メルセデスAMG・C43・4マチック 新型はパワーユニットを従来の3L・V6ツインターボ(390ps/520Nm)から新世代2L直4ターボ(408ps/500Nm)に変更 量産車初の電動ターボチャージャーの採用で全域ハイレスポンスを実現 価格:未定 Photo:Mercedes-AMG
3L・V型6気筒ツインターボから
新型メルセデスAMG・C43のパワーユニットは従来の3L・V型6気筒ツインターボから、2L直列4気筒ターボに変更された。強い趣味性を持つモデルとして、マルチシリンダーエンジンは大きな魅力だったはずだが、あえて4気筒を選択している。しかし、新心臓は単なるダウンサイジングではない。新型はAMGの“ワンマン、ワンエンジン”の哲学に則った職人が組み上げるユニットであり、メカニズム面では量産車初搭載の電動・排気ターボチャージャーを採用した。
新型ターボは排気に加えて、減速時に回生される電気でも駆動する。狙いはアクセルレスポンスの向上。低回転域やアクセルオフ時などに電動でタービンを回してターボラグを打ち消し、アクセル操作に即応するレスポンスを実現する。
スペックは最高出力408ps、最大トルク500Nm。これにベルト式スタータージェネレーターの14psが加算される。トランスミッションはAMGスピードシフト9G・MCT。トルクコンバーターの代わりに電子制御多板クラッチを用いた9速ATだ。駆動方式は前後駆動力配分を31対69とした4WDである。
新たな走りと技術
ユーザーに高い満足感を与える
走り出してまず驚いたのが、アクセル操作に即応するレスポンスのよさだ。アイドリング付近の低回転域からの鋭いピックアップは、内燃エンジンだけでは到底不可能なものだといっていい。
このエンジンフィーリングは、まさに未体験だった。電気の力を得て、エンジンの魅力がさらに高まったというわけだ。
フットワークも完成度が高い。いい仕上がりである。乗り心地は悪くないし、操舵に対する応答性は正確。心地よい旋回性はリアホイールステアの貢献も大きいはずだ。
ハイパフォーマンスカーのダウンサイジングは、性能だけの問題ではない。高い趣味性を保つことも重要な要素となる。さすがはAMG。新型C43・4MATICは、職人の技と最新テクノロジーを用いて、その難問を見事に解決した。
新型は新たな走りと技術が、ユーザーに高い満足感を与えるリアルスポーツセダンである。
(CAR and DRIVER編集部 報告/島下泰久 写真/Mercedes-AMG)