらしいジェントルな味付けが好印象だった。

 フットワークはどうか?基本性能は旧型に対して飛躍的なレベルアップを果たしている。NXと比べて一段と洗練・精緻な印象を受けた。このあたりは、新プラットフォーム(GA-Kフェイズ2)や新開発リアマルチリンクサス、そしてNXから導入された「デジタル開発+走り込み」の効果だろう。ちなみにボディは、リア回りの骨格刷新、サスペンション取り付け部の着力点剛性の確保、接合剛性アップ(レーザースクリューウェルディング+構造用接着剤+短ピッチ打点技術)が行われた。

新型は“大人の余裕”を実現そのうえでFスポーツ

パフォーマンスは強い魅力を放つ

 RXをさまざまなシーンでチェックしたが、街中ではサイズを感じさせない扱いやすさ、高速では抜群の安定感と乗り心地のよさ、ワインディングでは軽快な身のこなし、さらに一体感あるハンドリングを実感した。いい出来栄えである。

 新型は、“走りは良くて当たり前、その先も満足させる”というプラスαを備えている。具体的には、従来とはレベルの違う“ゆとり”、“重厚”、“優しさ”がある。元気に走らせるとしっかりと応える実力を備えていて、飛ばさなくてもクルマのよさが実感できる。まさに“大人の余裕”が新型RXの魅力だ。

 そのうえで、RX500h・Fスポーツパフォーマンスは強い個性を放つ。Fスポーツパフォーマンスは通常のFスポーツの上位に位置するスペシャルモデル。2.4Lターボ+DIRECT4のパワートレーンに加えて、専用サスペンション(リニアソレノイドAVS)、4輪操舵のDRS(ダイレクト・リアステア)、21インチ専用タイヤ(ミシュラン・パイロットスポーツ4SUV)、6ピストン対向キャリパーを採用する、すべてが特別なクルマだ。

“RXを壊した”ことで、

RXらしさが増したよう

 他グレードから乗り換えると“これは本当にRXなのか?”と思うほど、クルマが小さく、軽く感じる。コーナリング時の姿勢変化は最小限。コーナーの曲率に合わせて4本のタイヤのグリップ力が最適になるようにコントロールして旋回しているイメージ。DIRECT4による駆動力制御とDRSの相乗効果だが、実際にドライビングしていると「機械に曲げられている」感覚は皆無。まるで「運転が上手くなった」ようなコントロール性と自在性を見せつける。乗り心地はわずかに硬め。他のRXと比べると「ちょっと引き締められている」というレベル。普段はRXらしくゆったり走れるが、ひとたびアクセルを踏むとスポーツカー好きも魅了する、二面性を持ったグレードといえる。

 新型は“RXを壊した”ことで、RXらしさが増したように感じた。走りに奥行き感が増している。サイズの大小ではなくNXの兄貴分にふさわしいプレステージ性を実現した。まもなく日本でも発売が始まるが、半導体の影響もあり、販売台数やグレードが限定されるというウワサも。いいクルマだからこそ、多くのユーザーが購入できる環境を整えてほしいと願っている。

(CAR and DRIVER編集部 報告/山本シンヤ 写真/LEXUS)

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